CuprosGreen
細胞内銅検出蛍光試薬
- 細胞内の一価の銅イオンを選択的に検出できる
- 顕微鏡観察、プレートリーダーでの検出に対応
- 使いやすい溶液タイプで溶解操作不要
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製品コードC557 CuprosGreen
容 量 | メーカー希望 小売価格 |
富士フイルム 和光純薬 |
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20 μl | ¥29,800 | 343-10271 |
銅イオンの役割
銅は、生体内に微量しか存在しないにも関わらず、呼吸・代謝といった生命現象を司る酵素の活性中心として機能する遷移金属として知られています。具体的には、ヘモグロビン合成のための鉄の運搬を補助することで鉄代謝を活発にしたり、superoxide dismutase1 (SOD1)と結合することで活性酸素の除去を行います。このように、銅は我々の生命維持に重要な役割を果たしています。
また、細胞死に関する研究においても近年、銅が注目されています。比較的新しい経路の細胞死として、鉄 (Ⅱ)イオンが起点となるFerroptosisに関する研究が盛んに行われていますが、Ferroptosisとは異なった経路の銅 (Ⅰ)イオンが起点となる新しい細胞死 (Cuproptosis)も発見されています1)。CuprosGreenは細胞内の銅 (Ⅰ)イオンと選択的に反応して蛍光を発する蛍光プローブです。細胞膜透過性を有しているため、銅 (Ⅰ)イオンのライブセルイメージングが可能です。
1) Tsvetkov et al., Science, 2022, 375, 1254–1261
蛍光顕微鏡でのイメージング、プレートリーダーでの数値化の両方に対応
HeLa細胞において、CuCl2(細胞内で一価銅イオンに還元される)添加による細胞内一価銅イオン量の変化を評価しました。CuCl2添加により、Controlと比較して細胞内の一価銅イオンが増加した結果が共焦点顕微鏡、プレートリーダー両検出法で得られました。
マニュアル
技術情報
蛍光特性
実験例:CuCl2濃度依存的な細胞内一価銅イオン量変化の検出
HeLa細胞において、CuCl2処理濃度依存的な細胞内一価銅イオン量の変化を評価しました。Controlと比較してCuCl2添加により細胞内の一価銅イオン量が濃度依存的に増加した結果が共焦点顕微鏡で観察できました。
よくある質問
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Q
CuprosGreen working solutionは無血清培地で調製するようプロトコルに記載されていますが、なぜ無血清培地を使用する必要があるのですか?
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A
CuprosGreen working solutionを血清が含まれる培地で調製すると無血清培地で調製した場合と比較して蛍光強度が低くなります。CuprosGreenのパフォーマンス最適化のため、無血清培地で調製することを推奨しています。
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Q
CuprosGreen working solutionはPBSやHBSSでも調製可能ですか?
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A
CuprosGreenのインキュベート時間は3時間であり、長時間インキュベートによる細胞毒性を抑えるために無血清培地で調製することを推奨しています。
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Q
染色後に洗浄操作せずに細胞を観察するようプロトコルに記載されていますが、なぜですか?
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A
CuprosGreenは構造上、洗浄操作で一部の色素が抜けてしまいます。CuprosGreenのパフォーマンス最適化のため洗浄操作無しでの観察を推奨しています。
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Q
working solutionの調製方法がCuprosGreenをDMSOで希釈し、無血清培地を添加する手順になっていますが、無血清培地にCuprosGreenを添加した場合と、どのような違いがあるのですか?
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A
無血清培地中で確実にCuprosGreenが分散するよう、上記手順にしています。無血清培地にCuprosGreenを添加するとCuprosGreenが培地中で析出することがあるため上記手順でworking solutionを調製してください。