08 ラベル化剤

Alkaline Phosphatase Labeling Kit - NH2

Alkaline Phosphatase Labeling Kit - NH<sub>2</sub>

抗体・タンパク質標識キット

  • 初めてALP標識する
  • 比較的簡単な操作で実験したい
  • ELISAを組みたい
  • 製品コード
    LK12  Alkaline Phosphatase Labeling Kit - NH2
容 量 メーカー希望
小売価格
富士フイルム
和光純薬
3 samples ¥27,800 343-90871
サンプル量 50-200 µg
所要時間 3時間
標識部位 -NH2
検出方法 顕微鏡・ウエスタンブロット・プレートリーダー
基質 NBT,PNPP等

・高分子化合物(MW>50,000)および低分子化合物(MW<5,000)を標識できる。

・NH2-Reactive ALPと混合するだけでALP標識体を形成する。

・Filtration tubeを用いた分離操作により高い回収率で標識体が得られる。

・付属の保存溶液でALP標識体の保存ができる。

キット内容
3 samples ・NH2-Reactive Alkaline Phosphatase
・Washing Buffer
・Reaction Buffer
・Storage Buffer
・Filtration Tube
3 tubes
4 ml ×1
200μl ×1
4 ml ×1
3 tubes

性質

Alkaline Phosphatase Labeling Kit – NH2は、アミノ基を有する分子にアルカリホスファターゼ(ALP)を標識するためのキットである。NH2-Reactive ALPは、活性エステル基を導入したALPで、アミノ基を有する分子と混合するだけで安定な共有結合を形成する。
 IgGのようなタンパク質をサンプルに使用する場合、付属のFiltration Tubeを用いて簡単にサンプルの前処理を行うことができる。ALP活性や標識反応を阻害するような低分子化合物(リン酸やトリスなど)は、Filtration Tubeを用いた前処理によって除去されるため、透析やゲルろ過などの処理を行う必要がない。また、本キットを用いて低分子化合物を標識する場合、未反応の低分子化合物は付属のFiltration Tubeを用いた精製操作により除去されるため、高純度の標識体を得ることができる。
 本キットには標識に必要なすべての試薬と作製したALP標識体を保存するための溶液が含まれている。

開発元 Dojindo Molecular Technologies, inc.

マニュアル

Alkaline Phosphatase Labeling Kit - NH2の使い方

技術情報

特長

1) 約3時間以内にALP標識体が調製できる。
2) 高分子化合物(MW>50,000)および低分子化合物(MW<5,000)を標識できる。
3)50~200 μgのタンパク質を標識可能である。
4) NH2-Reactive ALPと混合するだけでALP標識体を形成する。
5) Filtration Tubeを用いた分離操作により、高い回収率で標識体が得られる。
6) 付属の保存溶液でALP標識体の保存ができる。

注意事項

市販の抗体などでゼラチンやアルブミン等を安定化剤として含む場合、それらの成分を除いてからご使用ください。試料中の共存物質の影響については「よくある質問:サンプル溶液中の共存物は反応に影響しますか?」に詳細を記載しておりますのでご参照ください。

NH2-Reactive Alkaline Phosphataseは、アルミラミジップに3本入っています。アルミラミジップを一旦開封した後は、未使用のNH2-Reactive Alkaline Phosphataseは、アルミラミジップに入れたまま、チャックをしっかりと閉め、-20℃で保存してください。NH2-Reactive Alkaline Phosphatase以外は、0~5℃で保存してください。

冷蔵保存中もしくは室温に戻した際に、フィルトレーションチューブに水滴様の液粒が見られることがあります。これはメンブランの乾燥防止剤が液粒化したもので、製品の性能に問題はございません。

本キットには溶液の入ったマイクロチューブのコンポーネントが含まれています。チューブ内壁やキャップに溶液が付着していることがありますので、開封前に振り落としてご使用ください。

 

キット以外に必要なもの

・10 μl, 200 μl マイクロピペッター

・インキュベーター(37℃)

・遠心機(マイクロチューブ用)

・マイクロチューブ(標識体保存用)

反応原理

IgGへの標識

実験例 ALP標識一次抗体を用いたウエスタンブロット


ALP標識一次抗体の25,000倍希釈で染色し、ALP蛍光基質(Bold APB chemiluminesent substratem, Molecular probes)を反応させ、20秒間露光した。

