02 酸化ストレス関連試薬

-SulfoBiotics- HSip-1

-<i>SulfoBiotics</i>- HSip-1

生体硫黄解析用試薬

  • 製品コード
    SB21  -SulfoBiotics- HSip-1
  • CAS番号
    1346220-52-7(free base)
  • 化学名
    N-[3',6'-Dihydroxy-3-oxo-3H-spiro(isobenzofuraN-1,9'-xanthen)-5-yl]-(1,4,7,10-tetraazacyclododecane-1-acetamide-κN1, κN4, κN7, κN10) copper(2+) bis(trifluoroacetate)
  • 分子式・分子量
    C34H33CuF6N5O10=849.19
容 量 本体価格
1 mg ¥20,000

性質

近年、硫化水素 (H2S)が、血管拡張や細胞保護、インスリン分泌や神経伝達調節など様々な生理活性を示すことが明らかにされ、一酸化窒素 (NO) や一酸化炭素 (CO) に続く重要なシグナル分子として注目されています。
硫化水素は、NOやCOと同様にガス状分子として認知されていますが、そのpKaは約7であり生理的pHでは約80%が硫化水素イオン (HS-)の状態で存在します。
また、硫化水素イオンは、生体内で様々な結合形態や構造をとるため、その作用機序の詳細に関して未だ不明であり、硫化水素を中心とした硫黄の生体内機能の解明が待ち望まれています。
-SulfoBiotics- HSip-1 は、硫化水素と反応し強い蛍光(λex 491 nm, λem 516 nm)を生じます。また、生体内に豊富に存在するグルタチオンやシステインとは反応せず高い硫化水素特異性を持ち、硫化水素の定量が可能です。

※ Hsip-1は、東京大学大学院薬学系研究科長野哲雄先生、花岡健二郎先生の指導の下、製品化しました。

開発元 Dojindo Molecular Technologies, Inc.

マニュアル

はじめての抗体標識プロトコル

死細胞数を測りたい(吸光測定)

Cytotoxicity LDH Assay Kit-WST を用いた細胞毒性試験の例を紹介

お役立ち情報

技術情報

測定原理

-SulfoBiotics- HSip-1 は 優れた硫化水素選択性を持つ銅(II)イオンキレート型の蛍光試薬です。
硫化水素にのみ反応し強い蛍光(λex 491 nm, λem 516 nm)を発します。

硫化水素の細胞内イメージングは、-SulfoBiotics- HSip-1 DA [コード::SB22 ] を参照ください。

硫化水素への高い選択性

HSip-1は結合型硫黄の影響を受けず、遊離の硫化水素イオンにのみ高い選択性を示します。
また蛍光強度も強いため、プレートリーダーでの定量検出が可能です。

1 μmol/L HSip-1と各活性種に対する反応性を
30 mmol/L HEPES buffer (pH 7.4) 中で37℃、30分間反応
(0) Control, (1) 10 μmol/L Na2S, (2) 10 mmol/L GSH, (3) 1 mmol/L L-Cys, 
(4) 1 mmol/L DL-Hcy, (5) 1 mmol/L 2-ME, (6) 100 μmol/L DTT, 
(7) 1 mmol/L NaSCN, (8) 1 mmol/L Na2SO3, (9) 1 mmol/L Na2S2O3
(10) 10 mmol/L sodium ascorbate

 

既存法の課題を解決(メチレンブルー法との比較)

サンプル中に結合型硫黄が含まれる場合、酸性条件では結合型硫黄が硫化水素となります。そのため、酸性条件下で反応を行うメチレンブルー法では、結合型硫黄に由来する硫化水素も検出・定量されます(右図)。
一方、HSip-1は中性で反応を行うため、硫化水素を選択的に検出・定量することができます(左図)。

HSip-1 メチレンブルー法
Na2Sを特異的に検出している Na2S もNa2S3も検出している

<反応組成>
Na2S※1/ Na2S3※2      : 100 μL
100 μmol/L HSip-1     : 160 μL

※1 Na2S:硫化水素ドナー
※2 Na2S3:サルフェン硫黄ドナー

<反応組成>
Na2S※1/ Na2S3※2     : 100 μL
1% Zinc acetate        : 120 μL
20 mmol/L DPDA      :   20 μL
30 mmol/L FeCl3       :   20 μL

 

HeLa細胞中の硫化水素検出


1.HeLa細胞(1 x 106 cells/well)を96wellプレートに播種する。
2.炭酸ガスインキュベーターで一晩培養する。
3.ウェル中の細胞をPBS bufferで洗浄後、上清を取り除いく。
4.Lysis buffer 100 μLを添加し、ピペッティングにより細胞を溶解する。
5.HSip-1 working solution 100 μLを加え、30分、室温でインキュベートする。
6.プレートリーダーにて516 nmの蛍光強度(Ex: 491 nm)を測定する。

※ サンプル中の硫化水素を算出する際は、上記サンプルの測定に併せ硫化水素ドナー(-SulfoBiotics- Sodium Sulfide(Na2S):[コード:SB01])を用いた検量線の作成が必要になります。 

Na2S検量線作成時の溶液組成

Na2S濃度(μmol/L)
  100 50 12.5 6.2 3.2 0
10 mmol Hsip-1 (H2O) (μL) 10 10 10 10 10 10
2 mmol Na2S(H2O) (μL) 50 12.5 6.3 3.1 1.6 0
Lysis Buffer (μL) 950 987.5 993.7 996.9 998.4 1000
Total Volume (μL) 1010 1010 1010 1010 1010 1010


