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大野 尚仁 (Naohito Ohno) 東京薬科大学薬学部免疫学教室 |
[ Summary ]
This article has provided an overview of the structures and the biological activities of β-Glucans (BGs), focusing primarily on results that we obtained. BGs demonstrate a diverse range of structure and biological activities, and this diversity is so great that a "common activity" could not be identified to this day. Although which activity is truly significant should probably be determined from the viewpoint of the effective utilization of BGs, as "broad spectrum" is one of the characteristics of BGs, it is expected that future research will be conducted to clarify this matter. In addition, BGs are present in large amounts in the environment, and it was found that humans and animals not only react to BGs in the form of innate immunity, but also recognize BGs via acquired immunity. This suggests that it is necessary to additionally expand and revise the conventional mechanism of action associated with BGs in order to develop a new mechanism of action. BGs consist of both メoldモ and メnewモ materials. When immune-regulation is considered, there is the question of whether recently discovered cytokines, gene therapy or cancer vaccines may serve as a substitute for BGs. It is preferable that all of these be allowed to coexist.
キーワード:ベータグルカン、真核微生物、細胞壁、受容体、
特異抗体、免疫調節、粘膜免疫
βグルカン(BG)は真菌、細菌、植物など自然界に広く分布し ている。 β配位したグルコピラノースを主構成糖とする多糖類のこ とであり、定義の上では、種々の結合様式のものを包括している。 最も汎用されるβ-1,4-結合した多糖はセルロースであり、この呼 び名が固有名称として一般化されているので、BGとしては、 β-1,3-ならびにβ-1,6-グルカンをイメージして使われている。科学 用語としてはいかにも曖昧であるが、巷にも言葉が氾濫するほど 魅力的なものともいえる。本稿でもβ-1,3-ならびにβ-1,6-結合を 有するグルカンに的を絞って概説する。
BGは各々の生物において生物学的な機能を発揮するのは勿論の 事、生物間のやり取りにおいても様々な役割を演じ(たとえば、生 体防御系の刺激作用など)、あるいは産業上も重要な素材である。 論文報告、特許、学会発表が様々な領域で多数なされている。こ れまでに構造解析された例も多く、おのおのの構造の細部を比較 すると微妙に異なっている。しかし、これらは生物(微生物)由 来であり、用いた材料の菌株、培養条件、個体差、抽出方法の微 妙な違い(これは抽出過程での部分分解も含む)、分析方法並びに それらの精度を考慮したとき、何が本当に意味のある差なのかに ついては一概に結論を出すことはできない。さらに、細胞壁を構 築する成分の代表の一つであるので、例えば酵母形態をとるもの については、卵形の形態そのものが、微妙にコントロールされた ネットワークによって構築されているものであり、糖ユニットの 単なる繰り返し構造とは考えにくい。また、酵母の基本的増殖様 式は出芽であるが、増殖の後には出芽痕が残ることが知られてお り、この部分の構造も特徴的であると予測される。