<特長> |
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Liperfluo は、過酸化脂質により特異的に酸化されエタノール等の有機溶媒中で強い蛍光を発します。本試薬は、ジイソキノリン環の片方にテトラエチレングリコール基が導入されたもので、小社製品の Spy-LHP よりも水系バッファー中での分散性が向上しています。また Liperfluo 酸化体は水中ではほとんど蛍光を発しませんが、細胞膜等の脂溶性の高い部位では蛍光性となることから、生細胞の過酸化脂質のイメージングやフローサイトメトリーによる細胞の過酸化脂質量の分析に使用することができます。
< 反応特異性 >
< 実験例 >
過酸化脂質とフェロトーシス
細胞死メカニズムの一つとしてフェロトーシス(Ferroptosis)が注目されている。フェロトーシスは、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPX4)の活性が下がることで、細胞内のリン脂質が酸化され過酸化脂質として蓄積され引き起こされることが知られている。Kagan らは、脂肪酸アシルの arachidonoyl と adrenoyl の過酸化がフェロトーシスの引き金になることを発見した。この様な細胞内脂質の過酸化が細胞死シグナルとして近年見出されてきている。詳細は下記論文を参照ください。
V. E. Kagan et al., “Oxidized arachidonic and adrenic PEs navigate cells to ferroptosis”, Nature Chemical Biology., 2017, 13, 81.