両親媒性高分子:ナノ組織体の構築と機能
(Nano-Organized Systems of Amphiphilic Polymers)

秋吉 一成
(Kazunari AKIYOSHI)

京都大学大学院工学研究科
合成・生物化学専攻


Abstract
Associating polymers such as hydrophobized polymers show unique properties by self organization in water. Hydrophobized polysaccharides, for example, which are partly substituted by hydrophobes such as long alkyl groups or cholesterol, from nanoparticles by self-assembly in dilute aqueous solution. In semi-dilute region, the polymers from a hydrogel. The size and density of the nanoparticle or rheological properties of the hydrogel are controlled by changing the substitution degree of the hydrophobes and the hydrophobicity. Additives such as surfactants and cyclodextrins affect the association of the polymer. The nanoparticle of the hydrophobized polysaccharide binds various soluble proteins. The hydrophobized polymers also interact with other molecular assemblies such as monolayers, liposomes, oil-in-water emulsions and cells. Such nano-organized systems are utilized in biotechnology and medicine.

キーワード:
両親媒性高分子、会合性高分子、疎水化高分子、疎水化多糖、ナノ微粒子、ゲル、蛋白質、シャペロン、リポソーム、o/wエマルション


1.はじめに

 両親媒性化合物を水溶液中に分散させると、自発的に分子が会合し、様々な集合体を形成する。例えば、SDS などの比較的低分子の界面活性剤が水溶液ミセルを形成すること、また天然由来脂質や種々の合成脂質が2分子膜を基本とした会合体を形成することはよく知られている。近年、機能性両親媒性分子が、数多く設計され、そのナノ組織体の機能が活発に研究されている。
 両親媒性物質が、高分子である場合を考えよう。非常に高度な機能を発現している両親媒性高分子の代表的な例は、生体高分子である。例えば、蛋白質のように疎水性と親水性のモノマー(アミノ酸)が交互またはブロック的に重合したもの、核酸のようにモノマー単位に親水性部位(糖とリン酸)と疎水性部位(核酸塩基)両方を有したもの、また細胞壁を形成するリポ多糖のように水溶性の高分子(多糖)に部分的に疎水性の長鎖アルキル基が結合したものなどが挙げられる。生体系では、両親媒性の特性とその他の弱い相互作用をうまく利用して、高分子の二次構造形成やコンパクトに折れ畳まれた三次構造形成、さらにこれら生体高分子間の会合および解離を制御している。その結果、様々な機能が巧みに制御され、生命現象が円滑に営まれている。
 水中での両親媒性高分子の会合の制御は、人工系でどこまで可能であろうか。近年、新規合成法の開発とナノオーダー領域の解析手段の発達により、様々な構造を有する両親媒性高分子が合成、解析されるようになってきた(Fig.1)1〜3)。両親媒性ブロック共重合体は、構造からも予想されるように一般的には、コアーシェル型の高分子ミセルを形成する2)。また、最近、デンドリマー部位を親水基とするポリスチレン−デンドリマーブロック共重合体で、親水部の大きさを系統的に変化させた PS-dendr-(NH2)n が合成され、その会合挙動が調べられた5)。疎水性部位に比べて、親水性頭部が大きくなるにつれ、PS-dendr-(NH2)8ではベシクル構造、PS-dendr-(NH2)16では、棒状ミセル、また、PS-dendr-(NH2)32は球状ミセルを形成した。高分子系でも、サイズに違いがあるものの、疎水部と親水部のジオメトリー変化によって低分子界面活性剤系と同様な会合形態変化が生じることが明らかにされた。
 一方、蛋白質のコンパクトなフォールディング構造のモデルとしての興味からも、疎水性モノマーと電解質モノマーからなる両親媒性ランダム共重合体も古くから研究されてきた。1950年代に、Strauss らにより4-ビニル-N-エチルピリジニウムと4-ビニル-N-ドデシルピリジニウムからなる両親媒性の共重合体が合成された6)。粘性挙動からドデシル基が高分子中30mol%以上含有したものは、分子内でミセルを形成していることが示唆された。その後、酵素類似機能の観点から活発に研究され、機能性ポリマーミセルの疎水場を利用した加水分解触媒系や光合成モデル系が開発され、数多くの興味ある知見が得られた7)。最近になって、会合体の構造解析が進み、森島らは、かさ高い疎水基であるアダマンチル基やシクロドデシル基を50mol% 有するアクリルアミド系の両親媒性高分子電解質(分子量約50万)では、高濃度においても分子内でコンパクトに自己組織化したユニマーミセルを形成することを種々の実験により証明している2)
 両親媒性高分子中の疎水基の含量が、さらに少ない疎水化高分子も近年注目されている。水溶性高分子にほんのわずかな疎水基(通常5wt%以下)を化学修飾した疎水化高分子は、粘性などの溶液物性が、ホモポリマーに比べて大きく変化することがわかった1)。この種の高分子は、会合性高分子とも呼ばれ、増粘剤としてペイント、食品、化粧品など産業界で幅広く利用されている。しかし、その会合挙動に関する基礎研究がはじまったのは比較的最近のことである。また、会合性の高分子溶液の理論的取り扱いも行われるようになってきた4)
 本稿では、水溶性高分子に部分的に疎水基を導入した疎水化高分子:会合性高分子に着目し、疎水基の導入による高分子の会合制御と疎水化高分子の複合体形成能とその応用について、筆者らの最近の研究を中心にまとめた。他の両親媒性高分子の興味ある挙動については、最近書かれた総説を参照されたい2)


