15 比色試薬/金属指示薬

SATP

SATP

比色試薬/金属指示薬

  • 製品コード
    S003  SATP
  • CAS番号
    3449-05-6
  • 化学名
    Salicylideneamino-2-thiophenol
  • 分子式・分子量
    C13H11NOS=229.3
容 量 メーカー希望
小売価格
富士フイルム
和光純薬
1 g ¥12,000 344-02393
5 g ¥45,700 342-02394

性質

SATPはスズ(II)と錯体を形成し、有機溶媒に抽出されることより、スズの選択的な抽出比色試薬として使用される。
融点は 115~135℃(不明瞭)で、冷暗所に保存する。水には溶けず、希酸にわずかに溶け無色溶液となるが、アルカリ水溶液にはよく溶けて黄色となる。有機溶媒にもよく溶ける。種々の金属と反応して黄色ないし褐色沈殿を生じ、有機溶媒に抽出されるので、抽出比色試薬として用いられる。ところが、pH2の乳酸酸性溶液中ではSn2+と1:2キレートを選択的に形成し、キシレン、ベンゼン(λmax=415 nm, ε=1.61×104), トルエンによく抽出される。

技術情報

応用例

応用可能な金属
抽出比色試薬として:Cu, In, Ni, Sn

応用例
Snを含むサンプルを塩酸、硫酸を用いて分解し、中和して試料溶液とする。Sn試料溶液(~50 μg程度)10 mLを100 mL分液ロートに取り、試料溶液 10%-L-アスコルビン酸を加えて鉄をマスクする。指示薬として0.2%-2,4-ジニトロフェノール液数滴を加えて、水酸化ナトリウムで中和する。20%-乳酸2 mL、1%-チオ硫酸ナトリウム 2 mL、0.1%-SATP/エタノール溶液 5 mLを順次加えて、5分間放置した後、ベンゼン10 mLを正確に加えて、一分間振とうし、静置後、有機相を分離する。脱脂綿を通して水分を除き、有機溶媒をブランク対象として415 nm付近の吸光度を測定する。ベンゼンの代わりにキシレンを用いた場合、ε=1.3×104λmax=415 nm)程度となる。

溶解例

100 mg/100 mL(1%アスコルビン酸-エチルアルコール溶液)

参考文献

参考文献を表示する

1) 石井一, 永長久彦, "2-(サリチリデンアミノ)チオフェノールを用いる微量ニッケルの吸光光度定量", 日本化学雑誌, 197091, 175. 
2) 石井一, 永長久彦, "2-(サリチリデンアミノ)チオフェノールを用いる微量銅の抽出-吸光光度定量", 日本化学雑誌, 197091, 734. 
3) 前川静弥, 加藤清敏, "サリチリデンアミノ-2-チオフェノールによる鉄鋼中スズの吸光光度定量, Jpn. Anal. , 197120, 474. 
4) E. Uhleman and V. Pohl, "Extraktion Und Photometrische Bestimmung Von Zinn Und Blei Mit 2-(o-Hydroxyphenyl)Benzthiazolin", Anal. Chim. Acta1973, 65, 319.

取扱条件

規格
性状: 本品は、白色結晶性粉末で、エチルアルコールに溶ける。
エチルアルコール溶状: 試験適合
吸光度(錫錯体): 0.530 以上(415 nm 付近)
強熱残分(硫酸塩): 0.10% 以下
IRスペクトル: 試験適合
取扱条件
保存条件: 冷蔵
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