-SulfoBiotics- Sulfide dibimane(S34)

生体硫黄解析用試薬
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製品コードSB16 -SulfoBiotics- Sulfide dibimane(S34)
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CAS番号-
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化学名Bis(2,5,6-trimethylpyrazolo[1,2-a]pyrazole-1,7-dione-3-ylmethyl)[34S]sulfide
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分子式・分子量C20H22N4O434S=416.38
容 量 | メーカー希望 小売価格 |
富士フイルム 和光純薬 |
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10 nmol x5 | ¥- | 販売を終了いたしました |
性質
近年、硫化水素 (H2S) が、血管拡張や細胞保護、インスリン分泌や神経伝達調節など様々な生理活性を示すことが明らかにされ、一酸化窒素 (NO) や一酸化炭素 (CO) に続く重要なシグナル分子として注目されている。硫化水素は、NOやCOと同様にガス状分子として認知されているが、そのpKaは約7であり生理的pHでは80%程度が硫化水素イオン (HS-) の状態で存在する。また、硫化水素イオンは、生体内で様々な結合形態や構造をとるため、その作用機序の詳細に関して未だ不明であり硫化水素を中心とした硫黄の生体内機能の解明が待ち望まれている。
Monobromobimaneを用いた分析法は、最も高感度で汎用性の高い硫化水素検出法として利用されている。Monobromobimaneは、チオール特異的蛍光ラベル化剤であり、硫化水素1分子に対し、2分子のBimaneが結合した化合物 (Sulfide dibimane) を生成する (Fig. 1)。Sulfide dibimaneは、monobromobimaneがグルタチオンやシステインなどのチオール化合物と反応したbimane化合物とのHPLC分離が可能であり、また生成した化合物が蛍光を有するため、蛍光検出による高感度分析ができる。最近では、Sulfide dibimane(S34) と質量分析装置 (MS)を併用することでさらなる高感度化と高選択性を達成した方法が報告され、硫化水素だけではなく、SH基を有する種々の生体物質の詳細な解析法として確立されつつある。
開発元 | Dojindo Molecular Technologies, Inc. |
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技術情報
Fig. 1 Monobromobimaneと硫化水素の反応
Fig. 2 Sulfide dibimaneのMS解析例
[使用例]
HPLC測定: 参考文献 2) , 3), 5)
LC-MS測定: 参考文献 2), 4), 5)
参考文献
1) G. L. Newton, R. Dorian and R. C. Fahey, Anal. Biochem., 1981, 114, 383.
2) E. A. Wintner, T. L. Deckwerth, W. Langston, A. Bengtsson, D. Leviten, P. Hill, M. A. Insko, R. Dumpit, E. Vanden
Ekart, C. F. Toombs and C. Szabo, Br. J. Pharmacology, 2010, 160, 941.
3) X. Shen, C. B. Pattillo, S. Pardue, S. C. Bir, R. Wang and C. G. Kevil, Free Radic. Biol. Med., 2011, 50, 1021.
4) M. Nishida, T. Sawa, N. Kitajima, K. Ono, H. Ihara, H. Motohashi, M. Yamamoto, M. Suematsu, H. Kurose,
A. vander Vliet, B. A. Freeman, T. Shibata, K. Uchida, Y. Kumagai and T. Akaike, Nat. Chem. Biol., 2012, 8, 714.
5) X. Shen, G. P. Kolluru, S. Yuan and C. Kevil, Methods Enzymol., 2015, 554, 31.
よくある質問
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Q
Sulfide dibimane(S34)の安定性について教えてください。
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A
Sulfide dibimane(S34)は光に対して不安定ですので、アルミラミジップを開封した後は遮光して保存してください。
また、アセトニトリルに溶解した後は、アルミホイル等で遮光にして、その日の内に測定にご使用ください。
なお、アセトニトリル溶液は遮光の状態で数時間安定です。
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Q
Sulfide dibimane(34)はどれくらいの濃度を目安に調製すれば良いですか?
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A
本品1 tube当りに100 μLのアセトニトリル(HPLC用)を加えて溶解すると 0.1 mmol/L の濃度となります。
この溶液を任意の量のアセトニトリルで希釈して、Sulfide dibimane calibration solution(34)[検量線用溶液]を調製してください。
調製方法につきましては、本品取扱説明書もご覧ください。
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Q
使用期限はありますか?
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A
お手元に届いてから未開封で半年間安定です。
なお、試薬の特性上、溶解後は保存出来ませんので、溶液調製後は、その日の内にご使用ください。