この例のよう に、微生物の形態そのものがBGの一次構造のネットワークの構 築の現れであるとすると、精製という操作そのものにもBGなら ではの条件や背景を含んでいる。例えばBGは機能的に頑丈な細 胞壁を作るので水溶性は低く、これを精製するためには部分的に 分解する、という過程も必ず背景に潜んでいる。さらにまた市販 品の中には、粗製のもの、純度の低いものがあり、測定された生 物活性が夾雑物に由来することもしばしばである。一流の専門誌 に掲載されているからといって、成果を鵜呑みにすることには危 険が伴う。低分子の有機天然化合物や酵素、脂質と比較して、単 一性や均一性の評価が困難であるがゆえに、このような危険性は 他の物質よりも高いことになる。一方で、微生物の菌体外に可溶 性の多糖として分泌されるBGも存在する。これも分子量が厳密 に決まっているわけではないので、上記の例と類似の背景を有し ていることになるが、そもそも可溶性の物質として分泌されるの で、ネットワークという観点では細胞壁構築成分と比較すると単 純化できているものと思われる。はじめから混乱を招きかねない 記載になったが、これらの背景を関連分野の方々、お一人お一人 にご理解いただき、正しい目で個々のデータを評価できるように ならなければならない。
菌類BGが医学薬学領域で注目されたのは1960年代まで遡る と思われる。現在医薬として利用されているレンチナン(Lentinan,LNT)、ソニフィラン(Schizophyllan,Sonifilan, SPG)の基礎研究はこのころより始まる。更に“民間伝承薬”に まで遡るとすると“菌類生薬”として猪苓、霊芝など多くの研究 が展開されており、研究の根本を探すのは現実的ではない。当然、 これらにまつわる総説、解説、書籍も先達により、多数報告され ている。一方で高度医療の発展と関連し、免疫機能の低下した患 者さん、所謂immunocompromised hostが増加した。この分野では早期診断、潜在的病原因子として着目された。我々は1980年 ごろよりBGの解析を開始した。大学における卒論研究、大学院 研究の一環としての要素も強いことから、余り細かく目的を絞ら ず医薬のターゲット、あるいは真菌症の潜在的病原因子として広 範に興味を持って研究を行ってきた。これまでに、何種類かのカ ビ、茸や酵母からBGを抽出、単離、構造解析を行うと共に、生 物活性についても解析してきた。本稿では、我々が行ってきた解 析結果を中心に、BG研究の現状を概説したい。ページ数の関係で 概略の記載しかできていない部分もある。 2000年以前の内容については、総説を参照していただければ幸いである 1-4)。
深在性真菌症は増加傾向にある。これには、超高齢化や高度先 端医療の普及に伴う、ハイリスク、免疫不全患者の増加など複合 的な原因が関与していると思われる。抗菌物質の作用は一般的に 選択毒性が高く、細菌に対する抗菌剤は真菌に対しては効果を示 さない。逆もまた同様である。免疫不全者が増加するなかで、抗 生物質の予防投与はやむなく汎用されてきているが、このこと自 体、耐性菌を増加させるリスクを含むものであり、最善の対応策 とはいえない。また医薬品は化学物質であり、宿主に対し副作用 が全くゼロとなるような理想的な医薬品は無い。抗菌剤も副作用 としてアレルギー発症を起こしやすい医薬品のひとつである。細 菌感染であれ、真菌感染であれ、予防投与には同様のリスクがあ る。
そこで重要なのは、早期診断法の確立である。代表的な深在性 真菌症としては、CandidaとAspergillusが上げられるが、いず れの細胞壁にもβ-1,3-グルカンが共通して存在するので、血中に 存在する極微量のBGを測定することは早期診断として有用であ る。幸いにして、わが国では、この診断法が保険適用されている5)。ヒト血中のBG測定法の確立は新たな展開を生んだ。ひとつは、血 中にあるBGの構造に関することであり、もう一方は、この測定 法の応用範囲についてである。
血中にあるBGは極微量であるが、カブトガニの血中に β-1,3-グルカンに特異的に反応する防御系が存在し、それを特異的に測 定する方法が開発されたことによって測定が可能になってきた。 リムルステストとして知られるものであり、エンドトキシン測定 法との関連性から日本薬局方にも記載がある(Fig.1)6,7)。この方法の普及は患者にとっては大変な福音である。保険適用されている キットを用いた場合、20ピコグラム/mlという値が感染を見極 める濃度として良く用いられる。これは測定法の開発過程で利用 された所謂“標準物質”に基づき算出されたものである。BG研究 の歯がゆいところは、実はここにも潜んでいる。この測定法の基 礎的な解析を種々検討してわかってきたことであるが、BGは特徴 的な螺旋構造をとり、この中で最も安定と思われる三重螺旋構造 では、ほとんど反応性が無いことである(Fig.2)。分岐の度合いや分子量も反応性を著しく左右する。上述の20ピコグラムという値 は検査値としては非常に重要な意味を持つが、基礎研究を行うも のとしては、真の血中濃度を見ているわけでは無いことは忘れて はならない8)。