07 膜タンパク質可溶化剤

n-Octyl-β-D-maltoside

<i>n</i>-Octyl-β-D-maltoside

膜タンパク質可溶化剤

  • 製品コード
    O393  n-Octyl-β-D-maltoside
  • CAS番号
    82494-08-4
  • 化学名
    N-Octyl-β-D-maltopyranoside
  • 分子式・分子量
    C20H38O11=454.51
容 量 メーカー希望
小売価格
富士フイルム
和光純薬
500 mg ¥35,200 340-90283

性質

非イオン性界面活性剤:cmc=23.4 mmol/L
 近年、タンパク質の立体構造に関する研究が盛んに行われている。これはタンパク質のもつ生物学的機能の重要さの究明が、タンパク質自身の立体構造の面からも掌握されなければならないと考えられているためである。膜タンパク質は、タンパク質全体の約30%を占めているが採取・結晶化が難しいため、その構造はほとんどわかっていない。タンパク質のX線結晶構造解析法には良質な結晶が必要である。膜タンパク質など非水溶性タンパク質の結晶化の方法のひとつに低分子量の化学構造のはっきりした界面活性剤を添加することがある。小田原は、光合成細菌から精製した膜タンパク質の結晶化に応用している。

参考文献

参考文献を表示する

1) T. Tsukihara, H. Aoyama, E. Yamashita, T. Tomizaki, H. Yamaguchi, K. Shinzawa-Itoh, R. Nakashima, R. Yaono and S. Yoshikawa, "Structures of Metal Sites of Oxidized Bovine Heart Cytochrome c Oxidase at 2.8Å", Science, 1995, 269, 1069. 
2) S. Iwata, C. Ostermeier, B. Ludwig. H. Michel, "Structure at 2.8Åresolution of cytochrome c oxidase from Paracoccus denitrificans", Nature, 1995, 376, 660. 
3)小田原孝之, "膜タンパク質の可溶化と結晶化", 構造生物, 2005, 11, 1.

よくある質問

Q

cmc(臨界ミセル濃度)はタンパク質可溶化にどのように関係するのですか。

A

界面活性剤はcmc以上の濃度でないとミセルを形成しません。 

 その濃度以上でないとタンパク質の可溶化も出来ません。
タンパク質を可溶化する場合、最終濃度がcmc以上となるように調製する必要があります。 

 一方、タンパク質を可溶化した溶液からこの界面活性剤を除去するときにもcmcは重要となります。
透析を例として説明します。ミセルは界面活性剤の集合体ですが、ミセルを形成することで一つの大きな分子として振る舞います。
 ミセルを形成している場合、ミセルは透析膜を通過出来ません。
よって、cmcが比較的大きい分子ほど、モノマーの状態の比率が高くなる傾向がありますので、透析により簡単に除去できます。
 cmc以下に希釈すれば透析はさらに容易になるため、cmcが高いほど低い希釈率で透析ができます。

下記に同仁販売製品一覧およびcmc値を示します。ご参照ください。
http://www.dojindo.co.jp/download/det/det1.pdf

取扱条件

規格
性状: 本品は、白色粉末で吸湿性が強い。水、アルコール等に溶ける。
純度(GC): 98.0% 以上
水溶状(10%): 試験適合
水溶状(4%): 試験適合 0.150 以下(260 nm)
水分: 3.0% 以下
比旋光度(20℃): 55.0~57.0°cm2deg-1
IRスペクトル: 試験適合
取扱条件
保存条件: 冷蔵 , 取扱条件: 吸湿注意
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