08 ラベル化剤

HiLyte Fluor™ 647 Labeling Kit - NH2

HiLyte Fluor™ 647 Labeling Kit - NH<sub>2</sub>

抗体・タンパク質標識キット

  • 簡単な操作で実験したい
  • 抗原認識部位を妨害しない低分子で標識したい
  • Cy5と類似した蛍光特性を持つ色素でみたい
  • 製品コード
    LK15  HiLyte Fluor™ 647 Labeling Kit - NH2
容 量 本体価格
3 samples ¥22,800
サンプル量 50-200 µg
所要時間 2時間
標識部位 -NH2
検出方法 顕微鏡・FCM
蛍光特性 [Ex:655, Em:670]

・分子量50,000以上のタンパク質が標識できる。

・Filtration Tubeを用いた分離操作により抗体の場合は高い回収率で標識体が得られる。

・付属の保存溶液でHiLyte Fluor™標識体の保存ができる。

キット内容
3 samples ・NH2-Reactive HiLyte FluorTM 647
・WS Buffer
・Reaction Buffer
・Filtration Tube
3 tubes
4 ml×1
500 μl×1
3 tubes

性質

HiLyte FluorTM 647 Labeling Kit - NH2は、アミノ基を有するタンパク質、特に抗体へHiLyte FluorTM 647色素を標識するためのキットである。HiLyte FluorTM 色素は米AnaSpec社が開発した蛍光色素である。キット付属のNH2-Reactive HiLyte FluorTM 647は、その分子内に活性エステル基を有しているため、アミノ基を有する分子と混合するだけで安定な共有結合を形成する。タンパク質にHiLyte FluorTM 647を標識する場合、標識反応を阻害するような低分子化合物(トリスなど)や未反応のNH2-Reactive HiLyte FluorTM 647は付属のFiltration Tubeを用いて容易に除去することができる。HiLyte FluorTM 647標識IgGの場合、蛍光波長はλex/em=655/670 nmである。
 本キットには、標識に必要なすべての試薬と作製したHiLyte FluorTM 647標識体を保存するための溶液が含まれている。

開発元 Dojindo Molecular Technologies, Inc.

技術情報

特長

1) 約2時間でHiLyte FluorTM標識体が調製できる。
2) 分子量50,000以上のタンパク質が標識できる。
3) 50~200 μgのタンパク質を標識可能である。
4) Filtration Tubeを用いた分離操作により抗体の場合は高い回収率で標識体が得られる。
5) 付属の保存溶液でHiLyte FluorTM標識体の保存ができる。
*HiLyte FluorTMはAnaSpec 社の商標です。同仁化学では試験・研究用として許諾を得ております。

注意事項

市販の抗体などでゼラチンやアルブミン等を安定化剤として含む場合、それらの成分を除いてからご使用ください。試料中の共存物質の影響については「よくある質問:サンプル溶液中の共存物は反応に影響しますか?」に詳細を記載しておりますのでご参照ください。なお、小社では抗体を簡便に精製できる下記のキットをご用意しております。

 

IgG Purification Kit – A   IgG Purification Kit – G

NH2-Reactive HiLyte FluorTM 647は、アルミラミジップに3本入っています。アルミラミジップを一旦開封した後は、未使用のNH2-Reactive HiLyte FluorTM 647は、アルミラミジップに入れたまま、チャックをしっかりと閉め、-20℃で保存してください。NH2-Reactive HiLyte FluorTM 647以外は、0~5℃で保存してください。

冷蔵保存中もしくは室温に戻した際に、フィルトレーションチューブに水滴様の液粒が見られることがあります。これはメンブランの乾燥防止剤が液粒化したもので、製品の性能に問題はございません。

 

キット以外に必要なもの

・10 μl, 200 μl マイクロピペッター
・インキュベーター(37℃)
・DMSO
・遠心機(マイクロチューブ用)
・マイクロチューブ(標識体保存用)

反応原理

 

 

操作方法

実験例1

ヒト抹消血T 細胞へのCEO に対する特異的抗体の単鎖抗体遺伝子を電気穿孔法(electropolation) で導入し、細胞表面上における単鎖抗体の発現を比較した。
Transfectant では効率よく遺伝子が発現していることが観察された。

使用抗体:癌胎児性抗原(Carcinoembryonic Antigen,CEA)
使用キット:HiLyte Fluor™647 Labeling Kit-NH₂

データ提供:福岡大学 医学部 生化学教室 芝口浩智先生

実験例2

HiLyte Fluor™ 標識b14 抗体を用いたヒト盲腸粘膜上の免疫染色画像(上)およびその位相差像との合成(下)
 使用キット:HiLyte FluorTM647 Labeling Kit-NH2 (撮影倍率x10)