2.疎水化高分子の会合挙動

 疎水化高分子の主鎖水溶性高分子としては、ハイドロキシエチルセルロース等の多糖類、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸およびポリイソプロピルアクリルアミドなどが報告されている1,2)。疎水部としては、長鎖アルキル基が多く用いられ、導入位置によりグラフト型疎水化高分子と両末端のみに疎水基が導入されたテレケリック型疎水化高分子に分けられる(Fig.1)
 疎水化高分子の水中での一般的な会合挙動は、以下のように考えられる。希薄溶液中では、分子内で疎水基が自己会合した構造をとる。ポリマー間の相互作用が無視できなくなる濃度になると分子間会合がおこる。この時に、粘度の急激な上昇がみられる。この性質が、増粘剤として利用される所以である。さらに、濃度が高くなると相分離による沈殿やゲルが生じる(Fig. 2)。疎水基の会合挙動は、主鎖ポリマーの構造、分子量、疎水基の構造に依存して大きくかわることが予想される。従来までは、増粘剤としての応用的観点から、準濃厚溶液の粘性挙動が注目され、その複雑さと解析の難しさもあって希薄水溶液中の会合体の構造と機能を系統的に行った研究は少なかった。
 筆者らは、低分子の疎水性分子の会合特性(自己組織性)を利用することで、高分子主鎖の会合やコンフォメーションを積極的に制御することを考えた。本来の高分子の特性を残すために、疎水性残基が高分子鎖のほんの一部分しか置換(5 wt % 以下)されていない疎水化高分子に着目した。部分置換のために、疎水部の会合がおこると主鎖高分子の折り畳みが生じ、微粒子形成や二次構造の誘起などの特有なコンフォメーション変化が可能となり、新規機能発現が期待できる。疎水性部位の構造を任意に選択することで、主鎖高分子の特性を制御しえると考えられる。この様子は、ポリペプチドの折れ畳みによる蛋白質の形成によく似ている。天然多糖類やポリアミノ酸に、種々の疎水基を部分的に導入した疎水化高分子を合成し、その会合挙動を検討した。

