アプリケーションの紹介
ハイコンテントイメージングによる薬物誘発性脂質症の肝毒性試験
薬物誘発性脂質症や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、脂肪滴が蓄積し炎症等を引き起こし病態へと進行します。ここでは、脂肪滴の変化を蛍光顕微鏡で観察を行い、取得した顕微鏡画像から脂肪滴の数・面積・蛍光強度を計測することで脂肪滴の蓄積を解析したアプリケーション例をご紹介します。
<脂肪滴のイメージング>
HepG2 細胞にプロプラノロール 0, 10, 30 μmol/l を処理し、脂肪滴を Lipi-Green、核を Hoechst33342 で染色し蛍光顕微鏡(Ti2-E 倒立顕微鏡)を用いて観察しました。その結果、プロプラノロールの濃度依存的に脂肪滴が増加している様子が確認されました。
<薬剤処理濃度に対する脂肪滴の蓄積を解析>
得られた蛍光画像より、核から細胞数を、脂肪滴から面積、数、蛍光強度を計測し、細胞あたりの脂肪滴の蓄積を解析しました。
その結果、プロプラノロールの濃度依存的に脂肪滴の数と面積が増加し、20 μmol/l 以上の濃度条件において、脂肪滴が顕著に形成される結果が得られました。撮影には、ワンショットで広範囲の細胞領域を捉えることができる DS-Qi2 カメラを使用し、解析にはすべての脂肪滴に焦点のあった画像を取得できる NIS-Elements ソフトウェアの EDF モジュールを使用することで、信頼性の高い統計データによる定量解析が可能となりました。
※ 35 mm dish:10 ~ 50 枚分
<撮影と解析に使用した機器>
Nikon ハイコンテントアナリシス(HCA)顕微鏡システム
株式会社ニコン
*染色操作と解析法の詳細は、下記の株式会社ニコン様のページよりご覧いただけます。
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