それでは真の血中濃度はいくつなのか。これは非常 に難題である。血液は高濃度のたんぱく質、糖たんぱく質、脂質 などで満たされているので、微量の異常成分を検知することはで きても、単離することは至難の業である。特に患者さんの体液中 に微量に存在するのであるから、良いモデルを用いて解析する以 外に方法は考えにくい。我々は、Candida albicansを完全合成培地で培養し、そのとき菌体から放出された可溶性の画分を調整し、 リムルステストに反応するか否かを検討したところ、確かに反応 性を示すことを確認した9)。大変興味あることに、この画分は単な るBGではなく、mannoproteinとの複合体が主な成分であった。 さらに分析を進めてみたところ、菌体の代謝物であるから、案の 定、分子量分布は広く単一物質とはいえないものであった。この 画分をCAWSと命名し、種々の生物活性を評価したところ、急性 致死作用、血管炎惹起作用など多彩な活性を有することがわかっ てきた10-13)。それでは、これが血中に存在する本体といってよい のであろうか?そう単純でもないのではないかと、結論は先送り せざるを得ない状況にある。
次に前述したBG測定法の応用についてであるが、臨床検体以 外にもリムルステストが適用可能ではないかと考えたくなる。 BGは健康産業全般に渡って非常に興味ある活性を有するので、簡便 な方法でこれを定量したいというのは当然のニーズである。ここ で、着目しなくてはならないのは、標準物質についてであり、ま た個々のBGの構造と相対活性についてである。BGは分岐を有す るものが多い。医薬品として用いられるソニフィランでは主鎖3 残基ごとに分岐がある。一方、食品添加物として利用されるカー ドランは分岐を持たない。両者ともに精製度の高い標品が存在す るので、両者の相対活性を比較してみると、100倍以上は異なっ ていた。Fig.3にはSPGとCSBGとの比活性の対比を示したが、この場合も同様であった(Fig.3)。世のニーズは、食品など種々の成分が混在するなかでのBGの含量を測定したいのであるから、 構造が異なると相対活性が異なるとすれば、何を測っているのか わからなくなるというのが実感である。また、前述した螺旋構造 も活性に著しい影響を与えることも重要な因子である。適切な前 処理方法を選択しないと、活性本体の分解が起きたり、逆に活性 の阻害が起こったりする。このような観点からもより良い方法の 発見が切望される。
超高齢化社会に伴って、健康に対する一般市民の関心は非常に 高まってきた。不老不死はあり得ないことではあっても、少しで も健康でいたいと願うのは当然の願望である。このことは“免疫 力向上”と切り離しては考えられない。いわゆる、健康食品、サ プリメント、特定保健用食品などが医薬品市場に匹敵する規模を 示すのはこのためである。BGはこの代表格のひとつである。20 年以上も前にクレスチンが経口の抗腫瘍剤として上市され、レン チナン(LNT)やソニフィラン(SPG)が注射剤として上市された。 いずれも高等微生物の産物であり、宿主の免疫機能を賦活化する ことにより、腫瘍免疫を改善し、延命、治癒を目指す薬剤である。 クレスチンは化学的には粗製だが、経口投与であることは重要な 特徴である。医薬品とするために厳しい臨床試験が行なわれた成 果である。一方で、粗製であることは思わぬ誤解を生む原因にも なってしまう。極端な話、「精製したBGは何でも、どんな量でも 経口投与されればどんな癌にも効く?」と手放しで思い込む、あ るいは思い込まされることである。前述のごとく、粗製のクレス チンは経口だが、精製BGであるLNTやSPGは注射である。ま た、添付文書には放射線療法や化学療法との併用が記されており、 医薬品としては種々の条件を課しているのである。現在でも、細 胞免疫療法、腫瘍ワクチン、遺伝子導入などさまざまな新規治療 法が開発されているのは、現在の治療法に決して満足できないか らである。BGの魅力と可能性もその中に含まれるものであり、結 論の出ていないことは多数存在する。とにかく積極的に取り組み、 事実を着実に積み重ねる以外には方法は無い。我々はこの点に少 しでも貢献できればありがたいと願っている。以下にBGに関す る基礎的成果の一部を紹介する。
我々が主に解析してきたBGは、Grifola frondosa (マイタケ)、Sclerotinia sclerotiorum (菌核菌)、Sparassis crispa (ハナビラタケ)、Agaricus braziliensis (アガリクス)、Candida albicans (カンジダ)、Aspergillus fumigatus (アスペルギルス)などから種々の方法で調製したものである。いずれも真核微生物に属する が、食用、薬用のみならず病原性真菌も含む。
