05 細胞染色用色素

-Cellstain®- Double Staining Kit

-<em>Cellstain</em><sup>®</sup>- Double Staining Kit

細胞二重染色キット

  • 製品コード
    CS01  -Cellstain®- Double Staining Kit
容 量 メーカー希望
小売価格
富士フイルム
和光純薬
1 set ¥46,300 341-07381

キット内容
1 set ・A液:Calcein-AM Stock Solution (1 mmol/l)
 Calcein-AM in DMSO
・B液:PI Stock Solution (1.5 mmol/l)
 PI in H2O
50 μl×4 vials

300 μl×1 vial

性質

- Cellstain®- Double Staining Kit(セルステイン 細胞二重染色キット)は、生細胞染色用蛍光色素Calcein-AM と、死細胞染色用蛍光色素 PI (Propidium Iodide) を組み合わせたもので、生細胞及び死細胞を同時に染色することができる。
 Calcein-AMは、蛍光色素Calceinの四つのカルボキシル基をアセトキシメチル(AM)化して脂溶性を高め細胞膜透過性としたものである。それ自体蛍光を示さないが、生細胞の細胞膜を浸透して細胞内に入ると、細胞内各種エステラ-ゼにより加水分解され黄緑色の強い蛍光を示すようになる。一方、PIは核酸染色色素の一つで、死細胞内に入り込み、細胞内のDNAの二重らせん構造にintercalateすることにより特有の強い赤色蛍光を示す。
 この作用の異なる二つの色素を用いることにより、生細胞は黄緑色に、死細胞は赤色に染め分けることができる。蛍光顕微鏡下の細胞観察はもちろん、フロ-サイトメトリ-、あるいはプレートリーダーを用いた細胞数の計測への応用が可能である。
 このような蛍光色素を利用した細胞染色は、Trypan blueを用いた分染法に代わる高感度な方法として期待される。
 染色条件は、細胞の種類、濃度などの観察条件によって変わるので注意する。条件に応じて、細胞の固定や、試薬濃度の調整など最適条件を検討する必要がある。

技術情報

染色溶液の調製

 A液及びB液を室温に戻す。
 5 mLのPBS(-)溶液にA液10 μL液15 μLを入れる。これを染色溶液とする。このとき、Calcein-AMは2 μmol/L、PIは4 μmol/Lの濃度となる。

蛍光特性

 Calcein-AM : λex=490 nm , λem=515 nm
 PI : λex=530 nm , λem=620 nm

色素の最適濃度

使用するCalcein-AM及びPIの最適濃度は、細胞の種類に大きく依存しているので、使用する細胞毎に最適色素濃度を求める必要がある。以下のようにして、それぞれの細胞毎の最適濃度を求めることを薦める。
1) 目的とする細胞について、0.1%サポニン、あるいは0.1~0.5%のジギトニンで10分間処理するか、70%エタノールで30分間処理することにより死滅させる。0.1~10 μmol/LのPI 溶液にて染色し、細胞質を染めることなく核のみを赤色に染色する濃度域を探し出す。
2) 同様の死細胞を使用し、0.1~10 μmol/LのCalcein-AM溶液にて染色し、死細胞の細胞質を染色しない濃度域を探し出す。更にその濃度域で生細胞が十分染色することを、生細胞を使用して確認する。もし、染色が十分でなければ、濃度を高くして検討する。

注意事項

1) - Cellstain®- Double Staining Kitは、-20℃以下で冷凍して保存してください。
2) 本キットには溶液の入ったマイクロチューブのコンポーネントが含まれています。チューブ内壁やキャップに溶液が付着していることがありますので、開封前に振り落としてご使用ください。
3) Calcein-AMは湿気により加水分解する恐れがあるので、使用後はキャップをしっかり閉じ、水分の吸収に注意してください。
4) 調製した染色溶液はその日のうちに使用してください。Calcein-AMが徐々に加水分解するため、バックグラウンドが上昇し観察しにくいことがあります。PI溶液は冷凍保存すれば1年以上安定です。
5) PI は発癌性の疑いがあるので下記の点を参考にして取り扱いには十分注意してください。
 1. 取り扱い時には手袋・保護眼鏡・マスク等を着用し、接触および吸引しないよう注意してください。
 2. 万一、皮膚に接触した場合は、直ちに大量の水で洗い流してください。
 3. 処理方法
使用した器具の洗浄液などの廃液は、各機関独自の取り扱いガイドラインに従い処理してください。あるいは下記処理方法を参考にして分解後廃棄してください。 
  ・UV 照射や日光にさらし分解する。
  ・次亜塩素酸ナトリウムにより酸化分解後、中和処理する。

※使用方法は、プロトコルをご覧ください。

測定方法

参考文献

参考文献を表示する

1) L. S. D. Clerck, C. H. Bridts, A. M. Mertens, M. M. Moens and W. J. Stevens, "Use of Fluorescent Dyes in the Determination of Adherence of Human Leucocytes to Endothelial Cells and the Effects of Fluorochromes on Cellular Function", J. Immunol. Methods, 1994, 172, 115.
2) E. S. Kaneshiro, M. A. Wyder, Y.-P. Wu and M. T. Cushion, "Reliability of Calcein Acetoxy Methyl Ester and Ethidium Homodimer or Propidium Iodide for Viability Assessment of Microbes", J. Microbiol. Methods, 1993, 17 (1), 1.
3) N. G. Papadopoulos, G. V. Z. Dedoussis, G. Spanakos, A. D. Gritzapis, C. N. Baxevanis and M. Papamichail, "An Improved Fluorescence Assay for the Determination of Lymphocyte-Mediated Cytotoxicity Using Flow Cytometry", J. Immunol. Methods, 1994, 177, 101.

よくある質問

Q

細胞染色色素の励起と蛍光の波長を教えて下さい。

A

*AOはフローサイトメトリーなどでは488 nm励起で観察されることもあります

取扱条件

取扱条件
保存条件: 冷凍,遮光
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