05 細胞染色用色素

Mitophagy Detection Kit

Mitophagy Detection Kit

マイトファジー検出キット

  • 製品コード
    MD01  Mitophagy Detection Kit
容 量 本体価格
1 set ¥36,000

キットコンポーネントを単品発売致しました。

キット内容
1 set ・Mtphagy Dye
・Lyso Dye
5μg x 1
30μg x 1

性質

ミトコンドリアはエネルギー産生の場として知られ、細胞内で重要な機能を持つオルガネラの一つである。近年では、アルツハイマー病やパーキンソン病の原因の一つに不良化したミトコンドリアの蓄積が報告され、マイトファジーがその中で重要な役割をもった機構であることが明らかになってきている。マイトファジーは酸化ストレスやDNA損傷等により不良化したミトコンドリアを選択的に除去するシステムであり、不良ミトコンドリアはオートファゴソームにより隔離され、リソソームと融合し消化される。
Mtphagy Dyeは、生細胞膜を透過し細胞内のミトコンドリアに集積した後、化学結合によりミトコンドリアに固定化される。周辺の環境によりMtphagy Dyeの蛍光強度は低い状態にあるが、マイトファジーが誘導されてミトコンドリアがリソソームと融合すると、酸性条件下におかれたMtphagy Dyeの蛍光強度が増大する。本キットはマイトファジーを検出するMtphagy Dyeとリソソームを染色するLyso Dyeで構成されている。

特長
1) 低分子蛍光試薬を添加するだけでマイトファジーを簡便に検出
2) 蛍光顕微鏡による生細胞イメージングが可能
3) 付属のリソソーム染色試薬との共染色が可能

マニュアル

技術情報

検出原理

Mtphagy Dyeによるマイトファジー検出機構

本製品の測定原理・使用例が記載された論文は、参考文献4)をご覧ください。

マイトファジーの検出例

Mtphagy Dye
(マイトファジー染色)

 
Lyso Dye
(リソソーム染色)

 
MitoBright Deep Red
(ミトコンドリア染色)

 
重ね合せ
 

Parkin発現HeLa細胞(上段)および未発現HeLa細胞(下段)にCCCP(carbonyl cyanide m-chlorophenyl hydrazone)を添加した。Parkinを発現した細胞をCCCPで刺激することでマイトファジーを誘導し、蛍光イメージングにより検出した。また、ミトコンドリア染色色素(MitoBright Deep Red: MT08)と共染色することにより、リソソームに取り込まれたミトコンドリア(白色)と取り込まれていないミトコンドリア(紫色)を識別することが可能となった(写真: 右)。

<フィルター>
Mtphagy Dye:
561 nm (Ex)、650 LP nm (Em)
Lyso Dye:
488 nm (Ex)、502-554 nm (Em)
MitoBright Deep Red:
640 nm (Ex)、656-700 nm (Em)

飢餓誘導条件下での検出例

Mtphagy Dye
 
Lyso Dye
 
重ね合せ
 

誘導条件①:Krebs’ Buffer (Pepstatin A及びGlucagon含有)
誘導条件②:DMEM培地 (アミノ酸不含、Pepstatin A及びE-64d含有)
<フィルター>
Mtphagy Dye: 561 nm (Ex)、650 LP nm (Em)
Lyso Dye: 488 nm (Ex)、502-554 nm (Em)

HeLa 細胞へMtphagy Dye を添加後、飢餓誘導条件下にて6 時間インキュベート。その後Lyso Dye 添加によりリソソームの共染色を行った結果、飢餓誘導したHeLa 細胞において、Mtphagy Dye の蛍光の増大がみられた。

マイトファジー誘導とミトコンドリア膜電位変化の検出

Parkin発現HeLa細胞を用いて、CCCP(carbonyl cyanide m-chlorophenyl hydrazone)添加の有無によるミトコンドリアの状態を、マイトファジー検出キット(Mitophagy Detection Kit:MD01)及びミトコンドリア膜電位検出キット(JC-1 MitoMP Detection Kit: MT09)にて評価しました。
 
