耐光性トータルROS検出キット
ROS Assay Kit -Photo-oxidation Resistant DCFH-DA-
- 励起光照射による自動酸化を低減
- 染色後の固定化や免疫染色との共染色が可能
- 既存の固定化可能な色素に比べ高感度
ROS (Reactive oxygen species) は主にミトコンドリアでの ATP合成過程で発生する反応性の高い酸素種です。情報伝達のシグナル物質としての役割や、マクロファージなどの免疫機能の一部として重要である一方、DNAやタンパク質に対し酸化剤として作用することで様々な疾病や老化を引き起こす要因となります。最近の研究では、二価鉄を触媒とするフェントン反応によって起こる新しい細胞死(フェロトーシス)研究分野においてもROSが注目されてきており、ROSを検出する意義はますます高まっています。
<自動酸化の比較>
断続的な励起光照射による自動酸化の様子を、本製品または既存色素で染色したHeLa細胞で観察しました。その結果、既存色素では自動酸化により蛍光の上昇が認められるのに対して、本製品では蛍光の上昇が抑えられました。このことより、観察時のバックグラウンド上昇を最小限に抑えながら観察することが可能となります。
タイムラプスイメージングの様子は動画リンクから参照頂けます。
<固定化処理と免疫染色での共染色>
HeLa細胞に過酸化水素でROSを発生添加した際の蛍光強度を生細胞・固定化細胞・膜透過処理細胞にて観察しました。その結果、高感度を維持したままいずれの細胞でもROSを検出できました。(左図)
また、HeLa細胞に過酸化水素を添加した際のROSの発生とミトコンドリアの形態を本製品とTom20 antibodyを用いて観察しました。その結果、外部からの過酸化水素刺激によりミトコンドリアの顕著な形態異常は見られませんでした。(右図)
<感度の比較>
RAW264.7細胞にLPS誘導を行い、マクロファージを活性化させた際のROSの発生を観察しました。結果、本製品と小社製品ROS Assay Kit - Highly Sensitive DCFH DA-(R252)は他社品C色素よりも高感度にROSを検出できることが分かりました。
詳細は小社HPをご参照下さい。
※<使用回数の目安> 96well プレート1枚分