画像提供:岡山大学大学院 歯学総合研究科 人体構成学分野 内藤一郎先生、重井医学研究所 佐渡義一先生

参考文献

参考文献を表示する

1) S. Hiroyasu, T. Ozawa, H. Kobayashi, M. Ishii, Y. Aoyama, Y. Kitajima, T. Hashimoto, J.C.R. Jones and D. Tsuruta, "Bullous pemphigoid IgG induces BP180 internalization via a macropinocytic pathway"Am. J. Pathol.., 2013, 182, (3), 828.
2) W. Jin, K. Yamada, M. Ikami, N. Kaji, M. Tokeshi, Y. Atsumi, M. Mizutani, A. Murai, A. Okamoto, T. Namikawa, Y. Baba, M. Ohta, "Application of IgY to sandwich enzyme-linked immunosorbent assays, lateral flow devices, and immunopillar chips for detecting staphylococcal enterotoxins in milk and dairy products"J. Microbiol. Methods., 2013, 92, (3), 323.
3) Y. Hayashi, M. Okutani, S. Ogawa, T. Tsukahara, R. Inoue, "Generation of anti-porcine CD69 monoclonal antibodies and their usefulness to evaluate early activation of cellular immunity by flow cytometric analysis"Anim. Sci. J.., 2018, 89, (5), 825.
4) T. Kojima, J. Hata, H. Oka, K. Hayashi, K. Hitomi and H. Nakano, "Spatial arrangement of proteins using scCro-tag: application for an in situ enzymatic microbead assay."Biosci. Biotechnol. Biochem., 2018, 82, (11), 1911.
5) S. Mawaribuchi, Y. Haramoto, H. Tateno, Y. Onuma, Y. Aiki and Y. Ito, "rBC2LCN lectin as a potential probe of early-stage HER2-positive breast carcinoma."FEBS Open Bio., 2020, DOI: 10.1002/2211-5463.12852.

よくある質問

Q

Labeling Kitで1次抗体を直接標識する利点を教えてください。

A

はじめて抗体標識をされる方を対象としたプロトコルを作成しております。
カスタマーサポートの視点から直接標識法の利点や実施例等を記載しておりますので、ご参照下さい。
下記リンクよりダウンロード可能です。
「はじめての抗体標識プロトコル ~カスタマーサポートの視点から~」

Q

サンプル溶液中の共存物は反応に影響しますか?

A

共存物の種類により影響することがあります。
溶液中にどのような物質が含まれるかを確認の上、状況に応じてラベル化に用いるサンプルの精製を行い、標識反応にご使用ください。

<高分子:分子量1万以上>
影響する可能性があります。
BSAやゼラチンなどアミノ基をもつ化合物が含まれると、抗体への標識効率が低下します。また、高分子のためFiltration Tubeでも除くことができません。また、アミノ基を持たない化合物でも、高分子の不純物が多いとフィルターの目詰まりの原因になり、標識・精製操作に支障がでる可能性もあります。反応に使用する前に別途除去操作を行ってください。
*本製品に限らず他のLabeling kit に関しても同様の注意が必要です。

抗体の精製について、小社抗体精製キット(下記)を用いたBSAとゼラチンの除去方法をご紹介いたします。

IgG Purification Kit – A   IgG Purification Kit – G

 

【BSAの除去方法】

1)必要な試薬

IgG Purification Kit-A(もしくはG)(Code:AP01もしくはAP02)

市販の抗体 200µg

2)精製方法

IgG Purification Kit添付の取扱説明書に従って、精製を行う。

 

【ゼラチンの除去方法】
A, Bいずれかの方法で除去する。

A.コラーゲナーゼ(Collagenase)によるゼラチン分解

図1 ゼラチン除去精製前後のSDS-PAGE
1: ゼラチン含有IgG溶液
2: 精製後のIgG溶液

(1) 試薬
・コラーゲナーゼ(Sigma, #C7826) 3.5 CDU/ml 希釈溶液
・IgG Purification Kit-A(もしくはG) (Code: AP01もしくはAP02)
・市販の抗体 200 μg
(2)精製方法
・0.2% ゼラチンを含む200 μg/ml IgG溶液 1 mlに酵素処理用緩衝液 (100 mmol/l HEPES, pH7.4, 0.36 mmol/l CaCl2含有) 420 μlと酵素処理用緩衝液で調製した 3.5 CDU/ml コラーゲナーゼ希釈溶液 80 μlを加えて混合する。
・37℃、3時間インキュベートした後、IgG Purification Kit-A(もしくはG)を用いてIgGを単離する。
※IgG Purification Kitでは、抗体を固定化担体に保持させる際の抗体溶液量を一回当たり200 μlとしている。しかし、上記操作でコラーゲナーゼ処理した抗体溶液量は、約1.5 mlとなるため、IgGを担体に保持させる操作を8回(200 μl×7, 100 μl×1)に分けて行う。
※上記の方法で得られる抗体の回収率:45~50%
 

