※ 本フォーラムは、終了いたしました。
多くの方にご参加いただき誠にありがとうございました。
同仁化学研究所が熊本から世界へ情報発信する「第31回フォーラム・イン・ドージン」が開催されました。
これまで熊本で開催しておりました本フォーラムは、昨年はコロナ過の影響により延期になっておりましたが、初めてのオンラインでの開催となりました。
31stのテーマは「細胞内膜系のダイナミズム ーオルガネラが織りなす細胞のドラマー」をテーマに、研究の第一線でご活躍の多数の先生方からのご講演をいただきました。
今後も研究者の方々はもちろん、知識を深めたい方々のお役に立てるフォーラムを開催していきたいと考えています。
フォーラム後記
1992年からスタートしたフォーラム・イン・ドージンは昨年のコロナ感染の拡大により初めての延期となり、その後関係者の議論を経てオンライン開催を選択した。本フォーラム代表世話人の富澤先生から、「複数のオルガネラが近接する部位で何が起きているかを知ることでこれまでのオルガネラとは異なる姿が見えてくる。世界中で熾烈な研究が行われている分野であり、今回のフォーラムが研究の進展に寄与するものとなることを期待したい。」と述べられ午前のセッションがスタートした。
最初の演者である清水先生は「オルガネラの局所に形成され特定の機能を発揮する場がありその連携によって細胞が機能することが分かってきた。このオルガネラ・ゾーンによる細胞機能の発現は細胞生物学における新たなパラダイムシフトである。」と述べられ、オルガネラ・ゾーンの存在とオルガネラの連携が複雑なオルガネラ機能を生み出すこと、一例としてミトコンドリアの局所でのアポトーシスの開始、ゴルジ体の新たなタンパク質分解応答ゾーン(GOMED)について紹介された。その中で弊社の蛍光プローブを用いた解析についても触れられた。今回は視聴者の方々からの質問はチャットに限定させていただいたが、多岐に渡る質問が数多く寄せられた。田村先生からは、ミトコンドリアの動的性質の理解に重要である脂質の輸送に興味を持たれた経緯と、ERMES複合体にリン脂質を取り込むポケットがあり、オルガネラ膜間を繋ぐことでリン脂質の膜間の水相中の移動を伴わずにPAからPEに構造変換されることや、小胞体ストレスに対する役割などが示された。視聴者からは動物細胞での存在、リン脂質以外の輸送への関与などの質問などがあった。次に、山口先生から、「開発者が分かるような特徴ある分子を創る」としてB、Si、P、Sの活用や、分子を的確にデザインすることにより耐光性やオルガネラ特異性など機能を自在に操ることができることが示された。P=Oを導入したローダミンプローブはSTEDにも利用できる耐光性を持ちオルガネラの微細構造解析に使用できる。その一つMitoPB Yellowは今回のセッションを通して多くのサンプル依頼があった。
31st Forum Program
9:30-9:35 主催者挨拶 | 上野右一郎 株式会社同仁化学研究所 |
9:35-9:45 世話人挨拶 | 富澤一仁 熊本大学大学院 生命科学研究部 分子生理学講座・教授 |
Session1 座長:富澤一仁
熊本大学大学院生命科学研究部 分子生理学講座・教授
9:45-10:45 | 「オルガネラ研究のパラダイムシフト:オルガネラゾーンとは」1-1 清水 重臣 東京医科歯科大学難治疾患研究所・教授 |
10:45-11:30 | 「ミトコンドリア-ER間コンタクト制御を介したERストレス応答」1-2 田村 康 山形大学理学部理学科・教授 |
10:45-11:30 | 「超耐光性・近赤外蛍光プローブの開発」1-3 山口 茂弘 名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所・教授 |
12:15-13:30 | ランチブレイク |
12:45-13:15 | 「 ランチョンセミナー」 ㈱同仁化学研究所 |
Session 2 座長:三隅 将吾
熊本大学大学院 生命科学研究部付属グローバル天然科学研究センター・教授
13:30-14:15 | 「小胞体-ミトコンドリア間クロストークを介した褐色脂肪組織による熱産生」2-1 西頭 英起 宮崎大学医学部機能生化学・教授 |
14:15-15:00 | 「ゴルジ体ストレス応答によるゴルジ体機能ゾーンの動的制御」2-2 吉田 秀郎 兵庫県立大学大学院生命理学研究科・教授 |
15:00-15:15 | コーヒーブレイク |
Session 3 座長:山本 哲郎
元熊本大学大学院 生命科学研究部
15:15-16:00 | 「植物における微小管ネットワークの役割」3-1 濱田 隆宏 岡山理科大学理学部生物化学科・准教授 |
16:00-16:45 | 「レジオネラによる宿主輸送経路の多彩な制御機構」3-2 新崎 恒平 東京薬科大学生命科学部 生命医科学科・准教授 |
16:45-17:00 | 閉会のご挨拶 三隅 将吾 熊本大学大学院 生命科学研究部付属グローバル天然物科学研究センター 環境分子保健学研究室・教授 |