XB-I
比色試薬/金属指示薬
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製品コードX001 XB-I
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CAS番号14936-97-1
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化学名3-[3-(2,4-Dimethylphenylcarbamoyl)-2-hydroxynaphthaleN-1-ylazo]-4-hydroxybenzenesulfonic acid, sodium salt
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分子式・分子量C25H20N3NaO6S=513.50
容 量 | メーカー希望 小売価格 |
富士フイルム 和光純薬 |
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1 g | ¥7,800 | 341-02923 |
5 g | ¥28,500 | 349-02924 |
性 質
XB-Iはマグネシウムと赤紫色の水溶性キレート形成することより、マグネシウムの比色試薬として用いられる。一般にはXylidyl Blue-I(キシリジルブルーI)とよばれ、スルホン酸基を持たない構造のものをXB-IIという。Magon sulfateやMann試薬とも呼ばれる。
XB-Iは水、アルコールには僅かに溶け、アルカリ溶液にはよく溶ける。純色素は安定で長期間の保存に耐え、アルコール溶液も4ヶ月程度保存できる。pH7以下では赤色、pH8~11では青紫色、pH11以上ではピンク色を呈する。
pH8~11の水溶液中でのXB-IとMg-XB-I錯体の吸収極大波長はそれぞれ555 nm、540 nmであり吸収が重なる。ところが、水溶液のエタノール含量を上げると吸収極大波長はシフトし、50%以上ではスペクトルがほぼ一定となり、XB-Iの吸収極大は610 nmに、Mg-XB-I錯体は510 nmとなる。実際の測定では80%以上のエタノール含量で行われる。pH9、λmax=510 nm付近でのモル吸光係数はε=4.9×104である。
XB-Iおよび錯体のシフトは、Triton X-100などの界面活性剤を添加することでも起こる。その場合、XB-Iの吸光度はpH11以上で一定となり、吸収極大波長は620 nmに、Mg錯体は515 nmまでシフトする。
応用可能な金属
比色試薬として:Mg
比色条件
Mg(pH9, 510 nm, ε=4.9×104, 0.02~0.4 ppm)、なお、Triton X-100添加の場合は615 nm。
技術情報
溶解例
14 mg/100 mL(エチルアルコール)
参考文献
1) C. K. Mann and J. H. Yoe, "Spectrophotometric Determination of Magnesium with 1-Azo-2-hydroxy-3-(2,4-dimethylcarboxanilido)naphthalene-1'-(2-hydroxybenzene)", Anal. Chim. Acta, 1957, 16, 155.
2) 千秋英一, 宮田好文, 江沢正義, "電子管用ニッケル材料中のマグネシウムの定量", 分析化学, 1968, 17, 8.
3) 渡辺寛人, 田中裕晃, "キシリジルブルーIと非イオン界面活性剤を用いるマグネシウムの二波長吸光光度定量", 分析化学, 1977, 26, 635.
取扱条件
性状: | 本品は、暗赤色~暗赤褐色粉末でアルカリにはよく溶けるが、水及びアルコールには難溶である。 |
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エチルアルコール溶状: | 試験適合 |
吸光度: | 0.500 以上(605 nm付近) |
吸光度(マグネシウム錯体): | 0.200 以上(505 nm付近) |
強熱残分(硫酸塩): | 15.0% 以下 |
IRスペクトル: | 試験適合 |