結果、CCCP未処理の細胞ではマイトファジーは殆ど検出されず、またミトコンドリア膜電位が正常に維持されていることが確認されました。一方、CCCPを添加した細胞では、ミトコンドリア膜電位の低下(JC-1の赤色蛍光減少)とマイトファジーの誘導(Mtphagy Dyeの蛍光増大)を確認しました。

<実験条件>
■HeLa細胞へのParkin プラスミドの導入
HilyMax(製品コード:H357)を用いてHeLa細胞へParkin プラスミドを導入(Parkin プラスミド/HilyMax reagent : 0.1 μg/0.2 μL)
し,一晩培養後の細胞を用いて下記検出を行った。

■マイトファジー検出
Parkin発現HeLa細胞に0.1 μmol/L Mtphagy working solution を添加し37 ℃で30分間インキュベートした。その後、細胞をHBSSにて洗浄し、10 μg/mL CCCP/MEM 溶液を添加し、37 ℃にて2時間インキュベートした。処理した細胞を、蛍光顕微鏡にて観察した。

■ミトコンドリア膜電位検出
Parkin発現HeLa細胞に10 μg/mL CCCP/MEM 溶液を添加し、37℃にて1.5時間インキュベートした。そこへ終濃度2 μmol/Lとなるように4 μmol/L JC-1 working solutionを添加し、37 ℃で30分間インキュベートした。インキュベート後、HBSSを用いて細胞を洗浄しImaging Buffer solutionを添加後、蛍光顕微鏡にて観察した。

<検出条件>
■マイトファジー検出
Ex: 561 nm, Em: 570-700 nm

■ミトコンドリア膜電位検出
Green Ex: 488 nm, Em: 500-550 nm
Red Ex: 561 nm, Em: 560-610 nm

Mtphagy Dye, Lyso Dyeの蛍光特性


Mtphagy Dyeの
励起・蛍光スペクトル

Lyso Dyeの
励起・蛍光スペクトル

 

アプリケーション

○本製品の測定原理・使用例が記載された論文は参考文献4)を ご覧ください。
○フローサイトメトリーによりマイトファジーを検出した論文は参考文献1)を ご覧ください。
 

