お知らせ

九州大学-同仁化学組織対応型連携に関するお知らせ

 九州大学と小社は、九州大学での優れた研究成果を迅速に実用化することを目的に組織対応型(包括的)連携契約を締結しております。下記の技術に関して実用化を検討しております。これらにご興味がございましたら小社までお問い合わせ下さい。

No.010 PKCα特異的阻害剤ペプチド

   従来、ペプチドをはじめ、種々のPKC阻害剤が有るが、PKCαに特異的なものは存在しなかった。PKCαはガンなどにおいて他のPKCと全く異なる挙動を取り、発ガンに極めて重要なシグナルであることが分かってきている。したがって、PKCα特異的な阻害剤は非常に有用な物質であると考えられる。

 九州大学では、種々のPKCサブタイプに特異的な基質ペプチドを開発する中で、これまでに存在しなかったPKCαに特異的な阻害ペプチドを見いだした。この阻害剤ペプチドは、PKCα、あるいはそれが深く関与するガンの研究に有用であると考えられる。

No.011 脂質膜局在型ヒドロキシルラジカル計測用蛍光試薬

  ヒドロキシルラジカルは活性酸素種の中でも特に反応性が高く、様々な生体分子と速やかに反応して酸化的損傷を与える。ヒドロキシルラジカルが関与する反応は多様であるが、この中でも特に重要なものに連鎖的脂質過酸化反応の開始反応がある。しかしながら、現存するヒドロキシルラジカル計測用蛍光試薬はいずれも水溶液中(細胞質中を含む)でのヒドロキシルラジカル計測を意図して開発されており、上記脂質過酸化反応のような細胞膜におけるヒドロキシルラジカルの挙動を捉える目的に適してはいない。

 九州大学では、優れた細胞膜局在性を示すヒドロキシルラジカル計測用蛍光試薬を開発した。脂質過酸化反応のような細胞膜中におけるヒドロキシルラジカルの活性を適切にモニタリングするための有用な新規試薬としての使用が期待できる。

No.012 シグマ受容体を認識するMRI造影剤

 シグマ受容体は、ドーパミン受容体のひとつで、主として中枢神経系に発現している。一方、最近になり乳ガンなどのある種のがん細胞では、シグマ受容体が高発現していることが明らかになってきている。

 九州大学では、シグマ受容体特異的なMRI造影剤を開発した。本造影剤はシグマ受容体を発現するがん細胞だけを特異的に造影できる可能性があり、がんの診断や研究、精神病や脳疾患の研究に応用できるものと期待される。