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細胞内鉄イオン測定試薬

FerroOrange

 鉄は生体内で最も多く存在する遷移金属元素であり、様々な生理活性を示すことが報告されています。近年、タンパク質非結合型の鉄イオン(自由鉄)としての存在が注目されており、その高い反応性は細胞損傷や細胞死にも関与していることが示唆されています。生細胞内において、細胞内還元的環境、水溶性、トランスポーターの存在等を考慮すると鉄(III)イオン(Fe3+)よりも鉄(II)イオン(Fe2+)の挙動を知ることが重要であると考えられています。
 本製品は、蛍光顕微鏡およびプレートリーダーにて細胞内の二価鉄を簡便に検出することができます。試薬を培養細胞に添加するだけで細胞膜を透過し、細胞内のFe2+と選択的に反応し強い蛍光を発します。(λex = 543 nm、λem = 580 nm)
 FerroOrangeにはキレート能はありません。FerroOrangeとFe2+は非可逆的に反応するため、Fluo-3のようなカルシウム鉄プローブの検出原理とは異なります。

<蛍光顕微鏡によるイメージング例>

 HeLa細胞を用いて、細胞内に内在するFe2+および鉄キレート試薬Bpy(2,2’-bipyridine、終濃度:100 μmol/l)と鉄(硫酸アンモニウム鉄(II) 、終濃度:100 μmol/l)の添加有無により、細胞内のFe2+の変化をFerroOrangeにより確認した。鉄キレート試薬を添加することで無刺激の細胞に比べ蛍光強度が低下したことから、細胞内には内在性のFe2+が存在することが確認できた。

※本製品は、岐阜薬科大学薬化学研究室 永澤秀子先生、平山祐先生のご指導の下、製品化しました。


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