2.1 疎水化多糖の自己組織化によるナノ微粒子形成
 多糖類の多くは、物理的、化学的架橋により水中で容易にゲル化する。また、疎水性相互作用およびヒドロキシル基との水素結合等により種々の物質と特異的に相互作用しえることから、バイオテクノロジー分野で幅広く利用されている興味ある素材である。疎水基としては、より強い会合力を期待して、疎水性の高いコレステロール基を有するものを含め、一本鎖および二本鎖アルキル基など、種々の疎水性、構造を有するものを選んだ。非イオン性の水溶性多糖プルラン(分子量 3.5,5.5,10.8万)に100単糖当たり1〜4個置換した種々の疎水化多糖類を合成した(Fig. 3)8〜12)
 希薄条件下、この疎水化多糖(0.1〜0.5 wt %)を水に分散させ、超音波照射すると透明な溶液が得られた。また、疎水化多糖の良溶媒であるジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解したのち、水によって透析することでも透明な溶液が得られた。その会合状態をゲルクロマトグラフ法により調べたところ、サイズ分布が比較的狭い会合体を形成していることを見いだした。特に、コレステロール基置換プルラン(CHP)の集合体は、90℃ 以上で加熱し、冷却した後でも凝集、沈殿はほとんどみられず、非常に安定であった。電子顕微鏡観察、動的光散乱測定の結果から、比較的単分散な球状のナノ微粒子が形成していることが確認された。
 微粒子が、何分子の疎水化多糖から形成されているかを知るために、静的光散乱法による分子量測定を行った。結果をTable1にまとめた。分子量5.5万のコレステロール置換体(CHP)の場合、約10分子が会合して微粒子(粒径 15 〜 25 nm)が形成されていた。また、疎水基の置換度が増加すると粒径の小さい会合体がえられる傾向にある。それでも、その会合数はほとんど変化しなかった。微粒子中の糖鎖密度をその粒径と会合体の分子量から計算すると置換度の増加とともに10 wt %から50 wt %と増加した。この値は通常のマクロなアルギン酸ゲルやアガロースゲルの場合とほぼ等しい。このことは、微粒子がナノサイズのヒドロゲルであることを示している。アルキル置換体(ALP)でも同様な微粒子がえられているが、その密度(2〜9 wt %)は、CHPよりも小さかった。
 微粒子の内部構造はどうなっているのだろうか。疎水性会合領域の微粒子中での数、分布および会合数を正確に知ることは、現在の測定法を駆使してもそうたやすいことではない。界面活性剤系やポリソープ系での疎水基の会合数を決定する方法として知られている蛍光消光実験法を適用して、疎水性会合領域中の疎水基の会合数を見積もった12)。その結果、置換基の会合数は、CHPでは、約4〜5、ALPでは11〜17となり、その値は置換度にあまり依存しなかった。疎水性会合領域の流動性を、蛍光プローブ法によって調べた。流動性は、置換基の疎水性の程度に依存しており、アルキル鎖の長いほど、またアルキル基よりもコレステロール基のほうが安定で強固な会合体領域を形成していた。また、二本鎖を有する疎水化多糖の疎水性領域の流動性の温度依存性に、屈曲点を有することから、その疎水性領域は、二分子膜構造を形成している可能性が示唆された。
 以上のことを総合すると、疎水化多糖集合体は、疎水基の会合領域をゲルの架橋点とするヒドロゲルナノ微粒子であるといえる。CHP微粒子では、ひとつの微粒子中に架橋点は、9 〜 15 個存在し、コレステロール置換度が増加すると、微粒子中の架橋点が増え、架橋領域間つまりヒドロゲル網目の小さな微粒子が形成する(Fig.4)。一方、ALP微粒子一個あたりの架橋領域の数は 3 〜 4個とCHP微粒子と比べて少なく、架橋領域の流動性も高く比較的柔らかい微粒子がえられることがわかった。このように、疎水基の置換度、構造を変えることで、微粒子の粒径、糖密度、疎水性および疎水性領域の分布を制御できることが明らかになった。
 これまでにも種々の方法で高分子ナノ微粒子がつくられ、工学、薬学、医学分野で幅広く利用されているが、50nm以下の単分散なヒドロゲル微粒子で、しかも内部構造が比較的よく解析された例は少ない。両親媒性高分子としての特性を利用することではじめて可能になったものといえる。微粒子形成後に化学架橋を行えば、より安定なナノ微粒子が得られるだろう。本手法は、疎水化高分子の自己組織化を利用した新しいヒドロゲルナノ微粒子の調製法として有用であろう。

2.2 疎水化多糖のナノ微粒子への物質の取り込み
 コレステロール置換プルラン(CHP)から形成される、両親媒性のヒドロゲルナノ微粒子の内部ミクロ環境を蛍光プローブ法により調べた。多糖類は、シクロデキストリンにみられるように、親水性と疎水性の両面をもち、多くの不斉点を有する興味ある高分子である。プルラン自身も、弱いながらも疎水性の蛍光プローブと結合しえることが報告されている。疎水化多糖の集合体では、糖鎖が疎水基の会合にともなってコンパクトに折り畳まれていることが、光散乱の結果から明らかになっており、特異なミクロ環境を提供しえる可能性がある。事実、蛍光プローブ法による実験から、コレステロール基に由来する疎水性領域のみならず、糖鎖領域での結合部位の存在が示唆された8)。また、アドリアマイシン等の疎水性の薬物やポルフィリンなどの比較的大きな物質も取り込んだ13)
 ビリルビン(BR)(1)は、不斉の場の存在を示すプローブとしてよく使われる。CHP集合体との相互作用を調べたところ、顕著な誘起CDが観測され、CHP 集合体が不斉を認識する場を提供し得ることもわかった9)。この場合は、糖鎖との水素結合が不斉誘起に重要な寄与を果たしている。同一条件下、単純プルランでは取り込みも不斉誘起もほとんど見られないことから、疎水性化による糖鎖の集合効果によって、特異なミクロ不斉場が誘起されたものと考えられる。