4−1.食用・薬用茸のBG: 最も初期に解析を始めたマイタケ については、子実体、菌蓋(子実体の根元の部分)、菌糸体の発酵 によって菌体外に放出された画分について検討した。前二者につい ては熱水抽出、冷アルカリ抽出、熱アルカリ抽出を順次行い多糖画 分を得て精製した。基本構造の類似した6分岐β-1,3-グルカンが 得られ、グリフォラン(Grifolan,GRN)と命名した 14,15)。精製の簡便さから、現在では発酵法によって得られたものを主に用いて いる。分岐点には単糖のβグルコース1残基が結合しており、この 基本構造はLNT、SPGとも類似している。この基本構造のBGは ハナビラタケ、菌核菌、雷丸、ブナシメジ、オオチャワンタケから も得られた。ただし分岐の頻度は菌ごとに差があり、雷丸由来の OL-2が最も高頻度であり(主鎖3残基あたり2分岐点)、オオチャ ワンタケ由来PVGでは分岐は5残基に1残基程度であった(Fig.4)。一方、アガリクスの主要BGはβ-1,6-鎖を多く含み、少量の β-1,3-鎖を含んでいた。この結合は酵素分解に抵抗したことから、 高分岐であると推定している。食用・薬用茸の子実体は個々に特徴 的な形態を有している。この形態形成には骨格物質の代表として BGが関与していると思われる。微細構造は個々の茸で異なると予 測され、今後、丹念な解析が求められる。
4−2.Candida albicansのBG: パン酵母(Saccharomyces cerevisiae)から調整されたZymosanは古くから汎用される試 薬であり、炎症、免疫研究に汎用されてきた。我々も多用してき た。これを用いることで実に多くのパラメータが明らかにされて きた。酵母の主要細胞壁成分がBGであることから、何となく Zymosanの活性はBGの受容体を介しておきる、あるいはBGが 補体系を活性化しておきるとイメージされてきた。さらに80年代 にはZymosan由来の精製BGとしてZymocelが上市され、Zy mosanは粗製であっても、活性はBGが担っているとの思いがま すます強くなってきた。90年代後半になってToll-like-receptor (TLR)など自然免疫の解析が急速に進展する中、Zymosanの受容 体も一流紙をにぎわすこととなった16,17)。当然の流れである。し かし、これは大きな落とし穴だったのではないかと思われる。そ もそもZymosanの開発者は補体活性化能を指標として作成した のであって、BG研究とは直接はかかわりの無いことである。 Zymosanはエンドトキシンフリーで調整されたわけでもない。多 くの試薬がready-to-useで市販されているので、これもそのつも りで、菌体の洗浄無しで使用すれば、粒子状のはずのZymosanか ら可溶性の活性成分が得られることになる。時代の流れとして、受 け入れざるを得ない惨状である。前置きはさておき、BGには可溶 性のものと不溶性(粒子状)のものがある。両者の生物活性は著 しく異なる。端的な例はマクロファージからの活性酸素産生であ る。粒子はこの活性を示すが、可溶性のものは示さない(または 弱い)。他にも種々の活性についてこのようなことが起きている。 しかし、これらの考えは、実は一次構造が異なる物質を用いて導 き出されたものである。同一の一次構造であって、可溶性と粒子 状で比較はできないものか、との発想に至った。種々の試行錯誤 の末に、次亜塩素酸酸化をすると、都合の良いものが得られるこ とがわかった18,19)。次亜塩素酸は強力な酸化剤であって、たんぱ く質、脂質、核酸など、ありとあらゆるものを酸化分解してくれ た。幸いにして、このような処理に対してもBGは比較的抵抗性 を示した。結果的にこの方法を応用することで、粒子状のBGが 得られ、これをアルカリやDMSOに溶解すると可溶性のBGが得 られた(次亜塩素酸−DMSO法と称する)(Fig.5)。すなわち、この方法を用いることで、「一次構造は同一であって、可溶性 (CSBG)と粒子状(OX-CS)のBGを調整できた」のである。こ の方法は古典的な手技ではあるが、汎用性は高く、我々はパン酵 母、Candida、 Aspergillus に応用した20,21)。この方法を用いることで免疫系の刺激作用に対して、高次構造、立体構造がどのよう に影響を及ぼすのか、種々の解析をする方法を作り上げることが できた。この方法でCandidaから作成したCSBGは長い β-1,3-鎖に重合度10〜50程度のβ-1,6-鎖が結合し、更にこの β-1,6-鎖が少量の分岐を持つ構造であった。これは、酵母細胞壁の生合成 ルートとも矛盾しない構造と思われる。また、Candida は二形性を示し、菌糸状にも生育する。菌糸状のCandida からもBGを調製したところ、基本構造は類似していた 22)。しかし、ここで最も特徴的であったのは、収量である。そもそも菌糸形の細胞壁は含 量が低く、結果的にBGの量もかなり少ないものであった。
