08 ラベル化剤

R-Phycoerythrin Labeling Kit - NH2

R-Phycoerythrin Labeling Kit - NH<sub>2</sub>

抗体・タンパク質標識キット

  • 簡単な操作で実験したい
  • 488 nmで励起したい
  • 蛍光色素より高感度でみたい
  • 製品コード
    LK23  R-Phycoerythrin Labeling Kit - NH2
容 量 メーカー希望
小売価格
富士フイルム
和光純薬
3 samples ¥53,500 347-91011
サンプル量 50-200 µg
所要時間 2.5時間
標識部位 -NH2
検出方法 顕微鏡・FCM
蛍光特性 [Ex:564, Em:575]

・分子量50,000以上のタンパク質が標識できる。

・Filtration Tubeを用いた分離操作により高い回収率で標識体が得られる。

・付属の保存溶液でR-PE標識体の保存が可能である。

キット内容
3 samples ・NH2-Reactive R-Phycoerythrin
・WS Buffer
・Reaction Buffer
・Filtration Tube
3 tubes
4 ml x1
200 μl x1
3 tubes

性質

 R-Phycoerythrin Labeling Kit - NH2は、アミノ基を有する高分子(抗体など)に蛍光タンパク質のR-フィコエリスリン(R-PE)を標識するためのキットである。NH2-Reactive R-Phycoerythrinは、その構造内に活性エステル基を有しているため、アミノ基を有する分子と混合するだけで安定な共有結合を形成する。標識反応を阻害するような低分子化合物(トリスやグリシンなど)は付属のFiltration Tubeを用いた前処理によって除去されるため、透析やゲルろ過などの処理は不要である。
 本キットには標識に必要なすべての試薬と作製したR-PE標識体を保存するための溶液が含まれている。

開発元 Dojindo Molecular Technologies, Inc.

技術情報

特徴

1) 約2.5時間でR-PE標識体が調製できる。
2) 分子量50,000以上のタンパク質が標識できる。
3) 50~200 μgのタンパク質を標識可能である。
4) Filtration Tubeを用いた分離操作により高い回収率で標識体が得られる。
5) 付属の保存溶液でR-PE標識体の保存が可能である。

注意事項

市販の抗体などでゼラチンやアルブミン等を安定化剤として含む場合、それらの成分を除いてからご使用ください。試料中の共存物質の影響については「よくある質問:サンプル溶液中の共存物は反応に影響しますか?」に詳細を記載しておりますのでご参照ください。

NH2-Reactive R-Phycoerythrinは、アルミラミジップに3本入っています。アルミラミジップを一旦開封した後は、未使用のNH2-Reactive R-Phycoerythrinは、アルミラミジップに入れたまま、チャックをしっかりと閉め、-20℃で保存してください。NH2-Reactive R-Phycoerythrin以外は、0~5℃で保存してください。

冷蔵保存中もしくは室温に戻した際に、フィルトレーションチューブに水滴様の液粒が見られることがあります。これはメンブランの乾燥防止剤が液粒化したもので、製品の性能に問題はございません。

本キットには溶液の入ったマイクロチューブのコンポーネントが含まれています。チューブ内壁やキャップに溶液が付着していることがありますので、開封前に振り落としてご使用ください。

 

キット以外に必要なもの

・10 μl, 200 μl マイクロピペッター ・インキュベーター(37℃)
・遠心機(マイクロチューブ用) ・マイクロチューブ(標識体保存用)

反応原理

操作方法

実験例

各方法によるフローサイトメトリー測定例

a) 直接法:PE- 標識 HSL-96(R-PE Labeling Kit - NH2)
b) 直接法:PE- 標識 IgG コントロール
c) 二次抗体法 ( 間接法 ):精製 HSL-96 + PE 標識二次抗体
d) 二次抗体法 ( 間接法 ):IgG コントロール + PE 標識二次抗体