2.3 疎水化ポリアミノ酸の会合による2次構造の誘起
 水溶性高分子へのコレステロール置換によるナノ微粒子形成の一般性を確かめるためと会合にともなう主鎖高分子の二次構造変化を調べるために、様々な二次構造を形成しえる高分子電解質としてポリアミノ酸に着目した14)。ポリ−L−リジンに多糖の場合と同様にコレステロール基を100リジンあたり1〜6個導入した疎水化ポリアミノ酸を合成した(Fig.5)。疎水化ポリアミノ酸も、水中で超音波処理により、ナノ微粒子を形成した。会合体形成にともなう二次構造変化をCDスペクトル法により調べたところ、通常ヘリックス形成がみられない中性pH領域においてヘリックス形成が誘起されていることがわかった。また、ヘリックス含量は、コレステロールの置換度によって制御可能で、その置換度の増加とともにヘリックス含量が増加した。蛋白質の折れ畳形成過程と関連して興味深い結果である。

2.4 機能性疎水化多糖
 疎水化多糖の糖鎖部分に種々の機能性因子を導入することにより、機能性微粒子を調製しえる。例えば、CHP にガラクトースなどの細胞親和性糖鎖15)、ポリエチレンオキシド(PEO)10)さらに熱応答性を付与するために室温付近に曇点を有するプルロニックポリマーをグラフト化した疎水化多糖16)を合成した(Fig.6)。これらは、すべてナノ微粒子を形成した。細胞親和性微粒子およびPEO鎖を外表面にもつ微粒子は、薬物運搬体としての有用性を実証しつつある。また、熱応答性微粒子は、プルロニック鎖の曇点以下では、通常の疎水化多糖と同様な物質取り込み機能を有していたが、曇点以上では、物質の放出が誘起された。CHP 誘導体は数分子が会合して、ヒドロゲル微粒子を形成するが、この自己組織化能を利用して、種々の疎水化多糖を任意に混合することで、ハイブリッドナノ微粒子の調製も簡単に行える。


3. 疎水化高分子のゲル化挙動

 疎水化高分子の水中での濃度が高くなるとヒドロゲルを形成する場合がある。一度、稀薄水溶液中で、超音波処理により調製した疎水化多糖微粒子水溶液を、凍結乾燥して得た凍結乾燥粉末は、容易に水に分散し、超音波処理せずとも凍結乾燥前と同様な微粒子が得られた。この微粒子粉末(CHP)を、約3 wt %以上の濃度で水中に分散すると、マクロなゲルへと変わった17,18)。電子顕微鏡観察により、微粒子がつながったようなヒドロゲル構造であることがわかった。希薄溶液中では、加熱によっても安定である微粒子が、その濃度の増加とともに、つまり溶液中に占める微粒子の数が増加するにつれ、微粒子間での高分子鎖の絡み合いが生じ、溶液全体がゲルへと転移したものと考えられる。多糖だけでは、ゲル化はみられないことから、マクロなゲルにおいても疎水性会合領域が架橋点になっているといえる。
 疎水化多糖微粒子は、その内部に疎水性物質を取り込み、後に述べるが、蛋白質、リポソーム、エマルションとも複合体を形成しえることから、これらを組み込んだハイブリットゲルを容易に調製することが可能で、幅広い応用が期待される。最近、筆者らと同様なコンセプトで、リポソーム、エマルションおよび細胞懸濁液をゲル化させるテレケリック型疎水化高分子が報告されている19)。ポリエチレンオキシドの両末端にコレステロール基を導入した会合性高分子は、コレステロール基のアンカー効果によってベンクルが架橋され、ベンクル溶液をゲル化させることに成功している(Fig.7)
 このテレケリック型疎水化高分子自身でも興味あるゲルを形成する20)。PEO鎖の両末端にパルミトイル基を導入した疎水化PEOは、ループが花びら状にひろがったロゼッタミセルを形成し、疎水基の会合数は20前後と報告された。ポリマー濃度を増加していくと、ミセル間で架橋が生じ粘度が増加し、最終的にはゲル化する(Fig.8)。この物理架橋ゲル、言い換えれば非共有結合性の会合領域を架橋点とするゲルの特徴は、その粘度のshear依存性である。強いshearによって疎水性の会合架橋が切断されて急激に粘度が低下する。またこのゲルは、面白いことに比較的単一な緩和過程を有するマックスウェル型に近い粘弾性挙動を示した20)。筆者らの疎水化多糖微粒子を基本としたゲルにおいても、協同的な緩和過程が観察された。この緩和過程は、疎水基の構造をかえることで制御しえることがわかってきた18)。このようなレオロジー挙動は、テレケリック型疎水化高分子においては、幾つかの系で報告されていたが、グラフト型疎水化高分子では、筆者らの系がはじめての例である。内部構造、ゲル化点が比較的均一なナノ微粒子を基本としたゲル構造に起因しているのかもしれない。疎水化高分子によるゲル形成に関する研究は、基礎と応用の両面から今後も注目されると思われる。