BGはいずれも高分子量であり、ゲル濾過分析では100万前後 の分子量を示すが、分布もかなり広い。これは抽出過程でアルカ リ処理等を行い、部分的に鎖の切断が起きていることにも起因し ているであろう。CSBGは一端アルカリに溶解すると、中和後も 水溶性である。Candida細胞壁はβ-1,3-並びにβ-1,6-グルカンか ら構成されており、細胞壁の物理的強度を与えるため、構成多糖 は水不溶である。CSBGは可溶性BGを得るために、ジ亜塩素酸 酸化というかなり激しい処理を加え、部分的に細胞壁を切断して、 可溶化しえたものである。このことからも、本来は巨大で不溶性 であったものを部分分解して、可溶化したといえる。 SPGは製 造過程で超音波処理を行うことで棒状三重螺旋体を導き、分子量を そろえて医薬品として用いている。このような処置を行わない限 り、分子量分布はかなり広いと考えるべきであろう。
4−3.AspergillusのBG: Candida症とAspergillus症は代表的な深在性真菌症であることから、両者を多角的に比較するこ とは重要である。そこで、Aspergillusの細胞壁BGについて解析 するために、上述の次亜塩素酸−DMSO法を適用した 20)。DMSOに可溶性の細胞壁画分は調整できたが、これは多量の αグルカンを含有していた。真菌細胞壁の多様性を端的に現した例である。こ の酸化体からいかにしてBGを精製するか、種々検討した結果、尿 素処理で比較的効果的にαとβグルカンが分離できることがわ かった。この方法を用いて、Aspergillusの細胞壁BG(ASBG)を 調製することにした。真菌症の早期診断に利用されるリムルステ ストにおける、Candida由来のBGとAspergillus 由来のBGの比活性の比較は重要である。我々が調製したCSBGとASBGを 用いて比較検討した結果、両BGの相対活性はほぼ同様であり、こ の点においてリムルステストに問題は無いことがわかった。一方、 種々のAspergillus属菌種を比較してわかってきたことであるが、 細胞壁のα、βグルカンの比率はかなり異なるようである(Fig.6)。この点についても詳細な解析が求められる。
4−4.Schizosaccharomyces pombeのBG: 日本女子大、大隈正子先生のグループとの共同で実施した 23,24)。この菌の細胞壁にはα-1,3-グルカン、β-1,3-グルカン、 β-1,6-グルカンが含まれることが知られているが、微細構造について不明な点があった。 段階的抽出の後、部分酵素分解や二次元NMRなどを応用し、高 分岐β-1,6-グルカンの存在を明らかにした(Fig.7)。Candidaにおいても比較的長鎖のβ-1,6-グルカン鎖があることがわかってい るが、S.pombeの場合、これが高度の分岐した構造になってい るものと思われる。
4−5.βグルカンの高次構造: BGの中性水溶液はゲルを形成する。キノコの濃厚な抽出液を長期保存すると寒天状になること がある。これは分子間相互作用の証であり、X線解析などの結果 から、三重螺旋構造が示唆されている。しかし、天然に存在する BGが全て三重螺旋で存在しているわけではなく、一部は水分子と 配位して一重螺旋を形成したり、ランダムコイル状態で存在して いる。これらの高次構造は生物活性に著しい影響を与える。我々 はリムルステストを用いてこの点を詳細に解析し、一重螺旋なら びにランダムコイル構造のときに活性を示すことを明らかにして いる。高次構造依存性は、免疫担当細胞を用いた解析でも認めら れており、BGの活性評価においては高次構造の制御が必要であ る。この点は後述する。
高次構造について更に詳細に検討するためには、顕微鏡を用い た画像解析が必須である。BG鎖が細胞壁でどのように配向し進展 しているか、細胞壁の部位によって特定のBGが局在するか、な ど免疫化学的手法をもちいた画像解析、電子顕微鏡的解析など、形 態的解析に興味がもたれる。
4−6.βグルカン生合成の分子生物学: ゲノム解析が種々の微生物で進む中、真核微生物についても、 Saccharomyces cerevisiaeを筆頭にCandida albicans、Aspergillus fumigatusなど代表的な病原性真菌の解析が進んでいる 25-28)。細胞壁BGの生合成研究は80年代初頭にはかなり詳細に解析が始まっている。 Cabibらは、BGはUDP-Glcを出発物質として細胞膜の内側で合 成され、合成の進展と共に徐々に細胞膜を通過して細胞壁に運搬 されることを提唱した。また、この反応には触媒部位を持つFksp と、小型のGTPase活性を有する調節因子としてのRho1pが関 与することが知られている。FKSと類縁の遺伝子は、Candida 、
Cryptococcus、Paracoccidioides 、Pneumocystis、
Aspergillus、 Coccidioidesなどから広範に見出されている。この ように、BG生合成は比較的類似した基本的仕組みを利用している のであろう。しかし、上述のごとく、構造面からは、非常に多岐 にわたる多様性が形成されていることは事実であり、今後、詳細 な解析が待たれる。最近、真菌症治療薬として、BG合成酵素阻害 活性を有するキャンディン系抗真菌薬が上市された 28)。新たな角度からの興味が膨らみ、この分野の研究も益々加速されるものと 思われる。