検量線作成時の操作
1. マイクロチューブにLysis Bufferを上記の量添加する。 
2. 1.に10 mmol/L HSip-1水溶液を10 μL添加する。
3. 2.に2 mmol/L Na2S水溶液を各量添加し、直ちにチューブの蓋をしめ反応する。 
※ Lysis Bufferを添加することで急激に硫化水素が発生する可能性があり、硫化水素が空気中に逃げないよう、このような手順をとっています。 

HSip-1の蛍光特性

λex : 491 nm
λem : 516 nm
<推奨フィルター>
励起:470 ~ 500 nm
蛍光:500 ~ 550 nm

参考文献

参考文献を表示する

1) K.Sasakura, K.Hanaoka, N.Shibuya, Y.Mikami, Y. Kimura, T.Komatsu, T.Ueno, T.Terai, H.Kimura, and Tetsuo Nagano, "Development of a Highly Selective Fluorescence Probe for Hydrogen Sulfide"J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, (45), 18003–18005.
2) H.Kimura, N.Shibuya, and Y.Kimura, "Hydrogen Sulfide Is a Signaling Molecule and a Cytoprotectant"Antioxid Redox Signal., 2012, 17, (1), 45-47.
3) H.Jurkowska, Heather B. Roman, Lawrence L. Hirschberger, K.Sasakura, T.Nagano, K.Hanaoka, J.Krijt, and Martha H. Stipanuk, "Primary hepatocytes from mice lacking cysteine dioxygenase show increased cysteine concentrations and higher rates of metabolism of cysteine to hydrogen sulfide and thiosulfate"Amino Acids., 2014, 48, (5), 1353-1365.
4) E.Marutani, M. Sakaguchi, W.Chen, K.Sasakura,c J. Liu, M.Xian, K. Hanaoka, T.Nagano, and F.Ichinose, "Cytoprotective effects of hydrogen sulfide-releasing N-methyl-D-aspartate receptor antagonists are mediated by intracellular sulfane sulfur"Medchemcomm., 2014, 5, (10), 1577-1583.
5) N.Fukushima, N.Ieda, M.Kawaguchi, K. Sasakura, T.Nagano, K.Hanaoka, N.Miyata, H.Nakagawa, "Development of photo-controllable hydrogen sulfide donor applicable in live cells"Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters., 2015, 25, (2), 175-178.
6) E.Marutani, M.Yamada, T.Ida, K.Tokuda, K.Ikeda, S.Kai, K.Shirozu, K.Hayashida, S.Kosugi, K.Hanaoka, M.Kaneki, T.Akaike, and F.Ichinose, "Thiosulfate Mediates Cytoprotective Effects of Hydrogen Sulfide Against Neuronal Ischemia"J Am Heart Assoc., 2015, 4, (11), e002125.
7) K.Hanaoka, K.Sasakura, Y.Suwanai, S.Toma-Fukai, K.Shimamoto, Y..akano, N.Shibuya, T.Terai, T.Komatsu, T. Ueno, Y.Ogasawara, Y.Tsuchiya Y.Watanabe, H.Kimura, C.Wang, M.Uchiyama, H.Kojima, T.Okabe, Y.Urano, T.Shimizu & Tetsuo Nagano, "Discovery and Mechanistic Characterization of Selective Inhibitors of H2S-producing Enzyme: 3-Mercaptopyruvate Sulfurtransferase (3MST) Targeting Active-site Cysteine Persulfide"Scientific Reports 7., 2017, 40227, (10), 1038.

よくある質問

Q

HSip-1 stock solutionは保存できますか?

A

HSip-1 stock solutionを調製後、-20℃で保存した場合、1ヶ月間安定です。
凍結融解の繰り返しを避けるため、使用量に応じて小分け保存されることをお勧めします。

Q

HSip-1 working solutionは保存できますか?

A

HSip-1 working solutionは保存できません。ご使用前に調製してください。

Q

メチレンブルー法との違いを教えてください。

A

メチレンブルー法とHSip-1を用いた硫化水素検出では、下記の点が異なります。

・選択性
 メチレンブルー法:
 酸性条件下で反応を行います。サンプル中に結合型硫黄が含まれる場合、酸性条件で結合型硫黄が硫化水素となりますので、結合型硫黄に由来する硫化水素も含んだ分として検出・定量されます。
 HSip-1:中性条件下で反応を行います。中性条件では、結合型硫黄は硫化水素とはならないため、硫化水素を選択的に検出・定量します。

・検出方法
 メチレンブルー法:吸光度法
 HSip-1:蛍光法

・検出に必要な試薬
 メチレンブルー法:p-アミノジメチルアニリン、塩化鉄(Ⅲ)、硫酸 等
 HSip-1:他の試薬は必要ありません。

Q

推奨フィルターを教えてください。

A

検出時の推奨フィルターは下記の通りです。

励起フィルター: 450~500 nm
蛍光フィルター: 515~550 nm

取扱条件

規格
性状: 本品は、褐色~緑褐色固体である。
純度(HPLC): 90.0% 以上
性能試験: 試験適合
取扱条件
1.安衛法

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