LysoPrime Deep Red - High Specificity and pH Resistance
リソソーム染色色素 Deep Red
- リソソームへの特異性が高い
- リソソームのpH変化の影響を受けにくい
- リソソームを一晩染色できる
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製品コードL264 LysoPrime Deep Red - High Specificity and pH Resistance
容 量 | メーカー希望 小売価格 |
富士フイルム 和光純薬 |
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1 tube | ¥16,100 | 342-10001 |
3 tubes | ¥32,100 | 348-10003 |
<使用回数の目安> 1 tube あたり、35 mm dish 10 枚、μ-Slide 8 well 10 枚、96-well Plate 2 枚
性質
リソソームは細胞内小器官の一つで生体膜に囲まれた酸性小胞であり、様々な分解酵素を内包しています。また、リソソームは不要な物質を分解することで生体内恒常性の維持に寄与しています。リソソームの機能不全は神経変性疾患等の発症・進展に深く関与していることから、リソソームを詳細に解析することは病態の解明や治療薬の開発において注目を集めています。
リソソームの生細胞解析では低分子蛍光色素を用いたライブイメージングが汎用されてきましたが、特異性やpH変化による染色能の低下が課題として挙げられてきました。本製品はよりリソソーム特異性が高くpH変化に抵抗性の低分子蛍光色素であり、より正確なリソソームの生細胞解析を可能とします。また、滞留性が高いため長期間のイメージングが必要な実験系にも適応可能です。
マニュアル
技術情報
リソソームへの特異性が高い
既存色素とLysoPrime Deep Redのリソソーム局在性をリソソームマーカータンパク LAMP1-GFP発現HeLa細胞を用いて比較しました。 既存色素による染色ではリソソーム以外にも分散してバックグラウンドが高くなったのに対し、LysoPrime Deep Redではバックグラウンドが抑えられる結果が得られました(蛍光画像 Merged)。LysoPrime Deep Redは既存色素と比較してリソソームへの局在性が高いことが判りました。
<検出条件>
Green: Ex= 488 nm, Em= 500-570 nm
Deep Red : Ex= 633 nm, Em= 640-700 nm
リソソームのpH変化の影響を受けにくい
LysoPrime Deep Redおよび既存色素は酸性状態にあるリソソームに集積する性質がありますが、リソソーム酸性阻害剤であるBafilomycin A1(Baf. A1)で処理し、酸性から中性に変化すると既存色素はリソソームから離れるため蛍光シグナルは著しく低下します。一方 LysoPrime Deep Red はリソソームへ保持されやすいため、蛍光シグナルの低下が抑えられ、既存試薬に対して鮮明な観測結果が得られました。
<検出条件>
Deep Red: Ex= 633 nm, Em= 640-700 nm
Red: Ex= 561 nm, Em= 560-620 nm
リソソームへの滞留性が高い
LysoPrime Deep Redと既存色素のリソソーム滞留性をそれぞれの色素にて染色した細胞を用いて比較しました。既存色素による染色では染色後24時間後には蛍光が低下したのに対し、LysoPrime Deep Redでは蛍光輝度は維持され滞留性が高い結果が得られました。
<検出条件>
Deep Red: Ex= 633 nm, Em= 640-700 nm
Green: Ex= 488 nm, Em= 490-550 nm
Red: Ex= 561 nm, Em= 560-620 nm
実験例:老化誘導におけるリソソームpHと量の変化
A549細胞をDoxorubicin(DOX)処理を行い老化誘導を行った際の老化関連酸性β-ガラクトシダーゼ(SA-βGal)活性とリソソーム量・pHを解析ました。SA-βGal活性を老化細胞検出試薬 SPiDER-βGal色素 を用いて、リソソーム量とpHはそれぞれLysoPrime Deep Red とリソソームpH検出試薬 pHLys Red を用いて評価しました。蛍光イメージング観察において、いずれの項目も老化誘導による増加が確認され、同じ細胞をプレートリーダー測定を行いリソソーム量の数値でリソソームpHの蛍光輝度をノーマライズしたところ、リソソームpHはより酸性になっていることが確認できました。
<検出条件>
SA-βGal(緑):
Ex = 488 nm, Em = 490 – 550 nm
リソソームpH (赤):
Ex = 561 nm, Em = 560 – 620 nm
リソソーム量(紫):
Ex = 633 nm, Em = 640 – 700 nm
<検出条件>
SA-βGal: Ex = 525 – 535 nm, Em = 550 – 570 nm
リソソームpH: Ex = 555 – 565 nm, Em = 590 – 610 nm
リソソーム量: Ex = 645 – 655 nm, Em = 690 – 710 nm
既存試薬との比較
小社リソソーム検出色素シリーズは、既存の色素と比較し、リソソームへの特異性が高く、色素の滞留性が向上しています。
pHLys Red | LysoPrime Green |
LysoPrime Deep Red |
T社リソソーム pHセンサー |
T社リソソーム pH染色色素 |
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リソソーム pH依存性 |
鋭敏 | 応答なし | 応答なし | 鈍感 | 鈍感 |
リソソーム 特異性(LAMP1) |
〇 高い |
〇 高い |
〇 高い |
△ 低い |
△ 低い |
色素滞留性 | 〇 24時間 |
〇 24時間 |
〇 24時間 |
× 1時間以下 |
× 1時間以下 |
よくある質問
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Q
血清含有培地で染色できますか?
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A
染色できません。LysoPrime Deep Redは血清の影響を受けるため必ずHBSSや無血清培地等の血清を含まない溶液でworking solutionを調製してください。
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Q
リソソームpHに影響を与える薬剤刺激を考えています。LysoPrime Deep Redの染色は、薬剤添加の前と後どちらで行えばいいですか。
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A
染色後に刺激を行ってください。LysoPrime Deep Redはリソソームに集積後にpHが変化してもリソソームに滞留し続けます。一方で、あらかじめ薬剤刺激等によりpHが中性付近に変化したリソソームにはLysoPrime Deep Redが集積できないため染色できません。そのため、染色能に影響が少ない染色後の薬剤刺激を行って下さい。
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Q
リソソーム量とリソソームpHの同時解析を考えています。pHLys Redとの共染色は可能ですか?
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A
可能です。ただし、LysoPrime Deep Redの染色はpHLys Red染色前に行ってください。
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Q
検出可能な検出器と適切なフィルターを教えてください。
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A
共焦点レーザー顕微鏡、落射型蛍光顕微鏡、プレートリーダーで検出可能です。
・共焦点レーザー顕微鏡
Ex = 633 nm, Em = 640-700 nm・落射型蛍光顕微鏡
Cy5フィルター
Ex = 590 - 650 nm, Em = 660 - 740 nm・プレートリーダー
Ex = 645 – 655 nm, Em = 690 – 710 nm・フローサイトメーター
Ex = 640 nm, Em = 650-670 nm
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Q
染色条件を検討する場合、LysoPrime Deep Redはどれくらいの濃度で使用すればよいですか?
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A
LysoPrime Deep Redの濃度は1,000倍希釈での使用を推奨しておりますが、染色条件を最適化される場合は以下をご参考ください。
<非特異吸着がみられる場合>
2,000~5,000倍希釈の間でご検討ください。