4.疎水化高分子の会合の可逆的制御

 生体系では、水中で高分子間の会合を巧みに制御することで、高度な機能発現をあたりまえのように行っているが、人工系ではそうたやすいことではない。前節では、水溶性高分子に導入する疎水基の構造、置換度を選択することで、その会合体微粒子の構造、ゲル化を制御しえることを述べた。ここでは、機能性高分子による会合制御および外部因子による会合制御の例を紹介する。
 
4.1 外部刺激による会合制御
 熱応答性のポリイソプロピルアクリルアミド(PNIPAM)にオクタデシルのアルキル鎖を導入した疎水化高分子(2)は、PNIPAMの曇点以下の温度では、分子間で会合した半径 40〜60 nm の微粒子を形成することが確認されている21)。曇点以上の温度では、PNIPAMの脱水和による高分子鎖の収縮とそれにともなう微粒子間での会合がおこる。しかし、曇点以下ではまたもとの微粒子が形成した。このように、熱応答性高分子を用いることで、微粒子間の会合が可逆的に制御しえる。
 また、疎水化ポリアクリル酸(3)の会合体では、pHおよび塩濃度により、その会合の凝集が制御しえることも報告されている22)

4.2 分子認識による会合体形成の制御
 会合体微粒子自体の崩壊と形成を可逆的に制御しえるだろうか。疎水化多糖の場合を考えよう。微粒子形成の駆動力は、疎水基の疎水性相互作用である。事実、疎水基および多糖に対して良溶媒であるDMSO中では、疎水化多糖は溶解して、微粒子は崩壊するが、水中で透析するともとの微粒子が再生される。水−DMSOの比率を変えて、会合体形成能を調べたところ、水含量が40%をこえると会合体が形成されはじめることがわかった8)
 シクロデキストリン(CD)は、水中で種々の疎水性化合物と包接錯体を形成し、可溶化することが知られている。そこで、先に述べた疎水化多糖の集合体に疎水基に対して過剰のCDを添加したところ、すみやかに会合体は崩壊した。さらに、ここにCDとより強く相互作用しえるアダマンタンカルボン酸を加えると、もとの微粒子が可逆的に再生された。アダマンタンカルボン酸とCDとの選択的な包接錯体の形成により、コレステロール基が追い出され、会合体形成の引き金になったものといえる。このように、CDとのホストーゲスト相互作用を利用することで、疎水化高分子の会合を制御しえることがわかった。

4.3 界面活性剤による会合制御
 疎水化高分子の疎水性部位と相互作用しえる低分子界面活性剤の添加によっても、疎水化高分子の会合挙動は大きくかわる。この点は疎水化高分子の増粘剤としての利用と関連して、比較的多くの研究がなされている1〜3)
 一般に、界面活性剤を添加することにより、疎水化高分子の疎水性基と界面活性剤との混合ミセルが形成し、それを架橋点としたネットワーク形成により、粘性が増大する。疎水化高分子の濃度が高いときには、ゲル化を誘起する場合もある。さらに、界面活性剤濃度が高い場合には、高分子中の疎水基は、ほぼ低分子界面活性剤ミセルに可溶化され、高分子主鎖にミセルが団子状(pearl necklace model)につらなったようなのびた構造をとり、分子間でのミセルは崩壊して粘性は低下する(Fig.9)。界面活性剤の濃度によって、ゾルーゲル転移および高分子集合体の崩壊を制御しえることになる。また、温度によってラメラ相からミセル相に変化し、会合体の大きさが顕著に変化するようなノニオン性の界面活性剤(oligoethylene glycol monododecyl ether)を用いることで、粘性の温度による制御も報告されている22)


