TMPyP

比色試薬/金属指示薬
-
製品コードT001 TMPyP
-
CAS番号36951-72-1
-
化学名5,10,15,20-Tetrakis(N-methylpyridinium-4-yl)-21H,23H-porphine, tetrakis(p-toluenesulfonate)
-
分子式・分子量C72H66N8O12S4=1363.61
容 量 | メーカー希望 小売価格 |
富士フイルム 和光純薬 |
---|---|---|
1 g | ¥- | 販売を終了いたしました |
性質
ポルフィリン類はモル吸光係数が数十万のソーレー帯と呼ばれる吸収を示すのが特徴で、TMPyPはその一つで、4つのピリジニウム基を持ち、水によく溶ける。酸解離定数はpKa1=0.8, pKa2=2.06である(pKa1,2=2.2という報告もある)。pH4~7中でソーレー帯吸収極大波長λmax=423 nm,ε=2.60×105、pH<1の強酸中でλmax=446 nm, ε=2.95×105である。TPPSを用いるCuの定量ではZnの妨害が大きいのに対して、TMPyP では妨害が極めて小さく選択性が高い。
技術情報
比色条件
Cu(pH4.5, 446 nm, ε=2.46×105,~190 ppb, PdはKIでマスクする)
応用例
Cu2+ 4.9 μg以下を含む試料溶液を25 mLメスフラスコに採り、0.5%塩酸ヒドロキシルアミン溶液、1 mol/L酢酸塩緩衝液(pH4.5)及び8×10-6 mol/L TMPyP溶液をそれぞれ1 mLずつ加える。約2分間室温で放置後、硫酸(1+1)4 mLを加えて、水で25 mLとし、446 nmでの吸光度を測定する(A)。同様の操作で空試験をの吸光度を求め(A0)、Cu2+濃度を計算する。
注1) TMPyPと銅との錯形成反応は、Cu(I)の方が反応が早いため、ヒドロキシルアミンを添加する。また、pHも4.5以上でないと遅い。ヒドロキシルアミンを添加しなくても反応は進むが、反応が遅いので、数分間加熱(煮沸)するか、1時間以上反応させる必要がある。なお、錯体はCu(II)が安定であるため、錯体形成後はCu(II)になる。
注2) TMPyp-Cu錯体の吸収極大波長はλmax=425 nm、紺錯体はpHが4.5以上でも、1以下の強酸中でも変わらない。よって、446 nmでのCu2+濃度測定は、TMPyPの減少濃度として求める。
溶解例
16 mg/200 mL(水)
参考文献
1) 四ッ柳隆夫, 伊藤純一, "超高感度比色試薬 -ポルフィリン", 化学の領域, 1977, 31, 146.
2) 四ッ柳隆夫, "環状配位子 -ポルフィリンを用いる金属イオンの分析", 化学, 1979, 35, 233.
3) K. Ueno, T. Imamura and K. L. Cheng, "Handbook of Organic Analytical Reagents(2nd Edition)", CRC Press, 1992, 417.
取扱条件
性状: | 本品は、紫色粉末で水に溶ける。 |
---|---|
水溶状: | 試験適合 |
モル吸光係数(銅錯体): | 140,000 以上(423 nm付近) |
モル吸光係数(酸性): | 280,000 以上(445 nm付近) |
モル吸光係数(中性): | 200,000 以上(422 nm付近) |
水分: | 6.0% 以下 |
IRスペクトル: | 試験適合 |