Allophycocyanin Labeling Kit - SH

抗体・タンパク質標識キット
- アミノ基でうまくいかなかった
- 蛍光色素より高感度でみたい
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製品コードLK24 Allophycocyanin Labeling Kit - SH
容 量 | メーカー希望 小売価格 |
富士フイルム 和光純薬 |
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3 samples | ¥53,900 | 346-90981 |
サンプル量 | 50-200 µg |
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所要時間 | 2.5時間 |
標識部位 | -SH |
検出方法 | 顕微鏡・FCM |
蛍光特性 | [Ex:650, Em:660] |
・分子量50,000以上のタンパク質が標識できる。 ・Filtration Tubeを用いた分離操作により高い回収率で標識体が得られる。 ・付属の還元剤を用いることで遊離SH基を持たないタンパク質への標識も可能である *。 ・付属の保存溶液でAPC標識体の保存が可能である。 |
3 samples | ・SH-Reactive Allophycocyanin ・Reducing Agent ・WS Buffer ・RA Solution ・Reaction Buffer ・Filtration Tube |
3 tubes 3 tubes 4 ml×1 1 ml×1 200μl×1 3 tubes |
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性質
Allophycocyanin Labeling Kit - SHは、SH基を有する高分子(抗体など)に蛍光タンパク質のアロフィコシアニン(APC)を標識するためのキットである。SH-Reactive Allophycocyaninは、その構造内にマレイミド基を有しているため、SH基を有する分子と混合するだけで安定な共有結合を形成する。分子がSH基を有しておらず、分子内にS-S結合を有している場合には、付属の還元剤を用いて遊離SH基を調製することが可能である。
本キットには、標識に必要なすべての試薬と作製したAPC標識体を保存するための溶液が含まれている。
開発元 | Dojindo Molecular Technologies, Inc. |
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マニュアル
技術情報
特徴
1) 約2.5時間でAPC標識体が調製できる。
2) 分子量50,000以上のタンパク質が標識できる。
3) 50~200 μgのタンパク質を標識可能である。
4) Filtration Tubeを用いた分離操作により高い回収率で標識体が得られる。
5) 付属の還元剤を用いることで遊離SH基を持たないタンパク質への標識も可能である *。
6) 付属の保存溶液でAPC標識体の保存が可能である。
注意事項
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Reducing Agentは、還元型のIgG調製に最適化されています。IgG以外のS-S結合を有するサンプルの使用の場合、S-S結合の切断によって標識対象分子の活性が失われる場合があります。還元による失活が起きないことをご確認の上、ご使用下さい。 |
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市販の抗体などでゼラチンやアルブミン等を安定化剤として含む場合、それらの成分を除いてからご使用ください。試料中の共存物質の影響については「よくある質問:サンプル溶液中の共存物は反応に影響しますか?」に詳細を記載しておりますのでご参照ください。 |
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SH-Reactive Allophycocyaninは、アルミラミジップに3本入っています。アルミラミジップを一旦開封した後は、未使用のSH-Reactive Allophycocyaninは、アルミラミジップに入れたままチャックをしっかりと閉め、-20℃で保存してください。SH-Reactive Allophycocyanin以外は、0~5℃で保存してください。 |
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冷蔵保存中もしくは室温に戻した際に、フィルトレーションチューブに水滴様の液粒が見られることがあります。これはメンブランの乾燥防止剤が液粒化したもので、製品の性能に問題はございません。 |
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本キットには溶液の入ったマイクロチューブのコンポーネントが含まれています。チューブ内壁やキャップに溶液が付着していることがありますので、開封前に振り落としてご使用ください。 |
キット以外に必要なもの
・10 μl, 200 μl マイクロピペッター ・インキュベーター(37℃)
・遠心機(マイクロチューブ用) ・マイクロチューブ(標識体保存用)
反応原理
実験例
細胞:bEND3(1x10⁶)
前処理:CD16/CD32 0.3µl(non-specific binding 阻害のため)、氷中 10 min
Biolegend社:Purified anti-mouse CD16/32 Antibody(cat# 101302)
抗体:上記VE-Cadherin/APC 0.3µl/10⁶
APC Labeling Kit - SHおよび他社品キットを用いて蛍光タンパク質を標識したAnti-Biotin IgGによるFIA(Fluorescence Immunonassay)
よくある質問
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Q
Labeling Kitで1次抗体を直接標識する利点を教えてください。
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A
はじめて抗体標識をされる方を対象としたプロトコルを作成しております。
カスタマーサポートの視点から直接標識法の利点や実施例等を記載しておりますので、ご参照下さい。下記リンクよりダウンロード可能です。
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Q
サンプル溶液中の共存物は反応に影響しますか?