5.疎水化高分子と蛋白質との相互作用

 疎水化高分子と蛋白質などの生体高分子との相互作用を系統的に調べた研究はほとんどなかった。2節に述べたように、疎水化多糖集合体は、ナノオーダーサイズの網目を有するヒドロゲル微粒子であり、この網目のサイズは蛋白質のサイズに相当している。そこで、種々の水溶性蛋白質との相互作用を調べたところ、特に安定な微粒子を形成するCHP集合体が、蛋白質を選択的に取り込む現象を見いだした23〜27)

5.1 疎水化多糖集合体と蛋白質との複合体形成
 種々の球状蛋白質と先に述べたCHP集合体を室温で混合することにより温和な条件下で、蛋白質が結合した複合体微粒子が単離された。CHP集合体は、過剰の蛋白質の存在下でさえその構造は変化せずに安定で、蛋白質のホスト高分子として機能しえることがわかった。また、蛋白質はCHP集合体微粒子表面へ単に吸着しているのではなく、ヒドロゲルマトリックス内部へ包接されている事も示唆された。(Fig. 10) 蛋白質初期濃度の増加とともに、その結合量は飽和挙動を示し、蛋白質の分子量に応じて決まった数の蛋白質としか結合しなかった。低分子のホスト−ゲスト系と同様に、Klotz プロットにより蛋白質の結合量、結合定数を見積もることができた(Table 2)
 複合体形成は、蛋白質の分子容、疎水性等に大きく依存した。例えば、分子量が小さいインスリン(Ins)では、混合後数分以内で取り込みが平衡に達するが、BSA などの比較的大きな蛋白質は、平衡に到達するのに数時間以上も要する。また、ホスト微粒子の構造も蛋白質との会合挙動に大きな影響を与えた。コレステロール置換度を下げることによりヒドロゲルの網目を大きくすると平衡到達は速くなり、結合定数も増加する。架橋密度の高いCHP微粒子では、Insを最大10分子とりこむが、架橋密度の低いALP微粒子では、最大2分子しか取り込めない。また、一分子のBSAを取り込むのにCHP微粒子では、数時間もかかるのに対して、ALP微粒子では5分以内で平衡に達した。このように、微粒子の架橋度、疎水性を変えることで蛋白質の取り込みを制御しえることから、両親媒的なヒドロゲル網目構造が蛋白質包接に重要であることがわかった。
 BSAとの複合体形成の速度論的解析を行ったところ、CHP集合体微粒子表面への蛋白質の吸着による比較的速い前平衡過程とその後の蛋白質の構造変化を伴うゆっくりとしたヒドロゲル内部への包接過程の二段階で複合体形成が進行していることが明らかになった26)
 CHP集合体への結合により蛋白質はある程度構造変化を受ける。その構造変化は蛋白質自身の特性に由来する。CDスペクトル測定により結合蛋白質の構造変化を調べた。BSAはもともとヘリックス構造を60%程度有するが、複合化によりそれが44〜55%まで減少した。一方、α-キモトリプシン(Chy)のヘリックス含量は9%であるが、結合後は29%に増加した。Insのような小さな蛋白質はあまり構造変化を受けない。また、リパーゼでは見かけ上大きな構造変化を受けず、複合体形成後でも酵素活性をほぼ100%保持していた。
 蛋白質包接の駆動力は何か。球状蛋白質表面は一般に親水性および疎水性両領域がパッチ状に存在しており、その蛋白質固有の両親媒性の顔を有している。一方、ヒドロゲル微粒子内部は、疎水性のコレステロール架橋領域と親水性の糖鎖領域で形成され、そのポア内部は多くの水で満たされている。この両親媒性の特性およびゲルの網目構造が蛋白質の包接に適した環境を提供していると思われる。高感度滴定型カロリメーターを用いて、CHP−BSA複合体形成における熱力学パラメーターを求めたところ、複合体形成はエンタルピー支配である事がわかった27)。多糖自体は電荷をもたない中性であることを考えると、静電的相互作用よりはむしろ蛋白質とCHPの糖鎖間の直接あるいは水分子を介した水素結合の形成が複合体形成の主因子であると考えられる。
 このような挙動は、高分子におけるホストーゲスト系といえるもので、異種高分子間の会合をナノスケールで制御しえたことになる。

