免疫染色用青色蛍光基質
CLAMP F405-Signal Boosting
- 従来の蛍光免疫染色法よりも高感度(10-100倍程度)
- さまざまなサンプルに適用可能
- 特定の抗原を発現している細胞のみを染色することが可能
近年、細胞表面抗原を標的としたがん治療や診断が注目され、がん細胞や免疫細胞などの細胞表面抗原の研究が盛んになっています。細胞表面タンパク質の特異的な検出方法として、蛍光標識抗体を用いた蛍光免疫染色法が広く知られていますが、細胞表面タンパク質には発現量が少ないものも多く、従来技術では感度が低く、適用対象が限られています。小社はこれらの課題を解決するために、高感度蛍光免疫染色法CLAMP※法を開発しました。
<原理>
本製品では、細胞表面タンパク質に対する一次抗体、β-Galactosidase(βGal)標識二次抗体、およびβGalの蛍光基質CLAMPF405(無蛍光)を使用します。細胞表面タンパク質を介して細胞表面にβGalが存在すると、この蛍光基質が反応して、キノンメチド構造を有する化合物を生成します。この反応生成物は細胞膜透過性を有しているため、細胞内に入り込み、細胞内のチオールやアミノ基など(Nu:求核剤)と反応して共有結合を形成し蛍光を発します。この反応は抗原の量に依存したβGalの存在により進行し、蛍光色素が細胞内に蓄積するため、細胞表面タンパク質特異的かつ高感度に細胞を蛍光染色することが可能となります。
<蛍光標識二次抗体法よりも高感度>
A549細胞表面に存在するCD44をCLAMP法または蛍光標識二次抗体法により検出しました。その結果、本法は蛍光免疫染色法よりも高感度に検出できることが確認されました。
<さまざまなサンプルに適用可能>
本製品は下記のサンプルに適用可能です。
<実験例: 特定抗原を発現している細胞の染色>
免疫チェックポイント阻害剤の標的分子の一つであるPD-1をCLAMP法または蛍光標識二次抗体法で染色し、フローサイトメーターで測定しました。蛍光免疫染色法に比べ、CLAMP法では高い蛍光シグナルが得られることが確認されました。
(※) 本製品は九州大学の片山佳樹先生から技術指導、情報提供いただき開発した製品です。
※<使用回数の目安> 96wellプレート 1枚分