B. 300K 限外ろ過チューブを用いたゼラチン除去

図2 ゼラチン除去精製前後のSDS-PAGE
1: IgG
2: ゼラチン含有IgG溶液
3: 300K限外濾過のみのIgG溶液
4: 300K限外濾過+ IgG Purification Kit - Gで精製後のIgG溶液

(1)試薬
・300K フィルトレーションチューブ(Pall社 ナノセップ遠心ろ過デバイス(製品コード:OD300C33)
・IgG Purification Kit-A(もしくはG) (Code: AP01もしくはAP02)
・市販の抗体 200 μg
(2)精製方法
・0.1% ゼラチンを含む200 μg/ml IgG溶液 1 mlを300K フィルトレーションチューブ 2本に分けて限外ろ過を行う(200 μl×2, 100 μl×1, 13,500 x g)。
・その後、回収溶液500 μlをIgG Purification Kit-A(もしくはG)を用いてIgGを単離する。
※回収溶液500 μlに対し、IgG Purification KitのWashing Buffer 50 μlを添加し、精製を行う。 ゲルへの吸着操作は5回繰り返す。
※上記の方法で得られる抗体の回収率:35~45%

 

Q

サンプルが溶液でも問題ないでしょうか?

A

溶液であること自体は問題ありません。
ただし、下記の点をご確認いただいた上でご使用ください。

-濃度-
 サンプル濃度が0.5 mg/ml以下(50 μg/100 μl以下)である場合には

 Filtration tubeを用いてサンプル量が50~200 μgとなるように
 遠心して濃縮を行ってください。
 フィルター上に残ったサンプルは再溶解させる必要はありません。
 そのまま反応にご使用ください。

-溶液量-
 Filtration tubeの容量に制限がありますので、溶液の量は100μl以下でご使用ください。

-共存物-
 ・不溶性の低分子が含まれる場合は、予め遠心して上清のみを使用してください。
 ・分子量10,000以上の物質が含まれる場合には、別途精製を行ってからご使用ください。
  (市販の抗体の中には安定化剤としてBSAやアルブミンを含む場合があります)

Q

光による退色は起こりにくいのでしょうか?

A

当社での確認試験では、HiLyte Fluor 555, HiLyte Fluor 647ともにAlexaと同等の耐光性を示しています。

Q

低分子のタンパク質(分子量50,000以下)に標識する場合の方法を教えて下さい。

A

キット付属のフィルトレーションチューブは分画分子量30Kの限外濾過フィルターのため、

余裕をもって50,000以上のタンパク質のご使用を推奨しております。

分子量50,000以下のタンパク質を標識される場合は、

下記のような分画分子量の小さい限外濾過フィルターに変更して

頂くことで、低分子のタンパク質でもラベル化可能でございます。

------------------------------------------
PALL社 ナノセップ  3K 製品No.OD003C33
PALL社 ナノセップ 10K 製品No.OD010C33 
------------------------------------------

キット同梱のフィルターを用いた場合に比べ遠心に時間を要することが

ございますので遠心時間はご検討下さい。

Q

標識後、フィルトレーションチューブを遠心してもメンブレン上に液が残る。

A

(1)メンブレンを目視で確認した際、メンブレンカップの淵にうっすら液が残る程度であれば、
    次の操作に進んで下さい。
    メンブレン上に液が残っていたり、メンブレンカップを傾けて回転させたとき、液が
    垂れてくるようであれば、さらに遠心を8,000g で15分~30分程度行って下さい。          
   
(2)1)の遠心操作後もメンブレン上に液が残る場合は、標識体が凝集していないか確認してください。

    抗体やタンパク質自身の性質によりますが、低分子標識剤を
     標識することで抗体やタンパク質の疎水性が増し、凝集する場合がございます。

    標識体に凝集が見られる場合は、一度別のマイクロチューブに移し、遠心し上澄みを
    ご使用ください。(抗体・タンパク質の回収量は低下いたします。)

上記でも解決しない場合は、小社カスタマーサポートまでお問い合わせください。

※フィルターの目詰まりが疑われる場合は、メンブレンフィルターを新しいものに
    交換すると解決する場合がございます。 
     代替品: PALL社製 ナノセップ 30K (メーカーコード:OD030C33)

Q

IgG1分子に色素が幾つ標識されますか?

A

 IgG1分子あたり、3~7個の色素が標識されます。
プロトコルや製品添付の説明書にも標識率を計算する式を載せてあります。


HiLyte Fluor 647/タンパク質の標識率=[A655/250,000]/[(A280-A655x0.05)/ε]

A655:655nmの吸光度
A280:280nmの吸光度
ε:タンパク質の280nmのモル吸光係数(IgGの場合には216,000)

Q

未反応の色素は除去できますか?

A

説明書にある反応後の2回の洗浄で、未反応色素の95%は除去できます。

必要であれば、WS buffer等での洗浄をさらに2~3回繰り返すことで未反応色素はほぼ除去されます。

取扱条件

取扱条件
1.保存方法:冷蔵, 2.吸湿注意
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