01 細胞増殖/細胞毒性測定用試薬

Cell Cycle Assay Solution Blue

Cell Cycle Assay Solution Blue

細胞周期測定試薬

  • 細胞の固定化、RNase 処理が不要、試薬を添加するだけ
  • 405 nm のレーザーで励起が可能
  • 製品コード
    C549  Cell Cycle Assay Solution Blue
容 量 メーカー希望
小売価格
富士フイルム
和光純薬
50 tests ¥14,900 341-09601

キット内容
50 tests Cell Cycle Assay Solution Blue 250 μl×1

細胞周期の制御機構は、細胞増殖と密接に関与しており、ひとつの細胞が二つの娘細胞を生み出す細胞分裂は細胞周期を介して起こります。細胞周期の測定方法として、DNA を染色し、フローサイトメーターで測定することで細胞周期の各期の割合を解析することが可能です。細胞周期は大きく間期とM 期に分けられ、間期は細胞分裂の前に起こるDNAの合成準備期であるG1期、DNAの合成・複製期であるS期、ひとつの細胞内に2 組の染色体が形成されるG2 期に分けられます。M 期では有糸分裂と細胞質分裂が起こります。
細胞周期の進行はサイクリンとサイクリン依存性キナーゼによって行われ、抗がん剤等の作用を確認するには細胞周期チェックポイントの機構を解析することが重要です。

 

技術情報

測定の手間を大幅に削減

フローサイトメーターでの細胞周期測定で一般的に使用されるPropidium Iodide (PI) を用いた手法と比較して、本製品は細胞膜透過性があり、かつDNA 選択性が高い色素を使用しているため、細胞懸濁液に試薬を添加するだけで測定が可能です。また、405 nm のレーザーで測定可能なため、汎用性の高い488 nm のレーザーを用いた実験と併用することが可能です。

生細胞の細胞周期を明確に判別することが可能

CHO 細胞を用い、本製品にて生細胞を染色した後、フローサイトメーターで測定しました。また、汎用されているPI 法と既存の細胞周期測定試薬( 製品A-D の4 種) を用いて同様の実験を行いました。下図に示すように本製品で測定した結果はPI と同等であり、他の4 製品と比べて生細胞においてもシャープなヒストグラムが得られました。

実験例:抗がん剤による細胞機能の変化

細胞周期のG2/M 期に作用して細胞増殖を停止させ、細胞老化を誘導することが知られているDoxorubicin(DOX) をA549 細胞へ添加後、本製品でA549 細胞における細胞周期の変化と、Cellular Senescence Detection Kit - SPiDER-βGal(製品コード:SG03)で細胞老化、JC-1 MitoMP Detection Kit (製品コード:MT09)でミトコンドリア膜電位の変化を確認しました。

技術や使用製品に関する補足

実験例:アポトーシス誘導によるDNAの断片化

アポトーシスを誘導することが知られているをHL-60細胞へ添加後、アポトーシスの進行をAnnexin V, FITC Conjugateおよび
 -Cellstain®- PI solution(製品コード:P378)でイメージングし、DNAの断片化を本製品によるフローサイトメトリーで確認しました。

参考文献

参考文献を表示する

 

文献No. 対象サンプル 引用(リンク)
1) 細胞
(PC-9, A549)
K. Tsuchiya, K. Yoshimura, Y. Iwashita, Y. Inoue, T. Ohta, H. Watanabe, H. Yamada, A. Kawase, M. Tanahashi, H. Ogawa, K. Funai, K. Shinmura, T. Suda and H. Sugimura, "m6 A demethylase ALKBH5 promotes tumor cell proliferation by destabilizing IGF2BPs target genes and worsens the prognosis of patients with non-small-cell lung cancer"Cancer Gene Ther.,  2022, doi:10.1038/s41417-022-00451-8.

よくある質問

Q

浮遊細胞と接着細胞のどちらも測定できますか?

A

 浮遊細胞、接着細胞の両方で使用可能です。

Q

トリプシンは測定に影響しますか?

A

トリプシンが残存すると測定に影響します。
トリプシンを用いた細胞の回収後は、プロトコルに従い染色前の洗浄操作を確実に行ってください。

トリプシンの影響を確認した実験例を以下に掲載します。

Q

細胞表面抗原の免疫染色とCell Cycle Assay Solutionの共染色はできますか?

A

Cell Cycle Assay Solution中の添加剤が免疫検出系に影響するため、共染色は出来ません。

Q

細胞の固定化は必要ですか?

A

未固定および固定化した細胞の両方に使用できます。

Q

固定化細胞を保存して測定する場合、染色は保存する前と後のどちらが良いですか?

A

どちらも染色できます。小社では以下の条件で染色した実績がございます。
固定化細胞を保存する前後で染色した各サンプルをフローサイトメトリーで測定したところ、結果に変化は見られませんでした。

・固定化細胞を冷蔵(4℃)で1週間保存し、取扱説明書に従って細胞を染色した。
・固定化細胞を取扱説明書に従って染色し、細胞を冷蔵(4℃)で1週間保存した。

冷凍で細胞を保存すると不溶物が析出する可能性があるため、冷凍での保存はお勧めできません。
 

Q

Cell Cycle Assay Solutonで染色後、過剰な試薬を除くために細胞を洗浄してもいいですか?

A

染色後の洗浄はお勧めしません。
洗浄時の遠心操作により、細胞周期解析に適切なヒストグラムが得られない可能性があります。

Q

フローサイトメトリーを行う際は、どのような点に注意すべきでしょうか?

A

フローサイトメトリーを行う際は、最適な条件で測定を行う必要があります。
以下で実際にお客様から寄せられた測定時の失敗例をご紹介します。

 

①フィルターが測定条件に合っていない。
例えばフローサイトメーターでの細胞周期測定で一般的に使用されるPropidium Iodide (PI)法で使用するフィルターを用いた場合、
電圧の設定に関わらず、良好なヒストグラムが得られません。

測定には以下のフィルターをご利用下さい。

 

②測定電圧が適切でない。
例えばフローサイトメーターの電圧が高すぎる(または低すぎる)場合、良好なヒストグラムが得られません。
ヒストグラムでG0/G1期、S期、G2/M期が明瞭となる測定電圧に調整してください。

 

③細胞のゲーティングが適切でない。
例えば解析時のゲーティングが不適切な場合、良好なヒストグラムが得られません。
解析時には細胞全体をゲーティングするようにしてください。

Q

試薬添加後に凝集物が見られました。どうすればよいですか?

A

細胞によっては、細胞数が多いと下記のような凝集物が見られる場合があります。
その場合、細胞数を減らして(目安:0.25-1x105 cells/ml)試薬を添加し、速やかに測定を行ってください。

*写真下の細胞数は、取扱説明書の操作1における細胞数を示しています。

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