5.2 蛋白質の安定化
 一般に蛋白質は化学的変性や熱変性をおこし、それに続いてしばしば不可逆的な凝集をおこす。非常に凝集しやすいInsでさえ、CHP集合体への結合によりPBS中37℃で1ヶ月以上放置しても凝集は認められなかった。また一般にCHP−蛋白質複合体を90℃ 以上で数時間処理しても、複合体はもとより蛋白質の会合および遊離はほとんど見られなかった26)。CHP集合体との複合化により、蛋白質分子間での凝集が抑制されるのみならず蛋白質自身の二次構造も熱に対して非常に安定化さていることがわかった。また、通常、蛋白質が完全にアンフォールディングするような9M尿素の存在下においても、CHP集合体に結合した蛋白質は、ほぼ添加前の二次構造を保持していた26)。最近、疎水化ポリアクリル酸を膜蛋白質の安定化剤として利用した報告もなされている28)

5.3 蛋白質の疎水化多糖微粒子からの放出制御
 このように強く包接された蛋白質を再び解離させることが可能であろうか。 以下の手法により、複合体微粒子からの蛋白質の取り出しが可能である。(a)より大きな結合定数を有する他の蛋白質との交換反応、(b) 加水分解酵素による多糖部分の分解、(c) 先に述べたシクロデキストリンによる多糖集合体の集合特性の変化の利用。例えば、Chy包接体およびIns包接体に、BSAを添加するとChy、Insがバルク水相に放出された。BSAとの交換反応により、包接されていた蛋白質が追い出されていることがわかった。しかもこの遊離したChyは、複合体形成前の酵素活性をほぼ100%回復していた。つまり、包接によりいったんコンフォメーション変化を受けたにも拘わらず、微粒子からの放出過程で再びネイティブな状態に完全に戻ったことになる23)。この現象の発見が、次に述べるシャペロン類似機能発現へとつながった。また、生理活性蛋白質や抗体などを、複合化して保存しておき、必要なときに、遊離試薬を添加して蛋白質を取り出して使用するようなナノカプセルとしての利用も可能であろう。

5.4 シャペロン類似機能
 遺伝子操作で大腸菌内で作られた蛋白質の多くは、その巻き戻りの過程でインクルージョンボディーといわれる凝集体を形成する。目的の蛋白質を得るために、凝集体を一度塩酸グアニジンなどの変性剤で変性可溶化し、その後希釈することにより巻き戻りを行わせるが、その際の収率は決して満足のいくものではない。生体系では、ポリペプチド鎖の合成に引き続く折れ畳や酵素の不可逆的な熱変性の抑制に関与している分子シャペロンといわれる一連の蛋白質が存在している29)。シャペロンの利用により、インクルージョンボディーからの巻き戻りの効率を向上しえることが確かめられている。しかし、シャペロン自体の入手が容易ではなく、より一般的手法の開発が望まれている。
 シャペロニン(HSP60)ファミリーは最もよく研究されているシャペロンであるが、細胞の細胞質に存在するものは、分子量約6万のサブユニット(GroEL)7個からなるリングが二重になったダブルドーナッツ構造(直径約13〜14 nm)を形成し、さらに幾分小さなサブユニット(GroES)からなるドーナッツが片方の穴を塞いだ構造をしている(Fig. 11)。このシャペロニンは、その内部空洞内に蛋白質を可逆的に包接でき、蛋白質の高分子ホストとして機能している。一般に、シャペロニンによる機能発現には、以下の二つの過程が関与していると考えられている。1)凝集しやすい巻き戻り中間体および熱変性過程における中間体を選択的に包接し、シャペロン−蛋白質複合体を形成し、不可逆的な凝集を抑制する。2)ATPを利用して可逆的にコンフォメーションを変化させることで、複合体から蛋白質をその活性が回復できる形で解離させる。(Fig. 11)この機構を手がかりに、筆者らは、疎水化多糖集合体と蛋白質との会合制御を利用して、分子シャペロン類似の機能が発現しえることを明らかにした30)
 酵素(例えば、Carbonic Anhydrase II)の熱変性過程および塩酸グアニジンで変性させた酵素の巻き戻り過程におけるCHP集合体の効果を調べた。CHP集合体は、天然状態の酵素よりも、酵素の変性中間体をより強く取り込み複合体を形成し、熱変性蛋白質および巻き戻り中間体の凝集をほぼ完全に阻害した。さらに、この複合体微粒子にシクロデキストリンを添加すると、蛋白質は遊離し、100%近く酵素活性が回復した。蛋白質間の凝集をおこしえないように、うまく複合体から放出されていることを示している。
 以上のことは、CHP 集合体が、蛋白質の変性中間体を選択的に捕捉し、またシクロデキストリンという低分子モジュレーターにより複合体からの蛋白質の遊離と巻き戻りを制御しえること示したもので、単純な疎水化多糖によってシャペロン類似の機能がシュミレートしえたことになる。