BGは当初「抗腫瘍多糖」として注目された。それに関連したさ まざまな評価系で検討されてきているが、我々が最初に得た、最 も興味深い成績は分岐度と活性の関連である(Table1)1,2)。すなわち、Sarcoma180固形腫瘍に対する in vivoでの抗腫瘍効果は、高分岐のOL−2(分岐度2/3)では著しく弱く、中等度の分岐頻度 があると活性が強くなり、また、分岐が無いと活性は弱いのであ る。どうも適度な分岐度が必要とされているらしい。しかし、OL −2は化学療法剤との併用で効果を発揮し、白血球減少症からの 回復も促進した。活性のベクトルが他のBGとは若干異なるが、活 性が無いということではないらしい。この特徴については更にサ イトカインmRNA発現のパターンにおいても異なっていることを 報告している。CRDについても、カルボキシメチル基やヒドロキ シエチル基を導入したり、酸化したりすると活性を発揮した。こ の過程で、適度に置換基を導入するとゾル化したが、それでも活 性を示した。活性発現への三重螺旋構造の必要性が示唆されてき たが、ここで得られた結果は、この考えに合致しなかった。一方、 SPGでは活性発現への至適濃度が高次構造を変えると著しく異な るとの報告がされている。抗腫瘍活性に三重螺旋構造が重要であ ることは半ば定説になっている。しかし、ここに示した結果は定 説では解釈できない部分を含むものである。我々は、実験動物で のin vivo、 in vitro解析ならびに、ヒト末梢血白血球や細胞株を用 いて高次構造の影響を検討してきた。この過程で、マクロファー ジのNO産生、インターロイキン-8産生など、さまざまな活性が 高次構造依存性を示すことが明らかとなっている。
さらに、前述したように、Candida の細胞壁BGを調製する過程でジ亜塩素酸−DMSO法を開発し、これを用いることで、同一 一次構造を有する、粒子状(OX-CA)と可溶性(CSBG)のBG を作成することができた。これらの活性を比較検討したところ、活 性発現への補体依存性の違いが認められた。さらに、DNAマイク ロアレイ法を用いてヒト末梢血単核球刺激における発現遺伝子を 比較したところ、単に強弱があるというより、可溶性と粒子状で は活性化が質的に異なることが明らかとなった(Fig.8、Table2)21,29,30)。
活性評価に関しては評価系そのものにも興味深い点がある。た とえば種差や系統差に関するものである。リウマチモデルとして 知られるU型コラーゲン誘発関節炎はDBA/1系統にほぼ限局して 発現する。BGの抗体産生に対するアジュバント活性も系統によっ て著しい差がある。単に強弱ではなく、産生される抗体のクラス の違いを生じさせる。さらに、脾臓細胞のin vitro培養系でのBGによるサイトカイン産生作用はDBA/2で著しく強い (Fig.9)。この反応のキーはGM-CSF産生にあることが最近明らかになった31,32)。ヒトにおいても個体差は著しく認められる。我々はハナビラ タケ由来のSCGを何人かのボランティアの白血球に添加してサイ トカイン産生を測定したが、産生量には著しい差が認められた33)。このように、活性評価にあたっては、構造側の要因のみならず、宿 主側についての情報も整理する必要がある。
以上のようにin vivo、 in vitroで生物活性を比較してみると、個々の活性ごと、由来する菌ごとに強度が実にさまざまであった。 いずれも同レベルの純度を確保して解析しているので、BGの構造 と活性を一般論として論じることとの難しさを実感している。 In vivoにおいては、吸収、分布、代謝・排泄系、組織適合性抗原な どさまざまな要素の総和としての活性を評価している。個々の活 性評価系にかかわる全ての要素が分子レベルで解析されているわ けではないので、今後さらに評価系を整理して議論する必要があ る。
茸産業を中心にBGの経口投与での有用作用に期待が集まって いる。厳密に考えるならば、茸にはBG以外の様々な有効成分が 含有されているので、評価するにあたっては、精製BGでの効果 を評価する必要がある。当然の理屈のように見えるが、現実には いくつもの壁があるのも事実である。その一つは、有用作用とは 何を示すのか。二つ目は繰り返し構造を有するBGのなかで、機 能を発揮するBGの構造を完全に特定しうるか。そして第三には、 抽出効率が上げられる。更に上述のごとく、BGの物性はかなり複 雑であるので、低分子性化合物を扱う以上に問題は膨らむ。
