05 細胞染色用色素

pHLys Red - Lysosomal Acidic pH Detection

pHLys Red - Lysosomal Acidic pH Detection

リソソームpH検出色素 Red

  • 高感度にリソソームpHを検出できる
  • リソソームへの特異性が高い
  • リソソームを一晩染色できる
  • 製品コード
    L265  pHLys Red - Lysosomal Acidic pH Detection
容 量 メーカー希望
小売価格
富士フイルム
和光純薬
1 tube ¥30,000 349-10011
3 tubes ¥51,400 345-10013

<使用回数の目安> 1 tube あたり、35 mm dish 10 枚、μ-Slide 8 well 10 枚、96-well Plate 2 枚

性質

リソソームは細胞内小器官の一つで生体膜に囲まれた酸性小胞であり、様々な分解酵素を内包しています。また、リソソームは不要な物質を分解することで生体内恒常性の維持に寄与しています。リソソームの機能不全は神経変性疾患等の発症・進展に深く関与していることから、リソソームを詳細に解析することは病態の解明や治療薬の開発において注目を集めています。
リソソームの生細胞解析では低分子蛍光色素を用いたライブイメージングが汎用されてきましたが、特異性やpH変化による染色能の低下が課題として挙げられてきました。本製品はよりリソソーム特異性が高くpH変化に鋭敏に応答を示す低分子蛍光色素であり、より正確なリソソームpHの生細胞解析を可能とします。また、滞留性が高いため長期間のイメージングが必要な実験系にも適応可能です。

技術情報

鋭敏なpH検出感度

既存のリソソームpH検出試薬は、リソソームの正確な局在と感度に課題がありました。低濃度のリソソーム酸性度阻害剤Bafilomycin A1 (Baf. A1)で処理したHeLa細胞を用いて、pHLys Redもしくは既存色素にて染色し蛍光イメージングを行いました。結果、pHLys Redは既存色素に比べ、リソソームpHの変動に鋭敏に蛍光強度を変化させることが分かりました。

<検出条件>
pHLys Red:Ex = 561 nm, Em = 560 - 620 nm
Sensor Y/B:Ex = 561 nm, Em = 560 - 620 nm
Sensor G:Ex = 488 nm, Em = 490 - 550 nm

また、試験管内にて各pHにおけるpHLys Redの蛍光輝度を確認したところ、リソソームpHの範囲内(pH4.0-5.5)にて鋭敏に蛍光輝度が変化することが確認されました。

リソソームへの特異性が高い

既存色素とpHLys Redのリソソーム局在性をリソソームマーカータンパク LAMP1-GFP発現HeLa細胞を用いて比較しました。 既存色素による染色ではリソソーム以外にも分散してバックグラウンドが高くなったのに対し、pHLys Redではバックグラウンドが抑えられる結果が得られました(蛍光画像 Merged)。pHLys Redは既存色素と比較してリソソームへの局在性が高いことが判りました。

<検出条件>
Green: Ex= 488 nm, Em= 500-570 nm
Red : Ex= 561 nm, Em= 560-620 nm

リソソームへの滞留性が高い

pHLys Redと既存色素のリソソーム滞留性をそれぞれの色素にて染色した細胞を用いて比較しました。既存色素による染色では染色後24時間後には蛍光が低下したのに対し、pHLys Redでは蛍光輝度は維持され滞留性が高い結果が得られました。

<検出条件>
Green: Ex= 488 nm, Em= 490-550 nm
Red: Ex= 561 nm, Em= 560-620 nm

実験例:老化誘導におけるリソソームpHと量の変化

A549細胞をDoxorubicin(DOX)処理を行い老化誘導を行った際の老化関連酸性β-ガラクトシダーゼ(SA-βGal)活性とリソソーム量・pHを解析ました。SA-βGal活性を老化細胞検出試薬 SPiDER-βGal色素 を用いて、リソソーム量とpHはそれぞれ リソソーム染色色素 LysoPrime Deep Red とリソソームpH検出試薬 pHLys Red を用いて評価しました。蛍光イメージング観察において、いずれの項目も老化誘導による増加が確認され、同じ細胞をプレートリーダー測定を行いリソソーム量の数値でリソソームpHの蛍光輝度をノーマライズしたところ、リソソームpHはより酸性になっていることが確認できました。

<検出条件>
SA-βGal(緑):
Ex = 488 nm, Em = 490 – 550 nm
リソソームpH (赤):
Ex = 561 nm, Em = 560 – 620 nm
リソソーム量(紫):
Ex = 633 nm, Em = 640 – 700 nm

<検出条件>
SA-βGal: Ex = 525 – 535 nm, Em = 550 – 570 nm
リソソームpH: Ex = 555 – 565 nm, Em = 590 – 610 nm
リソソーム量: Ex = 645 – 655 nm, Em = 690 – 710 nm

よくある質問

Q

培地以外でWorking solutionの調製は可能ですか?

A

可能です。HBSSやPBSもご使用いただけます。

Q

リソソームpHに影響を与える薬剤刺激を考えています。pHLys Redの染色は、薬剤添加の前と後どちらで行えばいいですか。

A

染色後の刺激を推奨しております。pHLys RedはpH依存的に正常なリソソームに集積しますが、あらかじめ薬剤刺激等によりpHが中性付近に変化したリソソームにはpHLys Redが集積できないため染色できません。そのため、染色後の薬剤刺激を推奨しております。
また、Bafilomycin A1を用いた刺激方法は、pHLys Red working solutionにBafilomycin A1を添加し染色と刺激を同時に行うか、pHLys Red working solutionで染色後にBafilomycin A1で刺激を行ってください。

Q

リソソームpHとリソソーム量の同時解析を考えています。LysoPrimeシリーズとの共染色は可能ですか?

A

可能です。ただし、pHLys Redの染色はLysoPrimeシリーズ染色後に行ってください。

Q

検出可能な検出器と適切なフィルターを教えてください。

A

共焦点レーザー顕微鏡、落射型蛍光顕微鏡、プレートリーダーで検出可能です。

・共焦点レーザー顕微鏡
Ex = 561 nm, Em = 560-620 nm

・落射型蛍光顕微鏡
TxRedフィルター
Ex = 540 - 580 nm, Em: 590 - 670 nm

・プレートリーダー
Ex = 555 – 565 nm, Em = 590 – 610 nm

Q

染色条件を検討する場合、pHLys Redはどれくらいの濃度で使用すればよいですか?

A

pHLys Redの濃度は1,000倍希釈での使用を推奨しておりますが、染色条件を最適化される場合は以下をご参考ください。

 <蛍光強度が弱い場合>

  250~500倍希釈の間でご検討ください。

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