Biotin Labeling Kit - NH2 (for 1mg)

タンパク質標識キット
- 大容量のサンプルをラベル化したい
- 感度をあげたい
- 蛍光色素でうまくいかなかった
-
製品コードLK55 Biotin Labeling Kit - NH2 (for 1mg)
容 量 | メーカー希望 小売価格 |
富士フイルム 和光純薬 |
---|---|---|
1 sample | ¥23,800 | 344-91141 |
サンプル量 | 1 mg |
---|---|
所要時間 | 2時間 |
標識部位 | -NH2 |
検出方法 | 顕微鏡・FCM・ウエスタンブロット・プレートリーダー |
・高分子化合物(MW>50,000)に標識できる。 ・NH2-Reactive Biotinと混合するだけで標識体を形成する。 ・Filtration Tubeを用いた分離操作により高い回収率で標識体が得られる。 |
1 sample | ・NH2-Reactive Biotin ・WS Buffer ・Reaction Buffer ・Filtration Tube ・15 ml Tube (for counterbalance) |
1 tube 13 ml x 1 1.2 ml x 1 1 tube 1 tube |
---|
性質
Biotin Labeling Kit -NH2は、アミノ基を有するタンパク質、特に抗体へビオチンを標識するためのキットである。NH2-Reactive Biotinは、その構造内に活性エステル基を有しているため、アミノ基を有する分子と混合するだけで安定な共有結合を形成する。
標識反応を阻害するような低分子(トリスやグリシンなど)や未反応のNH2-Reactive Biotinは、付属のFiltration Tubeを用いて容易に除去することができる。本キットには、DMSOを除く標識に必要なすべての試薬と作製したビオチン標識体を保存するための溶液が含まれる。
開発元 | Dojindo Molecular Technologies, Inc |
---|
マニュアル
技術情報
特徴
1)1 mgのタンパク質を標識可能である。
2)高分子化合物(MW>50,000)に標識できる。
3)NH2-Reactive Biotinと混合するだけで標識体を形成する。
4)Filtration Tubeを用いた分離操作により高い回収率で標識体が得られる。
注意事項
・ |
市販の抗体などでゼラチンやアルブミン等を安定化剤として含む場合、それらの成分を除いてからご使用ください。試料中の共存物質の影響については「よくある質問:サンプル溶液中の共存物は反応に影響しますか?」に詳細を記載しておりますのでご参照ください。なお、小社では抗体を簡便に精製できる下記のキットをご用意しております。 |
|
|
・ |
冷蔵保存中もしくは室温に戻した際に、フィルトレーションチューブに水滴様の液粒が見られることがあります。これはメンブランの乾燥防止剤が液粒化したもので、製品の性能に問題はございません。 |
キット以外に必要なもの
・200 μl, 1 ml マイクロピペッター ・インキュベーター(37℃) ・DMSO
・遠心機(15 ml遠沈管用) ・2 ml容量以上のチューブ(標識体保存用)
反応原理
操作方法
a) | 液量は3 ml以下でご使用ください。IgGのサンプル溶液が3 ml以上となる場合には、操作1と2を繰り返してIgG量が1 mgとなるように濃縮してください。濃縮操作において、ろ液が4 ml以上となった場合は、次の遠心操作を行う前にろ液を捨ててください。 |
b) | Filtration Tubeの重さを量り、同じ重さとなるように15 ml Tubeに水を入れてください。この15 ml Tubeを遠心時のバランスとして使用してください。 |
c) | スイングローターの場合、4,000 × g以下で遠心してください。溶液がメンブレン上に100 μl以上残っている場合には、さらに10分間遠心してください。遠心加速度が6,000 × g以下の場合、遠心時間を延長してください(例: 2,000 × gで50~60分間)。 |
d) | NH2-Reactive Biotinはチューブの底に入っています。DMSOを加える際はチューブの底に入れ、軽くピペッティングして溶解させてください。また、NH2-Reactive BiotinはDMSO中の水分により加水分解しやすいので、DMSOに溶解後は直ちに操作6へ進んでください。 |
e) | 標識体を回収する際はWS Bufferを使うことを推奨しますが、必要に応じて各種の溶液をご使用ください。 |
よくある質問
-
Q
サンプル溶液中の共存物は反応に影響しますか?
