Amine-reactive PES
アミノ基反応性電子メディエーター
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製品コードA543 Amine-reactive PES
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CAS番号-
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化学名1-[3-(Succinimidyloxycarbonyl)propoxy]-5-ethylphenazinium triflate
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分子式・分子量C23H22F3N3O8S=557.50
容 量 | メーカー希望 小売価格 |
富士フイルム 和光純薬 |
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10 mg | ¥63,800 | 340-09311 |
性質
Amine-reactive PESはアミノ基反応性を有する新規電子メディエーターです。バイオセンサーで使用される酸化還元酵素へ結合することにより、次世代バイオセンサーへの応用が期待されます。 本製品を用いた修飾酵素については、特許出願中です。
技術情報
注意事項
・本製品を粉末の状態で取り出し使用する場合、性状の性質上、静電気等の要因で容器内に付着し、取り出しにくい場合があります。
・容器内に付着し、取り出せなかった粉末に関しては、使用する溶媒を容器に入れ、溶かし出して使用してください。
タンパク質への標識
目的に応じた電子メディエーターを選択
電子メディエーターとして、PMS(フェナジンメトサルフェート)やメルドラブルーが以前より利用されていますが、これらは溶液中での安定性に課題がありました。小社では、光安定性を向上した1-Methoxy PMS をはじめ、中性~アルカリ環境下で安定な1-MethoxyPES、更にはバイオセンサー分野での使用が期待される酵素へ標識可能な電子メディエーターを取り揃えています。
製品名 |
PMS |
1-Methoxy PMS |
1-Methoxy PES |
Amine-reactive PES |
Thiol-reactive PES |
製品コード |
取扱いございません |
||||
水溶性 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
光安定性 |
× |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
pH 安定性 |
△ |
△ |
〇 |
〇 |
〇 |
標識 |
× |
× |
× |
NH2 基 |
SH 基 |
酸化還元電位 |
- |
168.0 mV |
169.5 mV |
173.0 mV |
162.5 mV |
酸化還元電位は、標準水素電極基準に換算したものを記載しています。
<酸化還元電位の測定条件>
電子メディエーター濃度:1 mmol/l | 溶媒:0.1 mol/l LiCl/DMSO |
作用電極:GC(φ3 mm x 55 mm) |
参照電極:Ag/AgCl (3 mol/L NaCl) |
対極:Pt (φ0.5 mm x 50 mm) | 開始電圧:400 mV |
最大掃引電圧:400 mV |
最小掃引電圧:-400 mV |
掃引速度:100 mV/sec |
新世代の電子メディエーター
各種酵素に修飾した電子メディエーターは、酵素の働きを維持して電極に電子を受け渡しできることが報告されました。
高価な金属錯体を置き換えることや電極からの電子メディエーターの漏出抑制等の効果が期待されます。
測定例:グルコース測定(クロノアンペロメトリー: 0 mV vs Ag/AgCl)
電子メディエーター修飾GDHを用いることで未修飾GDHでは不可能なグルコース濃度の定量及びモニタリング測定が可能です。
下記酸化還元酵素でもAmine-reactive PES を標識した実績があります。
• FAD 依存性グルコース脱水素酵素(FAD-GDH)
• 乳酸酸化酵素(LOx)
• フルクトシルアミノ酸酸化酵素(FAOx)
• コレステロール酸化酵素(ChOx)
• ピラノース酸化酵素(PyOx)
Amine-reactive PES の性質
Amine-reactive PES の酵素修飾手順
参考文献
1) Stefano Ferri, Katsuhiro Kojima and Koji Sode, “Review of Glucose Oxidases and Glucose Dehydrogenases: A Bird’ s Eye View of Glucose Sensing Enzymes”. Journal of Diabetes Science and Technology, 2011, 5(5),1068.
2) Kentaro Hiraka, Katsuhiro Kojima, WakakoTsugawa, Ryutaro Asano, Kazunori Ikebukur and Koji Sode, "Rational engineering of Aerococcus viridans l-lactate oxidase for the mediator modification to achieve quasi-direct electron transfer type lactate sensor", Biosens Bioelectron., 2020, 151, 111974.
3) G. Kim, H. Cho, P. Nandhakumar, J. Park, K. Kim and H. Yang, "Wash-Free, Sandwich-Type Protein Detection Using Direct Electron Transfer and Catalytic Signal Amplification of Multiple Redox Labels", Anal. Chem., 2022, doi:10.1021/acs.analchem.1c04615.
4) M. Nagata, J. Lee, S. Henley, K. Ikebukuro and K. Sode, "An Amine-Reactive Phenazine Ethosulfate (arPES)—A Novel Redox Probe for Electrochemical Aptamer-Based Sensor", Sensors, 2022, doi:10.3390/s22051760.
取扱条件
性状: | 本品は、暗赤色~黒褐色粉末である。 |
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純度(HPLC): | 90.0% 以上 |
水溶状: | 試験適合 |
NMRスペクトル: | 試験適合 |
保存条件: 冷凍 , 取扱条件: 吸湿注意 |