我々は86年に、子嚢菌の1株、Sclerotinia sclerotiorum IFO9395株の培養外液から高分岐のBG,SSGを単離し報告し た34,35)。SSGの解析の過程で、これが経口投与でも抗腫瘍活性を 発揮することを見出した。そこで、90年代中ごろにかけてSSG 経口投与の免疫系に与える影響を体系的に検討したところ、複数 の同種同系固形癌に効果を有すること、転移抑制効果を示すこと、 脾臓細胞のConA並びにLPSに対する応答性が上昇すること、NK 活性が上昇すること、腹腔並びに肺胞マクロファージ活性化作用 (酸性ホスファターゼ、貪食、殺菌、過酸化水素、IL-1)を示すこ と、 IgA産生増強作用を示すことなどの作用を見出した。更に、こ れらの作用にはパイエル板機能の上昇が関与していることを明ら かにした。一見、これらの作用は腹腔内並びに静脈内投与で認め らた効果と類似しているが、至適投与量は腹腔内投与よりは一桁 以上必要であり、経口と非経口での薬効発現のメカニズムにはか なり異なる部分があると思われる。また、ハナビラタケ由来の SCGでは白血球減少症モデルにおいて、経口投与によって造血促 進効果を示すことを明らかにしている。この一連の研究によって、 BGは経口投与によっても、有用作用を示しうることを明確に提示 できた。さらに、経口投与したSSGは検出可能なレベルでは吸収 されなかった(Table3)。すなわち、BGは吸収されて活性を発現しているとは考えにくいのである。消化管粘膜に存在する免疫担 当細胞の活性化を介した作用であると推定できるが、詳細に関し ては、今後さらに解析が必要である。
BGは正常な状態では体内に吸収されるとは考えにくいものであ るので、代謝や蓄積に関する知見は少ない。これらを考慮しなけ ればならない状況があるとすれば、深在性真菌症で体内に多量の 真菌が増殖した場合、あるいは、抗腫瘍剤として知られるLNT、 SPGが投与された場合であろう。さらに、付記するならば、種々 の医薬品、医療用具などがどの程度、BGに汚染されているかは詳 細には解析されていない。そもそも、エンドトキシンのように毒 性が明確であれば、あらゆる製品に対して測定の義務と汚染の無 いことの証明が必要であるが、BGの毒性は限局されており、一般 的にはそれがクローズアップされることはない(Fig.10)。このような状況であるから、BGの体内蓄積と代謝に関する知見は少ない ことになる。
我々は、BGの作用機構の解析を行なう過程で、いくつかの観点 からこの点を解析した。ひとつは血中からの消失に関することで あり、他方は消失したBGの蓄積に関することである。前者は主 に、リムルステストを用いて実施した。用いたBGによって、半 減期は著しく異なり、SPGでは6時間程度となり、ほとんど血中 から消えないのではないかと思われるほどであった36,37)。一方、CSBGでは比較的速やかに消失した。また、この速度には高次構 造依存性があり、三重螺旋体は一重螺旋体よりも半減期が長い傾 向を示した(Fig.11)。
体内の蓄積については、リムルス試薬を用いて検出する方法な らびにアイソトープで代謝ラベルしたBGを調整し、それをマウ スに投与して、体内動態を調べた38-40)。その結果、マウスに注射 されたBGはきわめて長く、ほとんど分解されることなく、主に 肝臓と脾臓に蓄積することがわかった。きわめて長くとは、半年、 一年といった単位であり、マウスの生存期間を通じてということ になる。
経口投与されたものはほとんど吸収されないのではないかと上 記したが、仮に大量に体内に吸収されたとすれば、それは一生代 謝されずに体内に蓄積するリスクを背負うのではないだろうか。 結論を示すことはできないが、経口投与されたものの吸収・蓄積・ 代謝・排泄に関する詳細な解析は必須のものと思われる。
21世紀に入り、ヒトゲノム解析が完了したことに伴い、分子生 物学的な解析は急速に進展した。これはBGの分野についても同 様である。自然免疫にはToll-like-receptor (TLR)が中心的な役割を果たすことが明らかとなり、これらの分子に対するさまざまな
リガンド分子が同定された。BGについてもTLRの関与は否定で きないが、BG特異的受容体の解析も進んでいる。80年代後半よ り補体受容体であるCR3が受容体のひとつであるとの報告が Ross博士らによって体系的に報告された。我々も組換え型の CR3、CR4を作成し、培養細胞上に人為的に発現させると、細胞 への結合が著しく増加することを確認した。また、90年代末には、 新たな受容体としてDectin-1が注目され始めた41) 。我々は本受容体に対する組換え体も作成し、BGが結合することを明らかにした42)。これらの受容体を介した情報伝達機構の解析は世界的に注目 を集めている領域であり、近い将来、活性化機構の詳細が明らか になるのではないかと思われる。
