NAD/NADH Assay Kit-WST

NAD/NADH 測定キット
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製品コードN509 NAD/NADH Assay Kit-WST
容 量 | 本体価格 |
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100 tests | ¥54,000 |
100 tests | ・NAD/NADH Extraction Buffer ・NAD/NADH Control Buffer ・Standard Buffer ・Assay Buffer ・Dye Mixture ・Enzyme ・Standard ・Filtration Tube |
20 ml×1 20 ml×1 10 ml×1 5.5 ml×1 550 μl×1 x1 x1 x12 |
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性質
NAD/NADH Assay Kit-WSTは、96ウェルプレートによる比色反応で細胞内の総NAD+/NADH量および、NAD+とNADHの比率を測定することができるキットです。本キットに含まれる抽出バッファーと除タンパク質用チューブを用いて簡便に培養細胞から測定サンプルを調整できます。
測定原理
マニュアル
技術情報
NAD+とNADHの測り分け操作

本キットに含まれる抽出バッファーと、除タンパク質用チューブを用いて簡便に培養細胞から細胞ライセートを調製できます。また細胞ライセートを加熱処理することで、細胞内 NADH量 のみを定量することができ、別途測定した総 NAD+/NADH 量からNADH 量を差し引くことで、細胞内 NAD+量を求めることができます。 本キットではn=3で12サンプルと標準サンプル8点の測定が可能です。12サンプル以上を使用する際には、別途フィルトレーションチューブをご準備頂く必要があります。 |
NAD+/NADH をマーカーとした研究
細胞内のNAD+とNADHの量は、薬剤投与や遺伝子組み換え等により影響を受けたガン細胞やミトコンドリア機能を理解する際の重要な代謝マーカーとして評価されています。最近では長寿に関わるサーチュインがNAD+量と深く関与していることが明らかとなっています。また肥満や糖尿病、細胞分化などの生物学的な状態を理解するためのマーカーとしても評価されるケースが増えています。
プレートアッセイで確かなデータ
本キット同梱の標準液を同時に測定することで、定量解析が行えます。サンプル中の総NAD+/NADH量が2 μmol/l より濃い濃度の場合は、サンプルを希釈することで評価できます。下記の実験では、細胞数が2倍異なるHeLa細胞を用いて、NAD+とNADHの量と比を求めました。
増殖培地にて培養したHeLa細胞(2.5×105、5.0×105 cells) を用い、細胞内のNAD+量とNADH量を検量線から求めました。結果、NAD+量とNADH量は細胞数に応じた変化がみられ、またNAD+とNADHの量比は細胞数に変化があっても同等結果となりました。
乳酸測定キットと組合せた測定例
解糖系の阻害剤である2-Deoxy-D-glucoseをHeLa 細胞に加えた際の代謝活性の変化を確認しました。
HeLa細胞(1×106 cells) に2-Deoxy-D-glucoseを最終濃度6 mmol/lになるよう添加し、24 時間培養後に乳酸量およびNAD+/NADH比を確認しました。乳酸測定は、培養上清を用いてLactate Assay Kit-WST(製品コード:L256)にて評価し、培養上清除去後の細胞を用いて本キットにてNAD+/NADH 比を評価しました。
結果、 2-Deoxy-D-glucose 添加により細胞内の解糖系が阻害されたことでLactate 量は減少し、NAD+/NADH 比は増加する結果が得られました。
参考文献
文献No. | 対象サンプル | 引用(リンク) |
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1) | オルガノイド (老齢マウス腸上皮オルガノイド) |
R. Uchida, Y. Saito, K. Nogami, Y. Kajiyama, Y. Suzuki, Y. Kawase, T. Nakaoka, T. Muramatsu, M. Kimura and H. Saito , "Epigenetic silencing of Lgr5 induces senescence of intestinal epithelial organoids during the process of aging", NPJ Aging Mech Dis., 2018,doi:10.1038/s41514-018-0031-5. |
2) | 細胞 (成人 T 細胞白血病細胞株) |
T. Kozako, A. Aikawa, T. Ohsugi, Y. Uchida, N. Kato, K. Sato, K. Ishitsuka, M. Yoshimitsu and S. Honda, "High expression of NAMPT in adult T-cell leukemia/lymphoma and anti-tumor activity of a NAMPT inhibitor', Eur. J. Pharmacol.., 2019, 865, 172738. |
3) | 細胞 (Sirt 7ノックアウト線維芽細胞) |
