Commercial 新製品

オートファジー経路測定キット

Autophagic Flux Assay Kit

<特長>
  • オートファジーの誘導もしくはオートリソソームの阻害を解析できる
  • 誘導評価、阻害評価それぞれのプロトコルを準備
  • リソソーム酸性化阻害剤同梱のオールインワンキット

 オートファジーは細胞内の不要なタンパク質や細胞小器官の再利用や代謝分解過程の現象ですが、パーキンソン病などの神経変性疾患や老化にも関わりがあることが分かってきており盛んに研究されています。近年では、オートファゴソームが増えた要因がオートファジー誘導によるものなのか、それともオートリソソーム阻害によるものなのかを区別することが求められてきており、オートファジー過程の流れ(Flux)を理解することが重視されています。
 本キットは、オートファゴソームの形成からオートリソソームの分解までをモニタリングし、オートファジーの活性を正しく評価するために、オートファゴソームおよびオートリソソームを検出する DAPRed とオートリソソームを検出する DALGreen、さらにリソソーム酸性化阻害剤 Bafilomycin A1 を同梱しています1)

1) H. T. Sakurai et al., iScience, 2023, 26, 107218.
<原理>

 本キットに同梱される DAPRed はオートファゴソーム膜に取り込まれ蛍光を発します。一方、DALGreen は凝集タンパク質等が分解されるオートリソソーム段階で蛍光を発します。このように DAPRed とDALGreen は、オートファゴソーム形成およびリソソームとの融合・内容物の分解の過程を試薬の添加だけでモニタリングすることができます2,3)

2) X. Chen et al., Am. J. Transl. Res., 2020, 12(9): 4902-4922.
3) C. Oh et al., J. Neurosci., 2022, 42(14), 3011-3024.

DAPRed とDALGreen の同時測定によるオートファジー経路解析
図1 DAPRed とDALGreen の同時測定によるオートファジー経路解析
<オートファジー経路を解析する>

 本キットを用いて、リソソーム酸性化阻害剤 Bafilomycin A1(Baf. A1)を用いたオートファジー経路の解析を行いました。コントロール実験として HeLa 細胞をアミノ酸不含培地で培養し、飢餓培養によるオートファジーの誘導が DAPRed と DALGreen の蛍光増加により確認できました。一方で、Baf. A1 を添加した場合には、DAPRed の蛍光は増加しましたが、DALGreen の蛍光は低下することが観察されました。この結果から、オートファジー経路はオートリソソームの形成が阻害されたことでオートファゴソームが増加したということがわかります。

リソソーム酸性化阻害剤A1(Baf. A1)を用いたオートファジー経路の解析
図2 リソソーム酸性化阻害剤A1(Baf. A1)を用いたオートファジー経路の解析

<キットコンポーネント>
・オートファゴソームおよびオートリソソーム検出試薬 DAPRed
・オートリソソーム検出試薬 DAPGreen
・リソソーム酸性化阻害剤 Bafilomycin A1

品名
容量
希望納入価格(¥)
メーカーコード
Autophagic Flux Assay Kit
1 set
39,000

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