08 ラベル化剤

Biotin Labeling Kit - SH

Biotin Labeling Kit - SH

抗体・タンパク質標識キット

  • アミノ基でうまくいかなかった
  • 感度をあげたい
  • 製品コード
    LK10  Biotin Labeling Kit - SH
容 量 メーカー希望
小売価格
富士フイルム
和光純薬
3 samples ¥16,100 348-90941
サンプル量 50-200 µg
所要時間 3時間
標識部位 -SH
検出方法 顕微鏡・FCM・ウエスタンブロット・プレートリーダー

・SH-Reactive Biotinと混ぜるだけで、安定な共有結合を形成する。

・分子量50,000以上のタンパク質が標識できる。

・付属の還元剤を用いることで遊離SH基を持たないタンパク質への標識も可能である*。

・Filtration tubeを用いた分離操作により高い回収率で標識体が得られる。

・付属の保存溶液でBiotin標識体の保存ができる。

キット内容
3 samples ・SH-Reactive Biotin
・Reducing Agent
・WS Buffer
・Reaction Buffer
・Filtration Tube
3 tubes
3 tubes
4 ml x 1
1 ml x 1
3 tubes

性質

Biotin Labeling Kit - SHは、SH基を有するタンパク質、特に抗体へビオチンを標識するためのキットである。キット付属のSH-Reactive Biotinは、その分子内にマレイミド基を有しているため、SH基を有する分子と混合するだけで安定な共有結合を形成する。タンパク質がS-S結合を持つ場合には、付属の還元剤を用いて遊離SH基を調製することが可能でである。(ただし、S-S結合の切断によってタンパク質の活性が失われる場合がある。)イムノグロブリンG(IgG)のような高分子タンパク質にビオチンを標識する場合、付属のFiltration Tubeを用いて簡単にサンプルの前処理を行うことができ、ヒンジ領域のSH基を標識に利用すれば、抗体活性を損なわずにビオチン標識還元IgGを調製することがでる。また、未反応のSH-Reactive Biotinは反応後のFiltration Tubeを用いた精製操作により除去することができる。

開発元 Dojindo Molecular Technologies, Inc.

マニュアル

Biotin Labeling Kit - SHの使い方

技術情報

特長

1) 約3時間でビオチン標識体が調製できる。
2) SH-Reactive Biotinと混ぜるだけで、安定な共有結合を形成する。
3)分子量50,000以上のタンパク質が標識できる。
4)50~200 μgのタンパク質を標識可能である。
5) 付属の還元剤を用いることで、遊離SH基を持たないタンパク質への標識も可能である*
6) Filtration Tubeを用いた分離操作により高い回収率で標識体が得られる。
7) 付属の保存溶液でBiotin標識体の保存ができる。

注意事項

Reducing Agentは、還元型のIgG調製に最適化されています。IgG以外のS-S結合を有するサンプルの使用の場合、S-S結合の切断によって標識対象分子の活性が失われる場合があります。還元による失活が起きないことをご確認の上、ご使用下さい。

市販の抗体などでゼラチンやアルブミン等を安定化剤として含む場合、それらの成分を除いてからご使用ください。試料中の共存物質の影響については「よくある質問:サンプル溶液中の共存物は反応に影響しますか?」に詳細を記載しておりますのでご参照ください。

SH-Reactive Biotinは、アルミラミジップに3本入っています。アルミラミジップを一旦開封した後は、未使用のSH-Reactive Biotinは、アルミラミジップに入れたままチャックをしっかりと閉め、-20℃で保存してください。SH-Reactive Biotin以外は、0~5℃で保存してください。

冷蔵保存中もしくは室温に戻した際に、フィルトレーションチューブに水滴様の液粒が見られることがあります。これはメンブランの乾燥防止剤が液粒化したもので、製品の性能に問題はございません。

 

キット以外に必要なもの

・10 μl, 200 μl マイクロピペッター
・インキュベーター(37℃)
・DMSO
・遠心機(マイクロチューブ用)
・マイクロチューブ(標識体保存用)

反応原理

操作方法

実験例1

Biotin Labeling Kit - SHおよび他社品キットを用いて作成したビオチン標識 Anti-CAT(Chloramphenicol Acetyltrandeferase)抗体を用いたELISA

実験例2

Biotin Labeling Kit-SHを用いてAnti-Nitroguanosine monoclonal抗体(Code. AB02)のビオチン標識抗体を作成し、8-ニトログアニンの精製を検出した(Fluorescein標識ストレプトアビジン蛍光染色)。


A: 8-ニトログアニン(緑)とiNOS(赤)、B: 細胞の実験野像、C: 8-ニトログアニン(緑)とオキソグアニン(赤)、D: 8-ニトリグアニン(緑)とミトコンドリア(赤)のmerge画像。
8-ニトログアニンはミトコンドリアに特に強い局在を示す。
(画像提供:熊本大学 医学部 教授 赤池孝章先生)