5.5 DDSにおける蛋白質のキャリアーシステムとしての利用
 ドラッグデリバリーシステム(DDS)において、生理活性蛋白質を用いる場合の問題点は、その蛋白質の保存安定性、生体内での安定性およびその免疫原性などが挙げられている。この点をクリアーするために、様々なキャリアーが用いられてきた。疎水化多糖集合体は、容易に蛋白質と複合体を形成し、生体適合性に優れ、さらに細胞特異性も付与しえることから、蛋白質のキャリアーとしての機能が期待される。事実、インスリンやインターフェロンの保存安定性の向上がみられている24)。また、最近、コレステロール置換マンナン集合体と抗原蛋白質(erbB2 癌遺伝子産物)との複合体によって、抗腫瘍性のキラーT細胞が効率よく誘導され、人工癌ワクチンとして有効であることを報告した31)


6.疎水化高分子の複合体形成とその利用

 疎水化高分子は、先に述べた界面活性剤や蛋白質との相互作用以外にも、その両親媒的性質により、固体表面や単分子膜、二分子膜、O/W エマルションなどの分子集合体と複合体を形成しえる。そのバリエーションは多彩で、化粧品、ペイント産業をはじめバイオテクノロジー、分析化学、医学・薬学分野での様々な利用が考えられる。ここでは、その幾つかの例を紹介したい。(Fig. 12)

6.1 疎水化高分子によるリポソームの機能化
 リポソームは、薬物運搬体としてDDSの分野で利用されいる。しかし、最大の欠点は、分子集合体であるがゆえに、血液中で非常に不安定なことである。砂本らは、リポソームが、疎水化多糖により効率よく被覆され、リポソームの構造安定化と細胞特異性の付与を同時に達成しえることを報告し、そのリポソームの薬物運搬体としての有用性を実証している10)。単分子膜との相互作用32)や最近、人工細胞壁として植物プロトプラストを被覆安定化することも報告されている33)。また、ポリエチレンオキシド(PEO)の片末端に二本鎖を有する疎水化PEO脂質も、リポソーム表面を被覆することで、血中での安定性を向上させることが知られている。これは、PEO鎖の被覆により血中蛋白質との相互作用の抑制やマクロファージ系の細胞への取り込みの抑制がおこるためである。一方で、表面のPEO鎖の分子量が小さく、リポソーム表面でのPEO鎖の密度が比較的低い場合には、細胞との相互作用において、融合の機構により取り込みが促進される場合があることも報告された34)。また、リポソームに刺激応答性を付与するために、pH応答性高分子に疎水基を導入し、リポソームに組み込んだシステム35)や先に述べた熱応答性の疎水化ポリイソプロピルアクリルアミドを、リポソームに組み込んだシステムが報告されている36)

6.2 疎水化高分子によるO/Wエマルションの機能化
 O/W エマルションは、熱力学的には不安定なコロイド粒子であり、その安定化のために種々の界面活性剤が使われてきた。低分子の荷電を有する界面活性剤の添加により、主に静電的反発によるO/W エマルションの安定化が実現される。一方、疎水化高分子は、O/W エマルション表面を被覆し、その立体的効果によって、O/W エマルションを効率よく安定化することが予想される。事実、疎水化多糖を用いることで、低分子の界面活性剤を添加することなく、トリグリセリドよりなる安定なO/W エマルションがえられることがわかった37)。先のリポソーム系と同様な方法論により、機能性疎水化多糖を用いることでさまざまな応用展開が可能である。例えば、疎水化多糖は、癌細胞にたいして選択毒性を有するα-リノレイン酸を取り込んだO/W エマルションを安定化し、動物実験において薬物運搬体として有効に機能することが明らかになった38,39)

 ここで述べた筆者らの研究は、京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻砂本研究室で行われたものであり、日頃から有益なご助言を頂いている砂本順三教授および参考文献に記した協同研究者に感謝致します。


参考文献
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プロフィール
氏  名 秋吉一成(Kazunari AKIYOSHI)40歳
所  属
京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻
〒606-01 京都市左京区吉田本町
Tel: 075-753-5637, Fax: 075-753-5912
出身大学 九州大学大学院工学研究科博士課程修了
学  位 工学博士
現在の研究テーマ「生体関連高分子化学」「機能性分子集合体」
著  書
「リポソーム」南江堂(1988)分担
「実験化学講座27、生物有機」丸善(1991)分担
「現代界面コロイド化学の基礎」丸善(1997)分担