【新製品】シスチン取り込み検出キット

Cystine Uptake Assay Kit

　シスチン・グルタミン酸トランスポーター（xCT）は、主に細胞外液のシスチンと細胞内のグルタミン酸を 1 対 1 で交換輸送するアミノ酸トランスポーターです。xCT を介して取り込まれたシスチンは、抗酸化物質であるグルタチオンの原料として利用され、細胞内の酸化ストレス応答に重要な働きをしています。近年 xCT は、がん、神経変性疾患、免疫との関連で注目されています。特にがん幹細胞において xCT が高発現していることが分かり、xCT 阻害剤は新たながん治療薬として期待されています。
　小社では Cystine Analog (CA) として Selenocystine を用いた新規の xCT 活性測定法を開発しました。この CA は、シスチンと同様に xCT を経由して細胞内に取り込まれ、CA と特異的に反応する蛍光色素 FOdA を用いることで検出することが可能です。
本キットは細胞のシスチン取り込み能力の測定だけでなくマイクロプレートを用いた多検体処理が可能なため、薬剤スクリーニング等にも有用です。

＜測定原理＞

＜野生型細胞とxCT KO 細胞のシスチン取り込み能の比較＞

xCT KO 細胞では、ほとんどシスチンの取り込みは観察されなかった。

※ U251 wild-type 及び xCT knockout 細胞は京都大学 加藤裕教先生にご提供いただきました。

［参考文献］

1） T. Shimomura et al., “Simple Fluorescence Assay for Cystine Uptake via the xCT in Cells Using Selenocystine and a Fluorescent Probe”, ACS Sens, 2021, 6(6), 2125-2128.