参考文献

参考文献を表示する

1) E. Terasaka, K. Yamada, P.H. Wang, K. Hosokawa, R. Yamagiwa, K. Matsumoto, S. Ishii, T. Mori, K. Yagi, H. Sawai, H. Arai, H. Sugimoto, Y. Sugita, Y. Shiro and T. Tosha, "Dynamics of nitric oxide controlled by protein complex in bacterial system"Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.., 2017, 114, (37), 9888.
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3) K. Gonda, M. Watanabe, H. Tada, M. Miyashita, Y. Takahashi-Aoyama, T. Kamei, T. Ishida, S. Usami, H. Hirakawa, Y. Kakugawa, Y. Hamanaka, R. Yoshida, A. Furuta, H. Okada, H. Goda, H. Negishi, K. Takanashi, M. Takahashi, Y. Ozaki, Y. Yoshihara, Y. Nakano and N. Ohuchi, "Quantitative diagnostic imaging of cancer tissues by using phosphor-integrated dots with ultra-high brightness"Sci. Rep.., 2017, 7, (1), 7509.
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13) I. W. Sumardika, C. Youyi, E. Kondo, Y. Inoue, I. M. W. Ruma, H. Murata, R. Kinoshita, K. Yamamoto, S. Tomida, K. Shien, H. Sato, A. Yamauchi, J. Futami, E. W. Putranto, T. Hibino, S. Toyooka , M. Nishibori and M. Sakaguchi, "β-1,3-Galactosyl-O-Glycosyl-Glycoprotein β-1,6-N-Acetylglucosaminyltransferase 3 Increases MCAM Stability, Which Enhances S100A8/A9-Mediated Cancer Motility."Oncol. Res., 2018, 26, (3), 431.
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15) D. S. On, P. Chertchinnapa, Y. Shinkai, T. Kojima and H. Nakano, "Development of a dual monoclonal antibody sandwich enzyme-linked immunosorbent assay for the detection of swine influenza virus using rabbit monoclonal antibody by Ecobody technology."J. Biosci. Bioeng., 2020, DOI:10.1016/j.jbiosc.2020.03.003.

よくある質問

Q

Labeling Kitで1次抗体を直接標識する利点を教えてください。

A

はじめて抗体標識をされる方を対象としたプロトコルを作成しております。
カスタマーサポートの視点から直接標識法の利点や実施例等を記載しておりますので、ご参照下さい。
下記リンクよりダウンロード可能です。
「はじめての抗体標識プロトコル ~カスタマーサポートの視点から~」

Q

サンプル溶液中の共存物は反応に影響しますか?

A

共存物の種類により影響することがあります。
溶液中にどのような物質が含まれるかを確認の上、状況に応じてラベル化に用いるサンプルの精製を行い、標識反応にご使用ください。

<高分子:分子量1万以上>
影響する可能性があります。
高分子でSH基をもつ化合物は、Filtration Tubeでも除くことができません。 そのため標識され、蛍光性不純物として影響します。反応に使用する前に別途精製を行ってください。 一方、SH基を持たない化合物でも、高分子の不純物が多いとフィルターの目詰まりの原因になり、標識・精製操作に支障がでる可能性もあります。
*本製品に限らず他のLabeling kit に関しても同様の注意が必要です。

Q

低分子のタンパク質(分子量50,000以下)に標識する場合の方法を教えて下さい。

A

キット付属のフィルトレーションチューブは分画分子量30Kの限外濾過フィルターのため、余裕をもって50,000以上のタンパク質のご使用を推奨しております。

分子量50,000以下のタンパク質を標識される場合は、下記のような分画分子量の小さい限外濾過フィルターに変更して頂くことで、低分子のタンパク質でもラベル化可能でございます。

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PALL社 ナノセップ  3K 製品No.OD003C33
PALL社 ナノセップ 10K 製品No.OD010C33 
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キット同梱のフィルターを用いた場合に比べ遠心に時間を要することがございますので遠心時間はご検討下さい。

Q

標識後、フィルトレーションチューブを遠心してもメンブレン上に液が残る。

A

(1)メンブレンを目視で確認した際、メンブレンカップの淵にうっすら液が残る程度であれば、次の操作に進んで下さい。
メンブレン上に液が残っていたり、メンブレンカップを傾けて回転させたとき、液が垂れてくるようであれば、さらに遠心を8,000g で15分~30分程度行って下さい。          
(2)1)の遠心操作後もメンブレン上に液が残る場合は、標識体が凝集していないか確認してください。

 抗体やタンパク質自身の性質によりますが、低分子標識剤を標識することで抗体やタンパク質の疎水性が増し、凝集する場合がございます。

標識体に凝集が見られる場合は、一度別のマイクロチューブに移し、遠心し上澄みをご使用ください。(抗体・タンパク質の回収量は低下いたします。)

上記でも解決しない場合は、小社カスタマーサポートまでお問い合わせください。

※フィルターの目詰まりが疑われる場合は、メンブレンフィルターを新しいものに交換すると解決する場合がございます。 
代替品: PALL社製 ナノセップ 30K (メーカーコード:OD030C33)

Q

どのようなものが標識できますか?

A

分子量が「50,000以上」で[S-S]もしくは[SH]を有している化合物(抗体、蛋白質など)であれば標識できます。
量は「50~200 μg」が対象となります。
*キットに添付しているFiltration Tubeのサイズが30Kのため、低分子の化合物は精製できません。

取扱条件

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保存条件: 冷蔵 , 取扱条件: 吸湿注意
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