取扱条件/SDS

規格
性状:
Mtphagy Dye: 試験適合
Lyso Dye: 試験適合

参考文献

参考文献を表示する

1) J. Koniga, C. Otta, M. Hugoa, T. Junga, A. L. Bulteaub, T. Grunea and A. Hohna, "Mitochondrial contribution to lipofuscin formation"Redox Biology2017, 11, 673.
2) K. Kameyama, "Induction of mitophagy-mediated antitumor activity with folate-appended methyl-β-cyclodextrin"International Journal of Nanomedicine2017, 12, 3433.
3) E. F. Fang, T. B. Waltz, H. Kassahun, Q. Lu, J. S. Kerr, M. Morevati, E. M. Fivenson, B. N. Wollman, K. Marosi, M. A. Wilson, W. B. Iser, D. M. Eckley, Y. Zhang, E. Lehrmann, I. G. Goldberg, M. S. Knudsen, M. P. Mattson, H. Nilsen, V. A. Bohr and K. G. Becker, "Tomatidine enhances lifespan and healthspan in C. elegans through mitophagy induction via the SKN-1/Nrf2 pathway"Scientific Reports2017, 7, (46208), DOI: 10.1038/srep46208.
4) H. Iwashita, S. Torii, N. Nagahora, M. Ishiyama, K. Shioji, K. Sasamoto, S. Shimizu and K. Okuma, "Live Cell Imaging of Mitochondrial Autophagy with a Novel Fluorescent Small Molecule"ACS Chem. Biol.2017, 12, (10), 2546.
5) Y. Feng, NB. Madungwe, CV. da Cruz Junho and JC. Bopassa, "Activation of G protein-coupled oestrogen receptor 1 at the onset of reperfusion protects the myocardium against ischemia/reperfusion injury by reducing mitochondrial dysfunction and mitophagy."Br. J. Pharmacol.2017, 174, (23), 4329.
6) K. M. Elamin, K. Motoyama, T. Higashi, Y. Yamashita, A. Tokuda and H. Arima, "Dual targeting system by supramolecular complex of folate-conjugated methyl-β-cyclodextrin with adamantane-grafted hyaluronic acid for the treatment of colorectal cancer."Int. J. Biol. Macromol.2018, doi: 10.1016/j.ijbiomac.2018.02.149.
7) N. Furuya, S. Kakuta, K. Sumiyoshi, M. Ando, R. Nonaka, A. Suzuki, S. Kazuno, S. Saiki and N. Hattori, "NDP52 interacts with mitochondrial RNA poly(A) polymerase to promote mitophagy."EMBO Rep. ., 2018, doi: 10.15252/embr.201846363.
8) L. Zhu, X. Xie, L. Zhang, H. Wang, Z. Jie, X. Zhou, J. Shi, S. Zhao, B. Zhang, X. Cheng and S. Sun, "TBK-binding protein 1 regulates IL-15-induced autophagy and NKT cell survival"Nature Communications., 2018, 9, (1), doi:10.1038/s41467-018-05097-5.
9) K. Araki, K. Kawauchi, W. Sugimoto, D. Tsuda, H. Oda, R. Yoshida and K. Ohtani, "Mitochondrial protein E2F3d, a distinctive E2F3 product, mediates hypoxia-induced mitophagy in cancer cells"Commun Biol., 2019, DOI: 10.1038/s42003-018-0246-9.
10) E. Adegoke, S. Adeniran, Y. Zeng, X. Wang, H. Wang, C. Wang, H. Zhang, P. Zheng and G. Zhang , "Pharmacological inhibition of TLR4/NF-κB with TLR4-IN-C34 attenuated microcystin-leucine arginine toxicity in bovine Sertoli cells."J Appl Toxicol., 2019,doi: 10.1002/jat.3771.
11) E. F. Fang, Y. Hou, K. Palikaras, B. A. Adriaanse, J. S. Kerr, B. Yang, S. Lautrup, M. M. Hasan-Olive, D. Caponio, X. Dan, P. Rocktaschel, D. L. Croteau, M. Akbari, N. H. Greig, T. Fladby, H. Nilsen, M. Z. Cader, M. P. Mattson, N. Tavernarakis and V. A. Bohr, "Mitophagy inhibits amyloid-β and tau pathology and reverses cognitive deficits in models of Alzheimer's disease."Nat. Neurosci. ., 2019,DOI:10.1038/s41593-018-0332-9.
12).Iwasawa, T. Shinomiya, N. Ota, N. Shibata, K. Nakata, I. Shiina, and Y. Nagahara , "Novel Ridaifen-B Structure Analog Induces Apoptosis and Autophagy Depending on Pyrrolidine Side Chain"Biological and Pharmaceutical Bulletin., 2019, 42, (3), 401-410, doi: 10.1248/bpb.b18-00643.

よくある質問

Q

既存法に対する利点を教えてください。

A

pHセンサーKeimaタンパク質を用いた検出方法と比較して、本キットは低分子蛍光試薬を用いるため、蛍光タンパク質を発現させる必要がありません。また、一般的なライブセルイメージング用の蛍光試薬と同様の操作方法で染色、観察することができます。

Q

DMSO stock solutionは、どのくらい安定ですか?

A

Mtphagy Dye、Lyso Dyeともに、調製後、-20℃で保存してください。調製後1か月間安定です。使用量に応じて小分けして保存することをお勧めします。

Q

Working solutionは、どのくらい安定ですか?

A

保存できません。用時調製してください。

Q

培地中のフェノールレッドは測定に影響しますか?

