Commercial 新製品
リソソーム内鉄イオン測定試薬
Lyso-FerroRed
<特長>
- リソソーム二価鉄のライブセルイメージングが可能
- 蛍光顕微鏡、蛍光プレートリーダー、フローサイトメーターで検出可能
- 二価鉄への高い選択性
二価鉄イオン(Fe2+)に依存した脂質過酸化物の蓄積により引き起こされる細胞死( フェロトーシス)が Stockwellらに提唱されてから10年以上経過し、これまでにフェロトーシスに関する様々な研究がなされています。遊離したFe2+がフェントン反応により活性酸素を発生させ、脂質が酸化されることから、フェロトーシスは鉄依存性の細胞死であることが明らかになってきています。また最近では、脂質酸化により、リソソームの膜が損傷し、リソソーム中の鉄が漏出することによって、他の細胞小器官へ脂質酸化が広がっていくことが報告されています1)。本製品は岐阜薬科大学ケミカルバイオロジー研究室 平山祐先生ご指導の下、開発中です。
1)K. Yamada et al., Nat. Commun., 2025, 16, 2554.
<原理>
Lyso-FerroRedは細胞内のリソソームの遊離二価鉄を検出することができます。試薬を培養細胞に添加すると細胞膜を透過し、リソソームのFe2+と選択的に反応して強い蛍光を発します。Lyso-FerroRed にはキレート能はなく、Lyso-FerroRed とFe2+は非可逆的に反応するため、Fluo 3 のようなカルシウム蛍光プローブの検出原理とは異なります。

<二価鉄への高い選択性>

【実験条件】
金属イオン濃度:20 μmol/l
Lyso-FerroRed 濃度:2 μmol/l
Buffer:50 mmol/l HEPES (pH 7.2)
反応時間:1 時間
【検出条件】
検出器:蛍光プレートリーダー M200PRO (TECAN)
Ex = 550 nm, Em = 580 nm
金属イオン濃度:20 μmol/l
Lyso-FerroRed 濃度:2 μmol/l
Buffer:50 mmol/l HEPES (pH 7.2)
反応時間:1 時間
【検出条件】
検出器:蛍光プレートリーダー M200PRO (TECAN)
Ex = 550 nm, Em = 580 nm
<実験例:HT-1080 細胞内リソソーム二価鉄の検出>
硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物を用いてHT-1080 細胞に二価鉄を取り込ませ、各方法でリソソームの二価鉄を検出しました。その結果、いずれの検出器においても、二価鉄の取り込みによって細胞の蛍光強度が上がり、二価鉄のキレート剤Bpy(2,2’-Bipyridyl)との併用により細胞の蛍光強度が下がることが確認されました。

品名
容量
希望納入価格(¥)
メーカーコード