参考文献

参考文献を表示する

1) B. Pandey, A.V. Demchenko, K.J. Stine, "Nanoporous gold as a solid support for protein immobilization and development of an electrochemical immunoassay for prostate specific antigen and carcinoembryonic antigen"Microchim Acta., 2012, 179, (1-2), 71.
2) M. Watanabe, I. Takemasa, N. Kaneko, Y. Yokoyama, E. Matsuo, S. Iwasa, M. Mori, N. Matsuura, M. Monden, and O. Nishimura, "Clinical significance of circulating galectins as colorectal cancer markers"Oncol. Rep.., 2011, 25, (5), 1217.
3) Y. Matsumae, Y. Takahashi, H. Shiku and T. Matsue, "Quantitative Real‐Time Monitoring of Antibody‐Induced Internalization of Epidermal Growth Factor Receptor on Single Living Mammalian Cells Using Scanning Electrochemical Microscopy"ChemElectroChem., 2018, 5, (20), 3096.

よくある質問

Q

Labeling Kitで1次抗体を直接標識する利点を教えてください。

A

はじめて抗体標識をされる方を対象としたプロトコルを作成しております。
カスタマーサポートの視点から直接標識法の利点や実施例等を記載しておりますので、ご参照下さい。
下記リンクよりダウンロード可能です。

「はじめての抗体標識プロトコル ~カスタマーサポートの視点から~」

Q

サンプル溶液中の共存物は反応に影響しますか?

A

共存物の種類により影響することがあります。
溶液中にどのような物質が含まれるかを確認の上、状況に応じてラベル化に用いるサンプルの精製を行い、標識反応にご使用ください。

<高分子:分子量1万以上>
影響する可能性があります。
BSAやゼラチンなどアミノ基をもつ化合物が含まれると、抗体への標識効率が低下します。また、高分子のためFiltration Tubeでも除くことができません。また、アミノ基を持たない化合物でも、高分子の不純物が多いとフィルターの目詰まりの原因になり、標識・精製操作に支障がでる可能性もあります。反応に使用する前に別途精製を行ってください。
*本製品に限らず他のLabeling kit に関しても同様の注意が必要です。

Q

NH2-Reactive ALPはbufferに溶解後、保存できますか?

A

溶解後は保存せず、すぐに使用して下さい。
NH2-Reactive ALPは水溶液にすると反応部位が徐々に分解するため、反応効率が低下します。

Q

サンプルが水溶液になっていますが、ラベル化に問題はないでしょうか?

A

問題はありません。

但し、添付のFilitration tubeの容量に制限がありますので、
サンプル溶液の容量は100 μl以下である必要があります。
また、サンプルの濃度が0.5 mg/mL以下(50 μg/100 μl以下)である場合は、
Filitration tubeを用いてサンプル量が50~200 μgとなるようにして下さい。
溶液をFilitration tubeにいれて遠心して溶液を除く操作を行って下さい。(必要であれば繰り返す)
フィルター上に残っているサンプルの量が50~200 μgとなればよいので、改めて溶解させる必要はありません。

*注:低分子の阻害物質は最初の段階で除かれますが、高分子(分子量1万以上)の阻害物質(例;BSA、ゼラチン)は除くことが出来ません。使用前に別途除去して下さい。

Q

低分子のタンパク質(分子量50,000以下)に標識する場合の方法を教えて下さい。

A

キット付属のフィルトレーションチューブは分画分子量30Kの限外濾過フィルターのため、余裕をもって50,000以上のタンパク質のご使用を推奨しております。

分子量50,000以下のタンパク質を標識される場合は、下記のような分画分子量の小さい限外濾過フィルターに変更して頂くことで、低分子のタンパク質でもラベル化可能でございます。

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PALL社 ナノセップ  3K 製品No.OD003C33
PALL社 ナノセップ 10K 製品No.OD010C33 
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キット同梱のフィルターを用いた場合に比べ遠心に時間を要することがございますので遠心時間はご検討下さい。

Q

どのようなものが標識できますか?

A

分子量が「5,000以下」もしくは「50,000以上」で反応性のアミノ基(NH2)を有している
化合物(抗体、蛋白質など)であれば標識できます。

分子量が「5,000以下」、「50,000以上」で操作方法が若干異なりますので、製品に添付の説明書をご覧いただき標識反応を行ってください。

Q

IgG 1分子に対して、どれくらいのAlkaline Phosphataseが標識されますか?

A

IgG 1分子に対して平均1~2分子のAlkaline Phosphataseが標識されます。

Q

標識率は出せますか?

A

標識後のサンプル溶液には、未反応のReactive体が含まれるため標識率を算出することはできません。

取扱条件

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保存条件: 冷蔵 , 取扱条件: 吸湿注意
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