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内胚葉分化モニタリングキット
ES/iPS Differentiation Monitoring Kit - Human Endoderm
ES/iPS Differentiation Monitoring Kit - Mouse Endoderm

<特長>
  • 内胚葉への分化を特異的に検出できる
  • 細胞を損なわずに継続培養しながら分化状態をモニターすることができる
  • 短時間で多検体の測定が可能である

 

 胚性幹細胞または多能性幹細胞(ES/iPS細胞)は、三胚葉(内胚葉・中胚葉・外胚葉)を経由し、あらゆる細胞に分化できるため再生医療の実用化において注目されています。三胚葉のなかでも内胚葉は、膵臓や肝臓といった人にとって重要な機能をもつ臓器へと分化する分岐点に位置するため、効率的な分化誘導が必要であり、分化度の確認は不可欠です。分化度の確認には、指標となる mRNA や細胞内タンパク質の発現量を一定期間ごとに測定し、それらの発現量の変化で判断するため一部の培養細胞を破壊する必要がありました。
 本キットは細胞を使用せず、培養上清を測定することで分化度の確認ができます。本キットの原理は分化した内胚葉由来細胞から培養上清に分泌される Cerberus 1 タンパク質を ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)法により検出するものです。
 マウス ES 細胞を内胚葉へ分化した場合、Cerberus 1 は内胚葉マーカーとして用いられる Sox17(Sry-box containing gene 17)と遺伝子発現レベルにてほぼ同時期に発現し、培養上清中に分泌された Cerberus 1 量も分化日数に比例して増化します(Fig. 1)。これらは内胚葉細胞表面マーカーである Cxcr4(C-X-C chemokine receptor type 4)、ECD(E-Cadherin)二重陽性細胞の割合と相関することが確認されています※)。またヒト iPS 細胞を用いた内胚葉への分化においても、培養上清中の Cerberus 1 分泌量は内胚葉マーカーである Sox17、Foxa2(Forkhead box protein A2)二重陽性細胞数と相関します(Fig. 2)。
 このように培養上清中の Cerberus 1 を測定することで、内胚葉細胞の分化度を確認することができます。測定には培養した上清を用いるため、細胞を継続培養しながら分化の状態をモニターすることが可能です。また、一度に多検体の測定に用いることができるので、分化誘導剤などの薬剤スクリーニングにも有用だと考えられます。ヒト用、マウス用の 2 種類のキットをご用意しております。
 尚、分化誘導法、細胞密度により Cerberus 1 量と内胚葉の割合は異なる場合がございます。

<キット内容>
・Pre-Coated, 96-well Strip Plate
・Standard
・HRP Conjugated Antibody
・Washing Buffer
・Storage Buffer
・TMB Solution
※キット形態は変更になる場合がございます。


 

※本製品は熊本大学発生医学研究所 粂昭苑教授・白木助教・坂野特任助教との共同研究成果です。詳細は以下の論文をご参照ください。

H. Iwashita, et al., “Secreted Cerberus1 as a marker for quantification of definitive endoderm differentiation of the pluripotent stem cells”, PloS ONE., 2013, 8(5), e64291.