データ提供:
国立成育医療センター研究所
発生・分化研究部 河信敬先生

HSL96 抗体提供:
東京医科歯科大学 大学院 医歯学総合研究科
免疫アレルギー学分野 烏山一先生

参考文献

参考文献を表示する

1) K.R. McCarthy, A. Watanabe, M. Kuraoka, K.T. Do, C.E. McGee, G.D. Sempowski, T.B. Kepler, A.G. Schmidt, G. Kelsoe and S.C. Harrison, "Memory B Cells that Cross-React with Group 1 and Group 2 Influenza A Viruses Are Abundant in Adult Human Repertoires"Immunity., 2018, 48, (1), 174.
2) K.Y Su, A. Watanabe, C.H. Yeh, G. Kelsoe, M. Kuraoka, "Efficient Culture of Human Naive and Memory B Cells for Use as APCs"J. Immunol.., 2016, 197, (10), 4163.
3) T. Tsujikawa, T. Yaguchi, G. Ohmura, S. Ohta, A. Kobayashi, N. Kawamura, T. Fujita, H. Nakano, T. Shimada, T. Takahashi, R. Nakao, A. Yanagisawa, Y. Hisa, Y. Kawakami, "Autocrine and paracrine loops between cancer cells and macrophages promote lymph node metastasis via CCR4/CCL22 in head and neck squamous cell carcinoma"Int. J. Cancer., 2013, 132, (12), 2755.
4) Y. Inaguma, Y. Akahori, Y. Murayama, K. Shiraishi, S. Tsuzuki-Iba, A. Endoh, J. Tsujikawa, A. Demachi-Okamura, K. Hiramatsu, H. Saji, Y. Yamamoto, N. Yamamoto, Y. Nishimura, T. Takahashi, K. Kuzushima, N. Emi, Y. Akatsuka, "Construction and molecular characterization of a T-cell receptor-like antibody and CAR-T cells specific for minor histocompatibility antigen HA-1H"Gene Ther.., 2014, 21, (6), 575.
5) A. Watanabe, K. R. McCarthy, M. Kuraoka, A. G. Schmidt, Y. Adachi, T. Onodera, K. Tonouchi, T. M.Caradonna, G. Bajic, S. Song, C. E. McGee, G. D. Sempowski, F. Feng, P. Urick, T. B. Kepler, Y. Takahashi, S. C. Harrison, and G. Kelsoe, 'Antibodies to a Conserved Influenza Head Interface Epitope Protect by an IgG Subtype-Dependent Mechanism.', Cell.., 2019, 177, (5), 1124.

よくある質問

Q

Labeling Kitで1次抗体を直接標識する利点を教えてください。

A

はじめて抗体標識をされる方を対象としたプロトコルを作成しております。
カスタマーサポートの視点から直接標識法の利点や実施例等を記載しておりますので、ご参照下さい。

下記リンクよりダウンロード可能です。
「はじめての抗体標識プロトコル ~カスタマーサポートの視点から~」

Q

サンプル溶液中の共存物は反応に影響しますか?

A

共存物の種類により影響することがあります。
溶液中にどのような物質が含まれるかを確認の上、状況に応じてラベル化に用いるサンプルの精製を行い、標識反応にご使用ください。

<高分子:分子量1万以上>
影響する可能性があります。
BSAやゼラチンなどアミノ基をもつ化合物が含まれると、抗体への標識効率が低下します。また、高分子のためFiltration Tubeでも除くことができません。また、アミノ基を持たない化合物でも、高分子の不純物が多いとフィルターの目詰まりの原因になり、標識・精製操作に支障がでる可能性もあります。反応に使用する前に別途精製を行ってください。
*本製品に限らず他のLabeling kit に関しても同様の注意が必要です。

Q

サンプルは溶液になっていても問題ないでしょうか?

A

溶液になっていること自体は問題ありません。
ただし、下記の点をご確認いただいた上でご使用ください。
-濃度-
 サンプル濃度が0.5 mg/ml以下(50 μg/100 μl以下)である場合には
 Filtration tubeを用いてサンプル量が50~200 μgとなるように
 遠心して濃縮を行ってください。
 フィルター上に残ったサンプルは再溶解させる必要はありません。
 そのまま反応にご使用ください。

-溶液量-
 Filtration tubeの容量に制限がありますので、溶液の量は100μl以下でご使用ください。

-共存物-
 ・不溶性の低分子が含まれる場合は、予め遠心して上清のみを使用してください。
 ・分子量10,000 以上の物質が含まれる場合には、別途精製を行ってからご使用ください。
  (市販の抗体の中には安定化剤としてBSAやアルブミンを含む場合があります)

Q

低分子の蛍光色素と比較して、蛍光タンパク色素を標識するメリットは何でしょうか?

A

以下のような点が挙げられます。

・1分子あたりの蛍光強度が大きいので、IgGに1分子の蛍光タンパクが標識された場合、
 Fluoresceinなどの数倍の蛍光強度が得られます。

・励起スペクトルの吸収域が広いので、極大を外れた波長でも励起できます。
 (幅広い励起フィルターが活用できます)

Q

低分子のタンパク質(分子量 50,000 以下)に標識する場合の方法を教えて下さい。

A

キット付属のフィルトレーションチューブは分画分子量30Kの限外濾過フィルターのため、余裕をもって50,000 以上のタンパク質のご使用を推奨しています。

分子量50,000 以下のタンパク質を標識される場合は、下記のような分画分子量の小さい限外濾過フィルターに変更して頂くことで、低分子のタンパク質でもラベル化可能でございます。

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PALL社 ナノセップ  3K 製品No.OD003C33
PALL社 ナノセップ 10K 製品No.OD010C33 
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キット同梱のフィルターを用いた場合に比べ遠心に時間を要することがございますので遠心時間はご検討下さい。

Q

蛍光タンパクが3種類ありますが、それぞれの波長特性を教えてください。

A

Allophecocyanin(略:APC) 励起波長:650 nm 蛍光波長:660 nm

B-Phycoerythrin(略:B-PE) 励起波長:564 nm 蛍光波長:575 nm

R-Phycoerythrin(略:R-PE) 励起波長:564 nm 蛍光波長:575 nm

Q

標識率は出せますか?

A

標識後のサンプル溶液には、未反応のReactive体が含まれるため標識率を算出することはできません。

取扱条件

取扱条件
保存条件: 冷蔵 , 取扱条件: 吸湿注意
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