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A
共存物の種類により影響することがあります。
溶液中にどのような物質が含まれるかを確認の上、状況に応じてラベル化に用いるサンプルの精製を行い、標識反応にご使用ください。<高分子:分子量1万以上>
影響する可能性があります。
高分子でSH基をもつ化合物は、Filtration Tubeでも除くことができません。 そのため標識され、蛍光性不純物として影響します。反応に使用する前に別途精製を行ってください。 一方、SH基を持たない化合物でも、高分子の不純物が多いとフィルターの目詰まりの原因になり、標識・精製操作に支障がでる可能性もあります。
*本製品に限らず他のLabeling kit に関しても同様の注意が必要です。
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Q
サンプルは溶液になっていても問題ないでしょうか?
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A
溶液になっていること自体は問題ありません。
ただし、下記の点をご確認いただいた上でご使用ください。
-濃度-
サンプル濃度が0.5 mg/ml以下(50 μg/100 μl以下)である場合には
Filtration tubeを用いてサンプル量が50~200 μgとなるように
遠心して濃縮を行ってください。
フィルター上に残ったサンプルは再溶解させる必要はありません。
そのまま反応にご使用ください。-溶液量-
Filtration tubeの容量に制限がありますので、溶液の量は100 μl以下でご使用ください。-共存物-
・不溶性の低分子が含まれる場合は、予め遠心して上清のみを使用してください。
・分子量10,000以上の物質が含まれる場合には、別途精製を行ってからご使用ください。
(市販の抗体の中には安定化剤としてBSAやアルブミンを含む場合があります)
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Q
低分子の蛍光色素と比較して、蛍光タンパク色素を標識するメリットは何でしょうか?
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A
以下のような点が挙げられます。
・1分子あたりの蛍光強度が大きいので、IgGに1分子の蛍光タンパクが標識された場合、
Fluoresceinなどの数倍の蛍光強度が得られます。・励起スペクトルの吸収域が広いので、極大を外れた波長でも励起できます。
(幅広い励起フィルターが活用できます)
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Q
低分子のタンパク質(分子量50,000以下)に標識する場合の方法を教えて下さい。
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A
キット付属のフィルトレーションチューブは分画分子量30Kの限外濾過フィルターのため、
余裕をもって50,000以上のタンパク質のご使用を推奨しております。
分子量50,000以下のタンパク質を標識される場合は、
下記のような分画分子量の小さい限外濾過フィルターに変更して
頂くことで、低分子のタンパク質でもラベル化可能でございます。
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PALL社 ナノセップ 3K 製品No.OD003C33
PALL社 ナノセップ 10K 製品No.OD010C33
------------------------------------------キット同梱のフィルターを用いた場合に比べ遠心に時間を要することが
ございますので遠心時間はご検討下さい。
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Q
蛍光タンパクが3種類ありますが、それぞれの波長特性を教えてください。
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A
Allophecocyanin(略:APC) 励起波長:650nm 蛍光波長:660nm
B-Phycoerythrin(略:B-PE) 励起波長:564nm 蛍光波長:575nm
R-Phycoerythrin(略:R-PE) 励起波長:564nm 蛍光波長:575nm
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Q
標識率は出せますか?
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A
標識後のサンプル溶液には、未反応のReactive体が含まれるため標識率を算出することはできません。
取扱条件
保存条件: 冷蔵 , 取扱条件: 吸湿注意 |