02 酸化ストレス関連試薬

Spy-LHP

Spy-LHP

過酸化脂質検出試薬

  • 製品コード
    S343  Spy-LHP
  • CAS番号
    892396-71-3
  • 化学名
    2-(4-Diphenylphosphanylphenyl)-9-(1-hexylheptyl)anthra[2,1,9-def,6,5,10-d'e'f']diisoquinoline-1,3,8,10-tetraone
  • 分子式・分子量
    C55H49N2O4P=832.96
容 量 本体価格
1 mg ¥21,700

性質

Spy-LHPは、過酸化脂質検出用の試薬である。生化学分野では微量の過酸化脂質の高感度で特異的な定量法が望まれており、過酸化脂質の検出・定量法として、ヨウ素滴定法や比色定量法、TBA法、化学発光法などがよく知られている。
小社製品であるDPPPは、これらの検出・定量法の問題点である感度、選択性などの種々の問題点を克服した製品であるが、短波長励起による細胞へのダメージや細胞の自家蛍光による影響などの問題点もあった。
 Spy-LHPは、トリフェニルホスフィン部で過酸化脂質と特異的に反応し、強い蛍光を発するペリレン環を蛍光基に持っている。また、脂質への親和性を向上させるために長鎖構造を持った構造になっている。蛍光波長は長波長励起(λex=524 nm、λem=535 nm)が可能であり、還元体はPeT(Photo-induced Electron Transfer)効果により消光されているが、酸化体(ホスフィンオキシド体)は量子収率がきわめて高く(Φ~1 in methanol)、強い蛍光を発する。
 Tsudukiらは、リノレン酸やジャカル酸などの不飽和脂肪酸の脂質過酸化を測定する過程で、TBA法及びSpy-LHPを用いた結果の相関性を報告している。

特 長 
1) 長波長励起なので、生体試料への光ダメージが少なく自家蛍光物質の影響が軽減される。
2) 脂質への親和性が高く、過酸化脂質と特異的に反応する。

 

本製品は、九州大学-同仁化学組織対応型連携の下、NEDO技術開発機構の助成を受けて開発されたものである。



図1 Spy-LHPおよび酸化体(Spy-LHPOx)の励起および蛍光スペクトル

図2 各ラジカル種に対する選択性

技術情報

溶解例

1 mg/ 150 μL アセトン(25℃,飽和)、1 mg /1 mL クロロホルム

参考文献

参考文献を表示する

1) N. Soh, T. Ariyoshi, T. Fukaminato, K. Nakano, M. Irie, T. Imato, Bioorg. Med. Chem. Lett., 200616(11), 2943.
2)T. Chan, Y. Shimizu, P. Pospišil, N. Nijo, A. Fujiwara, Y. Taninaka, T. Ishikawa, H. Hori, D. Nanba, A. Imai, N. Morita, M. Yoshioka-Nishimura, Y. Izumi, Y. Yamamoto, H. Kobayashi, N. Mizusawa, H. Wada and Y. Yamamoto, "Quality control of photosystem II: lipid peroxidation accelerates photoinhibition under excessive illumination", PLoS One, 20127(12), e52100.
3) Shinohara N, Tsuduki T, Ito J, Honma T, Kijima R, Sugawara S, Arai T, Yamasaki M, Ikezaki A, Yokoyama M, Nishiyama K, Nakagawa K, Miyazawa T, Ikeda I. , "Jacaric acid, a linolenic acid isomer with a conjugated triene system, has a strong antitumor effect in vitro and in vivo."Biochim Biophys Acta. ., 2012, 1821, (7), 980.
4)H. Tsuru, H. Shibaguchi, M. Kuroki, Y. Yamashita and M. Kuroki, "Tumor growth inhibition by sonodynamic therapy using a novel sonosensitizer", Free Radic. Biol. Med.201253(3), 464.

よくある質問

Q

Spy-LHPの使用例を教えてください

A

チラコイド膜に埋め込まれているタンパク質複合体『PSⅡ(光科学系Ⅱ)』の過酸化脂質測定例を紹介致します。
この方法は次の文献を参考にしております。

真野純一, Sergey Khorobrykh, 尼子克己, "1.代謝産物量の定量 d.活性酸素種,抗酸化物", 低温科学, 2009, 67, 179.

1.用意するもの

(1)Spy-LHP測定溶液:1 mmol/L Spy-LHPになるようアセトンにて溶解し、さらにエタノールで2.7 mmol/Lになるよう希釈する。

※Spy-LHPは酸化されやすいため、溶解、希釈に用いるアセトンとエタノールはあらかじめ窒素バブリング等により溶存酸素量を減らしてご使用ください。またSpy-LHP溶液は用時調製にてご使用ください。※一測定あたり2.7 mL使用

(2)標準LOOH(検量線作成用):25-250 nmol/L m-chloroperbenzoic acid

2.PSⅡ膜標品が50 μg Chl/mLの濃度となるように50 mmol/lLMES-NaOH(pH6.0), 35 mol/l NaClに懸濁する。

3.光照射し、継時的に0.3 mlをとり、Spy-LHP測定溶液2.7 mLと混合する(5 μg Chl/mL)。

4.暗所で30分静置後、遠心(18,000 ×g, 5 min)により膜画分を除き、上清を励起光524 nmで、535-537 nmの蛍光を測定する。

5.検量線および消光補正は次のように行う。

標準LOOH(各濃度)に、PSⅡ膜標品を加えたもの(+PSⅡ)と加えないもの(-PSⅡ)を調製する。光照射せずに0.3 mLをSpy-LHP測定溶液2.7 mLと混合、静置、遠心し、上清を得る。

+PSⅡ,-PSⅡ試料それぞれの標準LOOH濃度ゼロの蛍光強度をa1、 a2、それぞれの検量線の傾きをb1、b2とする。クエンチング係数はb1/b2であり、光照射後の試料の蛍光強度Xが得られたなら、それに対応するLOOH濃度は(X-a1)×b2/b1 となる。

また、光照射前に含まれるLOOH濃度は、(a1-a2)×b2/b1となる。

取扱条件

規格
性状: 本品は、黒赤色結晶性粉末又は固体である。
純度(HPLC): 90.0% 以上
NMRスペクトル: 試験適合
取扱条件
1.保存方法:遮光, 2.窒素置換

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