-
A
共存物の種類により影響することがあります。
溶液中にどのような物質が含まれるかを確認の上、状況に応じてラベル化に用いるサンプルの精製を行い、標識反応にご使用ください。<高分子:分子量1万以上>
影響する可能性があります。
BSAやゼラチンなどアミノ基をもつ化合物が含まれると、抗体への標識効率が低下します。また、高分子のためFiltration Tubeでも除くことができません。また、アミノ基を持たない化合物でも、高分子の不純物が多いとフィルターの目詰まりの原因になり、標識・精製操作に支障がでる可能性もあります。反応に使用する前に別途除去操作を行ってください。
*本製品に限らず他のLabeling kit に関しても同様の注意が必要です。抗体の精製について、小社抗体精製キット(下記)を用いたBSAとゼラチンの除去方法をご紹介いたします。
IgG Purification Kit – A IgG Purification Kit – G
【BSAの除去方法】
1)必要な試薬
IgG Purification Kit-A(もしくはG)(Code:AP01もしくはAP02)
市販の抗体 200µg
2)精製方法
IgG Purification Kit添付の取扱説明書に従って、精製を行う。
【ゼラチンの除去方法】
A, Bいずれかの方法で除去する。A.コラーゲナーゼ(Collagenase)によるゼラチン分解
図1 ゼラチン除去精製前後のSDS-PAGE
1: ゼラチン含有IgG溶液
2: 精製後のIgG溶液(1) 試薬
・コラーゲナーゼ(Sigma, #C7826) 3.5 CDU/ml 希釈溶液
・IgG Purification Kit-A(もしくはG) (Code: AP01もしくはAP02)
・市販の抗体 200 μg
(2)精製方法
・0.2% ゼラチンを含む200 μg/ml IgG溶液 1 mlに酵素処理用緩衝液 (100 mmol/l HEPES, pH7.4, 0.36 mmol/l CaCl2含有) 420 μlと酵素処理用緩衝液で調製した 3.5 CDU/ml コラーゲナーゼ希釈溶液 80 μlを加えて混合する。
・37℃、3時間インキュベートした後、IgG Purification Kit-A(もしくはG)を用いてIgGを単離する。
※IgG Purification Kitでは、抗体を固定化担体に保持させる際の抗体溶液量を一回当たり200 μlとしている。しかし、上記操作でコラーゲナーゼ処理した抗体溶液量は、約1.5 mlとなるため、IgGを担体に保持させる操作を8回(200 μl×7, 100 μl×1)に分けて行う。
※上記の方法で得られる抗体の回収率:45~50%
B. 300K 限外ろ過チューブを用いたゼラチン除去
図2 ゼラチン除去精製前後のSDS-PAGE
1: IgG
2: ゼラチン含有IgG溶液
3: 300K限外濾過のみのIgG溶液
4: 300K限外濾過+ IgG Purification Kit - Gで精製後のIgG溶液(1)試薬
・300K フィルトレーションチューブ(Pall社 ナノセップ遠心ろ過デバイス(製品コード:OD300C33)
・IgG Purification Kit-A(もしくはG) (Code: AP01もしくはAP02)
・市販の抗体 200 μg
(2)精製方法
・0.1% ゼラチンを含む200 μg/ml IgG溶液 1 mlを300K フィルトレーションチューブ 2本に分けて限外ろ過を行う(200 μl×2, 100 μl×1, 13,500 x g)。
・その後、回収溶液500 μlをIgG Purification Kit-A(もしくはG)を用いてIgGを単離する。
※回収溶液500 μlに対し、IgG Purification KitのWashing Buffer 50 μlを添加し、精製を行う。 ゲルへの吸着操作は5回繰り返す。
※上記の方法で得られる抗体の回収率:35~45%
取扱条件
1.保存方法:冷蔵, 2.吸湿注意 |