BGに対する抗体産生に関する解析も進んできた。これまでBG の抗原性は低く、抗体産生は起きにくいと考えられてきた。確か に、医療用のSPGに対する抗体産生は起きにくいことは事実であ り、同様にマイタケから得たGRNに対する単クローン抗体を作 成しようと試みたが、なかなかできなかった。しかし、マウスに 酵母菌体を投与すると、抗BG抗体が産生された。これらの事実 から、抗体産生が起き難いのはSPGタイプの多糖であり、全ての BGが抗体産生を起こしにくいわけでは無いことが強く示唆され た。そこで実際に、ヒトグロブリン製剤を用いてCandida 由来のCSBGに対する抗体価を測定したところ、IgGクラスの抗体の存 在することが明らかとなった43)。さらに、特異性は主に側鎖部分 に対するものであった。そこで、健常人ボランティアで測定した ところ、全てのヒトで抗体の存在が確認された。さらに、癌患者 さん、自己免疫疾患の患者さん、真菌症の患者さんなどを対象に 血中の抗CSBG抗体価を測定したところ、疾患によって変動が見 られた(Fig.12、13、14)44,45)。同様の抗体は豚、牛でも認められた。
また、マウスにおいては特定の系統においてのみBGに対する抗 体が認められた。これらのことから、ヒトや動物は食物や環境中 のBGに対して自然感作され、自然免疫のみならず獲得免疫も動 員して応答していることが明らかになってきた。
この抗体の機能についてさらに検討するために、マウスにBG を投与し、血中の抗体価の変動をしらべたところ、BG投与によっ て、確かに、一過性に抗BG抗体の力価は低下した。このことは、 抗BG抗体は真菌感染など、体内に侵入したBGに対し、防御因 子として働くことを示唆している。自然免疫に関する興味が深ま りつつあるが、抗体・補体・血小板を介した免疫系の活性化もBG による免疫活性化機構を論じるうえで重要なものであろう。抗BG 抗体については、存在が明らかになったというのが現状であり、研 究は著についたばかりである。深在性真菌症が増加する傾向にあ り、一方では真菌系の機能性食品も汎用されている。身の回りに は、多様な真核微生物、微生物産物が共存している。抗BG抗体 の測定は、真菌症や食品の機能性を評価するうえで重要な項目に なるものと期待される。今後詳細な解析が必要である。
BGの構造と生物活性について、我々の得た結果を中心に概説し た。BGは多彩な構造と生物活性を示すことがわかってきたが、 “共通した活性”としては特定できないほど多様性に富んでいた。 BGの有効利用という観点からどの活性が指標となるかを決定すべ きであろうが、モBroad spectrumモであることがBGの特徴でもあるので、それは今後の研究の発展に期待したい。また、BGは環境 中に多量に存在しており、ヒトや動物は自然免疫でBGに対応す るばかりでなく、獲得免疫を動員してBGを認識していることが わかった。これは従来まで考えられてきたBGの作用機構を更に 拡張し、修正して構築することが必要であることを示唆している。
BGは茸に多量に含まれている。茸並びに菌糸培養品はいわゆる 健康食品として健康の維持と向上に貢献している。しかし、例え ば癌などの特定の疾患を対象として、臨床上統計学的に有意な差 をもって有効であるとする医薬品の領域に達するには、これまで 以上の努力が必要であることは間違いのないことであろう。今後 は多施設共同研究といった大型プロジェクトで早期解決を期待し たい。
BGに対する逆風ともとれる報道が時々見受けられる。多くの医 薬品で検証されていることであるが、副作用や有害作用は回避で きないことである。適正使用こそが求められるのである。有害作 用のために販売が中止となる医薬品もあるが、例外的と捕らえる べきであろう。少なくともBGに関する限り、古くより用いられ てきた背景があるのであるから、有効性が勝っていることに違い はないはずである。多少の逆風に対しては、個々に風化させるこ となく、正確に解析をし、将来のための事実として蓄積すること が重要である。これらの逆風を単に忘れ去ることは望ましいこと とは思われない。グローバル化されるマーケットを意識するので あれば、当然これらの経験を蓄積し、財産とすべきであろう。
BGは古くて新しい素材である。免疫調節を考えるとき、近年登 場した、サイトカイン、遺伝子治療、癌ワクチンなどを用いるこ とで、BGの持つ多彩な効果が代替できるのだろうか。共存するこ とこそ必要なのではないだろうか。BGは樹状細胞を強力に活性化 する。樹状細胞は免疫系の制御に欠かせない細胞のひとつである。 最近明らかになってきた受容体や樹状細胞といった分野からBG の応用範囲もさらに広がっていくであろう。
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著者氏名 | 大野尚仁(Ohno Naohito) |
年齢 | 50歳 |
所属 | 東京薬科大学薬学部免疫学教室 教授 |
連絡先 | 〒192-0392 東京都八王子市堀之内1432−1
E-mail: ohnonao@ps.toyaku.ac.jp URL: http://www.toyaku.ac.jp/ |
出身校 | 東京薬科大学大学院薬学研究科 |
学位 | 薬学博士 |
研究テーマ | (1)免疫関連疾患の病態解明と治療薬の開発:血管炎、敗血症、アナフィラキシーショックモデルを作出し、メカニズム解析をすると共に治療薬開発を行なっている。 (2)微生物菌体成分による免疫機能の調節機構の解析:真核微生物の菌体成分を中心に、免疫調節剤の開発を行なっている。 |