A

観察する際、共焦点レーザー顕微鏡をご使用であれば殆どフェノールレッドの影響はありませんが、落射型蛍光顕微鏡をご使用の場合はフェノールレッドによるバックグラウンドが観察されます。(下記観察データを参照)そのため落射型蛍光顕微鏡をご使用になる際は、Working solutionまたは染色時にはフェノールレッド不含の培地またはHBSSをご使用ください。

Q

蛍光顕微鏡の推奨フィルターを教えてください。

A

各試薬に応じて以下のフィルターを推奨します。

 Mtphagy Dye: 励起(500~560 nm)、蛍光(670~730 nm)
 Lyso Dye:    励起(350~450 nm)、蛍光(500~560 nm)

取扱説明書の「励起/蛍光スペクトル」及び「蛍光顕微鏡による測定例」もご参考ください。

Q

多重染色時の注意点を教えてください。

A

Mtphagy Dyeは一般的なRed系の蛍光色素に比べストークスシフトが長いため、Deep Redの蛍光色素と共染色する時には特に注意が必要です。
つまりMtphagy Dyeは500–560 nmで励起し、670-730 nmで蛍光を検出するため、Deep Redの蛍光検出波長と重なります。そのため、Deep Redの色素が励起されない波長でMtphagy Dyeを励起し、一方でMtphagy Dyeが励起されない波長でDeep Redの色素を励起する必要があります。


[漏れ込みの事例]
① MitoBright Deep Redのみを添加した細胞(Mtphagy Dyeは添加していない条件)を用意した。
② MitoBright Deep Redの励起・蛍光波長で観察し、蛍光が観察されるかを確認した(下右図)。
③ Mtphagy Dyeの励起・蛍光波長で観察し、蛍光が観察されるかを確認した(下左図)。
④ ③にてMitoBright Deep Red由来の蛍光が観察された(下左図)。

※上記の様に蛍光の漏れ込みが確認された場合、下記をご参照ください。

[漏れ込み時の対処法]

○励起フィルター変更による対処
 上記の確認例にある通りEx 561 nmではMitoBright Deep Redも励起されていることから、Mtphagy Dyeの励起波長をより500 nmに近いレーザーまたはフィルターに変更しMitoBright Deep Redが励起されない条件に設定する。

○励起強度および蛍光検出感度の調整による対処
 MitoBright Deep Redの蛍光がMtphagy Dyeの観察波長に漏れ込んでいる場合、蛍光が観察されないレベルまで励起強度または観察時の感度を下げる。
その後、変更したそれぞれの観察条件でMtphagy Dyeの蛍光が検出できることを確認する。



[漏れ込みの確認方法]
Mtphagy Dye、Lyso Dye(リソソーム染色試薬)、MitoBright Deep Red(ミトコンドリア染色試薬)を用いた三重染色時の確認

1. 細胞を3つのdishまたはwellに準備する。
 (Mtphagy Dye、Lyso Dye、MitoBright Deep Redは、それぞれ異なるdishまたはwell中の細胞に加え染色する)
2. Mtphagy DyeおよびMitoBright Deep Redをそれぞれの細胞に添加する。(血清不含培地中)
3. 37℃で30分間培養する。
4. マイトファジー誘導条件(飢餓培養など)にて培養する。
5. Lyso Dyeを上記2.で使用していない細胞へ添加する。(血清不含培地中)
6. 37℃で30分間培養する。
7. それぞれの試薬に滴した励起波長、蛍光波長で観察する。
8. 使用している試薬以外の観察波長で、蛍光の漏れ込みがないことを確認する。

[観察条件]
 Lyso Dye:Ex 350-450 nm、Em 500-560 nm
 Mtphagy Dye: Ex 500-560 nm、Em 670-730 nm
 MitoBright Deep Red: Ex 640 nm、Em 656-700 nm

取扱条件

取扱条件
1.保存方法:冷蔵,遮光, 2.窒素置換,吸湿注意

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