ExoSparkler Exosome Protein Labeling Kit-Green

エクソソーム タンパク質蛍光染色キット Green
- 細胞外で凝集せず、より正確な動態を観察できる
- 本キットだけで蛍光標識から精製まで可能
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製品コードEX04 ExoSparkler Exosome Protein Labeling Kit-Green
容 量 | メーカー希望 小売価格 |
富士フイルム 和光純薬 |
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5 samples | ¥22,900 | 344-09691 |
精製済エクソソームを染色することができます。
5 samples | ・Protein Dye-Green ・Filtration tube |
×1 ×5 |
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ラベル化エクソソームの利用
近年、細胞から分泌される細胞外小胞(Extracellular vesicle ;EV)の一種であるエクソソームが、がんの悪性化や転移に促進的に寄与することが明らかとなり注目を集めています。
エクソソームによる細胞間コミュニケーションを解析するためには、細胞への取り込みをモニタリングする技術が重要であり、細胞外小胞の脂質二重膜やタンパク質を蛍光色素で染色する技術が汎用されています。
ExoSparkler シリーズは、精製されたエクソソームの膜またはタンパク質を染色し、細胞に取り込まれるエクソソームをイメージングすることができます。
マニュアル
技術情報
このキットだけで蛍光標識から精製まで
ExoSparkler シリーズは、エクソソームの標識に最適化したプロトコルに加え、蛍光標識後の未反応色素を除去できるフィルトレーションチューブを同梱しているため、簡単な操作で蛍光標識エクソソームを調製できます。
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精製手法(未反応色素の除去)の比較
ExoSparklarシリーズで未反応色素の除去に使用しているフィルトレーションチューブは、同用途で従来から用いられているゲルろ過法と比較して、高い回収率でエクソソームを精製することが可能です。
回収率※ | |
フィルトレーションチューブ(本キット) | 50% 程度 |
ゲルろ過法 | 10% 程度 |
※ 小社での実施例:精製前後のエクソソーム粒子数をNTA(ナノ粒子トラッキング解析)で比較 |
フィルトレーションチューブを用いた精製の有効性確認の蛍光画像をよくある質問:標識後の精製操作でフィルターは着色していますが、未反応の色素は分離できていますか?に掲載しています。
技術や使用製品に関する補足
技術情報のデータは京都大学大学院工学研究科高分子化学専攻 秋吉一成先生のご支援のもと取得いたしました。 |
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細胞外小胞、エクソソームの特性と機能
小社季刊冊子「DojinNews vol.169」に執筆いただいた記事を掲載しています。
実験例:エクソソームの局在確認
ExoSparkler Exosome Protein Labeling Kit-Deep Red(製品コード:EX06、Protein Dye-Deep Red)またはExoSparkler Exosome Membrane Labeling Kit-Red(製品コード:EX02、Mem Dye-Red)で染色したエクソソームをHeLa細胞へ添加し、細胞内におけるエクソソームの局在をリソソーム染色試薬(緑)との共染色で確認しました。その結果、タンパク質または膜を染色したエクソソームは、共にリソソームへ局在することが確認されました。
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豊富なラインナップ
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製品名 | 容量 | 製品コード |
エクソソーム 膜蛍光染色キット | ||
ExoSparkler Exosome Membrane Labeling Kit-Green | 5 samples※ | EX01 |
ExoSparkler Exosome Membrane Labeling Kit-Red | 5 samples※ | EX02 |
ExoSparkler Exosome Membrane Labeling Kit-Deep Red | 5 samples※ | EX03 |
エクソソーム タンパク質蛍光染色キット | ||
ExoSparkler Exosome Protein Labeling Kit-Green | 5 samples※ | EX04 |
ExoSparkler Exosome Protein Labeling Kit-Red | 5 samples※ | EX05 |
ExoSparkler Exosome Protein Labeling Kit-Deep Red | 5 samples※ | EX06 |
※ 精製済エクソソーム(超遠心法)として、タンパク質:1-10 μg/sample、粒子数:10-100×108 個/sample |
よくある質問
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Q
推奨されるエクソソームの精製法はありますか?
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A
超遠心法での精製を推奨しておりますが、免疫沈降法や磁気ビーズで精製したエクソソームの染色実績もございます。
また、超遠心法と同等の回収実績のある、ExoIsolator Exosome Isolation Kit(EX10)もご利用いただけます。
なお、ポリマー沈殿法で精製したエクソソームは下記の理由により、残存するポリマーの影響を受けるため、本キットでの染色はできません。1)未反応色素の精製工程で使用するフィルトレーションチューブにポリマーがつまり、精製できなくなる可能性がございます。
2)ポリマーがエクソソームと相互作用し、エクソソームの膜電位が変わる可能性がございます。膜電位が変わると、細胞取り込みアッセイに標識エクソソームを使用する場合、細胞内動態が変化する恐れがございます。
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Q
標識後の精製操作でフィルターは着色していますが、未反応の色素は分離できていますか?
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A
未反応の色素はフィルターに保持されるために着色が見られますが、小社では以下の実験でフィルター上の回収物に未反応色素が含まれないことを確認しております。
<実験条件>
超遠心法で精製した ①エクソソーム(タンパク質量として10 µg)のバッファー溶液 または ②バッファーのみ を各キットのプロトコルに従って染色操作したのち、得られた回収物をHeLa細胞(1.25×104 cells)に添加して、4時間後の蛍光画像を観察しました。結果として、バッファーのみで得られた回収物は細胞へ添加しても蛍光輝点が観察されず、回収物に未反応の色素が残っていないことを確認しました。
①エクソソーム+バッファーをキットで処理した場合
細胞へ添加後(4h)の蛍光画像
②バッファーのみをキットで処理した場合
細胞へ添加後(4h)の蛍光画像
■ 検出条件
Green:Ex 488 nm / Em 490 – 540 nm
Red :Ex 561 nm / Em 570 – 640 nm
Deep Red:Ex 640 nm / Em 640 – 760 nm
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Q
染色後のエクソソームは保存できますか。
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A
染色後のエクソソームの保存は推奨しておりません。
エクソソームの染色後はできるだけ早く実験にご使用ください。
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Q
エクソソームの取込実験で使用実績のある培地を教えてください。
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A
小社では染色後のエクソソームを用いた細胞への取り込み実験において、
MEM(Minimum Essential Medium)ならびにDMEM(Dulbecco's Modified Eagle's Medium)での実績がございます。なお、ExoSparklerシリーズは血清含有培地中での取込実験に最適化しているため、
無血清培地中で使用することはお勧めできません。
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Q
1sampleあたりの染色できるエクソソーム量(タンパク質量、粒子数)を教えてください。
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A
1sampleあたりのエクソソーム量(タンパク質量、粒子数)は以下の通りです。
精製済エクソソーム(超遠心法)として、タンパク質:1-10 μg/sample, 粒子数 10-100x 108 個/sample
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Q
エクソソーム以外に夾雑物が含まれる場合、夾雑物も染色されますか?
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A
はい。エクソソーム以外のタンパク質等の夾雑物が含まれると、夾雑物も染色されてしまいます。
そのため、精製したエクソソームをご準備ください。
精製方法については、「推奨されるエクソソームの精製法はありますか?」をご参照ください。
取扱条件
保存条件: 冷蔵 |