オートファジー経路測定キット
Autophagic Flux Assay Kit
- オートファジーの亢進もしくはオートリソソームの抑制を解析できる
- リソソーム酸性化阻害剤同梱のオールインワンキット
オートファジーは、細胞内で不要なタンパク質や細胞小器官などの不要物を覆ったオートファゴソームを形成し、さらにオートファゴソームとリソソームが融合したオートリソソーム内で分解を受けますが、この過程の流れはオートファジーフラックスと言われており、オートファジー分解活性の指標とされています1)2)。近年、オートファゴソームの増加がオートファジー誘導によるものなのか、それともオートファジーの最終段階でオートリソソームが阻害されて増加したのかを測定し、解析する必要が出てきました。本キットはオートファゴソームとオートリソソームを同時測定することで、オートファジー経路解析を行なうことができます。
2) C. Oh, et al., J Neurosci., 2022, 42(14), 3011–3024.
<原理>
本キットは、オートファゴソームおよびオートリソソームを検出するDAPRed と、オートリソソームを検出するDALGreen で構成されています。DAPRed はオートファゴソーム膜に取り込まれ蛍光を発します。一方、DALGreen は凝集タンパク質等が分解されるオートリソソーム段階で蛍光を発します。この様にDAPRed とDALGreen は、オートファゴソーム形成およびリソソームとの融合・内容物の分解の過程を試薬の添加だけでモニタリングすることができます。
<オートファジー経路を解析する>
本キットを用いて、リソソーム酸性化阻害剤Bafilomycin A1(Baf. A1)を用いたオートファジー経路の解析を行いました。HBSSで培養したHeLa 細胞において、DAPRed とDALGreen の蛍光が増大し飢餓培養によるオートファジーの誘導を確認しました。また、Baf. A1 添加に伴うオートリソソーム形成阻害によりオートファゴソームが蓄積し、DAPRed の蛍光は増加しましたが、DALGreen は蛍光の低下が観察されました。オートファゴソームを検出するDAPRed と、オートリソソームおよびオートリソソームを検出するDALGreen を組み合わせてオートファジー経路として測定できました。
<初めて使用される方向け オールインワンキット>
・オートファゴソーム検出色素 DAPRed
・オートリソソーム検出色素 DALGreen
・リソソーム酸性化阻害剤 Bafilomycin A1