膜タンパク質可溶化剤
n -Undecyl-β-D-maltoside
目的とするタンパク質を可溶化する場合、タンパク質との相性の良い界面活性剤は予測しがたく、最初にいくつかの界面活性剤を試してみることが必要です。また、同じ糖を親水部に持つものでもアルキル鎖長のわずかな違いでタンパク質の結晶化や安定性が異なる場合があります。現在、親水部にマルトースを持つ界面活性剤としてn-Decyl-β-D-maltoside(アルキル鎖長= 10)、n -Dodecyl-β-D-maltoside(アルキル鎖長 = 12)を既に販売しておりますが、お客様のご要望によりアルキル鎖長の異なる n-Undecyl-β-D-maltoside(アルキル鎖長 = 11)を新製品として発売致します。小社のn-Undecyl-β-D-maltosideはα 体含量を 0.1% 以下に抑えた高純度品(純度: 99.5% 以上)です。Christain Lange らは、n-Undecyl-β-D-maltoside を用いて出芽酵母の一種 Saccharomyces cerevisiae 由来の cytochrome bc1 複合体の結晶化を行い、2.3Åの解像度で解析を行っています1)。
n -Decyl-β-D-maltoside、n-Undecyl-β-D-maltoside 及び n-Dodecyl-β-D-maltoside の各 cmc 値は 1.8、0.55、0.17 mmol/l と異なり、それぞれ特徴ある性質を持つと期待されます。

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参考文献
1) C. Lange, J.H. Nett, B.L. Trumpower and C. Hunte, “Specific roles of protein-phospholipid interactions in the yeast cytochrome bc1 complex structure”, EMBO J., 2001, 20, 6591.
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