S. U. Sobuz, Y. Sato, T. Yoshizawa, F. Karim, K. Ono, T. Sawa, Y. Miyamoto, M. Oka and K. Yamagata, "SIRT7 regulates the nuclear export of NF-κB p65 by deacetylating Ran.', Biochim Biophys Acta Mol Cell Res.., 2019, 1866(9), 1355. |
4) | 細胞 (ヒトiPS由来神経細胞) |
K. Hayakawa, K. Nishitani and S. Tanaka, "Kynurenine, 3-OH-kynurenine, and anthranilate are nutrient metabolites that alter H3K4 trimethylation and H2AS40 O-GlcNAcylation at hypothalamus-related loci.", Sci Rep, 2019, 9(1), 19768. |
5) | 細胞 (HuH-7) |
M. Mikeli, M. Fujikawa, K. Nagahisa, S. Yasuda, N. Yamada and T. Tanabe, "Contribution of GPD2/mGPDH to an alternative respiratory chain of the mitochondrial energy metabolism and the stemness in CD133-positive HuH-7 cells.", Genes Cells, 2020, 25(2), 139. |
6) | 細胞 (HeLa) |
J.Thapaa, K. Hashimoto, S. Sugawara, R. Tsujikawa, T. Okubo, S. Nakamura and H.Yamaguchi, "Hypoxia promotes Chlamydia trachomatis L2/434/Bu growth in immortal human epithelial cells via activation of the PI3K-AKT pathway and maintenance of a balanced NAD+/NADH ratio", Microbes Infect., 2020, DOI:10.1016/j.micinf.2020.04.010. |
よくある質問
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Q
1キットで測定可能なサンプル数は?
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A
全てのサンプルをn:3で測定した際のサンプル数の目安は下記の通りです。
『NAD+とNADHの総量』
または『NADH量』の何れかを測定する場合『NAD+とNADHの総量』
および『NADH量』の両方を測定する場合サンプル数 24サンプル 12サンプル ※標準サンプルを2 μmol/Lから段階希釈し、計8点(n:3)で検量線を1回作成した際に測定可能な実サンプル数を記載。
測定を2回に分けて行う場合は、別途検量線を作成する必要があるため上記サンプル数よりも少なくなります。
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Q
450 nm以外の吸収フィルターで測定できますか?
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A
450 nm以外では、490 nmのフィルターでの使用が可能です。
ただし、吸光度値は450 nmで測定した場合と比較し低くなります。
それぞれの吸収フィルターで測定した時の検量線は下記の通りです。
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Q
Filtration Tube(除タンパク質用)は別途購入できますか?
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A
ご不便おかけしますが、Filtration Tubeのみの販売は行っておりません。
小社にて実績のある市販の除タンパク質用チューブをご紹介いたします。
製造メーカー:Pall Corporation
製品名:ナノセップ遠心ろ過デバイス (分画分子量:10K、色:ブルー)
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Q
Working solutionはどのくらい安定ですか?
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A
Working solutionは保存できません。用時調製して下さい。また、光に対して不安定なため
溶液調製後は遮光して下さい。遮光、室温で4時間安定です。
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Q
サンプルが発色しない原因はありますか?
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A
測定試料中に含まれているNAD量が、本キットで定量可能な濃度以下となっている可能性があります。
その場合は細胞数を増やして頂くか、測定試料を希釈している場合は、希釈倍率を下げて測定して下さい。
取扱条件
1.安衛法, 2.保存方法:冷蔵,遮光, 3.吸湿注意 | |
危険・有害 シンボルマーク |
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