NOC 12
NO検出関連試薬
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製品コードN378 NOC 12
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CAS番号146724-89-2
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化学名1-Hydroxy-2-oxo-3-(N-ethyl-2-aminoethyl)-3-ethyl-1-triazene
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分子式・分子量C6H16N4O2=176.22
容 量 | メーカー希望 小売価格 |
富士フイルム 和光純薬 |
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10 mg | ¥14,900 | 347-06901 |
性質
NOCは、Keeferらにより開発されたNOドナーである。いずれもジアミン、あるいはトリアミンにNOが2分子付加した形をとっており、これがバッファー中でその分子特有の速度で放出される。1モルの分子から、2モルのNOが放出されるため、既存のNOドナーに比べ、大量のNOを自発的に発生させることができる。
NOCのNO発生速度は溶液のpHが低くなるほど速く(NOCは不安定となる)、逆に強アルカリ性ではかなり安定であるので、実験に用いる際には、まずNOCを所定量秤り取り、0.1 mol/lの水酸化ナトリウム水溶液に溶解して、その一定量をサンプルバッファー中に添加してやればよい。NO発生は、事実上中性のバッファー(サンプル溶液)に添加された時点から開始される。
NOCは固体状態では安定であるが、長期保存には冷凍が必要である。また、若干の吸湿性があり、吸湿により劣化するので、使用時には完全に室温に戻してから開封すること。なお、溶液はできれば用時調製が望ましい。
マニュアル
技術情報
注意事項
・本製品を粉末の状態で取り出し使用する場合、性状の性質上、静電気等の要因で容器内に付着し、取り出しにくい場合があります。
・容器内に付着し、取り出せなかった粉末に関しては、使用する溶媒を容器に入れ、溶かし出して使用してください。
参考文献
1)J. A. Hrabie, J. R. Klose, D. A. Wink and L. K. Keefer, "New Nitric Oxide-releasing Zwitterions Derived from Polyamines.", J. Org. Chem., 1993, 58, 1472.
2) K. Hayashi, N. Noguchi and E. Niki, "Action of Nitric Oxide as a Antioxidant Against Oxidation of Soybean Phosphatidylcholine Liposomal Membrane", FEBS Lett., 1995,370, 37.(Noc 12)
3) S. Shibuta, T. Mashimo, A. Ohara, P. Zhang and I. Yoshiya, "Intracerebroventricular Administration of a Nitric Oxide-releasing Compound, NOC-18, Produces Thermal Hyperalgesia in Rats", Neurosci. Lett., 1995, 187, 103. (Noc 18)
4) N. Yamanaka, O. Oda and S. Nagao, "Nitric Oxide Released from Zwitterionic Polyamine/NO Adducts Inhibits Cu2+-induced Low Density Lipoprotein Oxidation", FEBS Lett., 1996, 398 , 53.
5) D. Berendji, V. K-Bachofen, K. L. Meyer, O. Grapenthin, H. Weber, V. Wahn and K.-D Kroncke, "Nitric Oxide Mediates Intracytoplasmic and Intranuclear Zinc Release", FEBS Lett., 1997, 405, 37.
6) T. Ohnishi, T. Ishizaki, F. Sasaki, S. Ameshima, T. Nakai, S. Miyabo and S. Matsukawa, "The Effect of Cu2+ on Rat Pulmonary Arterial Rings", Eur. J. Pharmacol., 1997, 319, 49. (Noc 7)
7) Y. Adachi, K. Hashimoto, N. Ono, M. Yoshida, M. Suzuki-Kusaba, H. Hisa and S. Satoh, "Renal Effect of a Nitric Oxide Donor, NOC 7, in Anethetized Rabbits", Eur. J. Pharmacol., 1997, 324, 223. (Noc 7)
8) Y. Minamiyama, S. Takemura and M. Inoue, "Effect of Thiol Status on Nitric Oxide Metabolism in the Circulation", Arch. Biochem. Biophys., 1997, 341(1), 186.
よくある質問
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Q
NOCとNORは両方ともNO発生剤として使用されますが、どう違うのですか?
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A
構造的には全く異なるタイプのNOドナーです。
性能の違いとしては
【NOC】
高水溶性
水溶液での調製が容易(NaOH溶液)
NOCは高pH(アルカリ性)ほどNO放出が遅くなる。半減期は(37℃、pH7.4)
NOC7(5min) > NOC5(25min) > NOC12(100min) > NOC18(21hrs)【NOR】
比較的水溶性が低い
有機溶媒(DMSO)溶液の方が安定に扱える。
経口投与が可能である。
NORは低pH(酸性)ほどNO放出が遅くなる。半減期は(37℃、pH7.4)
NOR1(1.8min) > NOR3(30min) > NOR4(60min) > NOR5(20hrs)
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Q
NOC類を使用する際は、何に溶解して使用すればよいのでしょうか?
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A
溶解するNOCよりも高濃度の水酸化ナトリウム水溶液などの
強アルカリ水溶液に溶解してストック溶液としてください。(0.1M-NaOH等をご使用ください)NO発生は事実上中性バッファー(サンプル溶液)に添加された時点から開始されます。
生理食塩水などの緩衝作用のないものでは、NOはきれいに放出しませんのでご注意ください。*用時調整してください。
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Q
NOC12の溶解性を教えてください。
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A
NOCs、NORsの溶解性は以下の通りです。
*注意*
NOCsは水にも溶けますが、ストック液の調整は「アルカリ性溶液」で行ってください。
アルカリ性溶液では安定ですが、中性では分解してNOの放出します。
pHが下がるに従い分解(NO放出)は早くなります。