01 細胞増殖/細胞毒性測定用試薬

Glutamine Assay Kit-WST

Glutamine Assay Kit-WST

グルタミン測定キット

  • 製品コード
    G268  Glutamine Assay Kit-WST
容 量 メーカー希望
小売価格
富士フイルム
和光純薬
100 tests ¥58,900 348-09611
キット内容
100 tests ・Dye Mixture
・Glutamine Standard 
・Enzyme 
・Assay Buffer          
・Reconstitution Buffer    
・lysis Buffer
・Glutaminase  
・Reaction Buffer  
・Filtration Tube   
×1
×1
×1
7.5 ml×1
750 ×l×1
25 ml×1
20 ×l×1
5 ml×1
×12

性質

グルタミンは、TCAサイクルの中間体であるα-ケトグルタル酸の供給源であり、核酸やその他のアミノ酸合成およびエネルギー産生に利用される重要な物質です。特にがん細胞では、グルタミンを基質に、α-ケトグルタル酸を供給する経路である「グルタミノリシス」が亢進しており、グルタミノリシスは活性酸素種の消去や、酸化型グルタチオンの還元といったことに大きく寄与しているということが報告されています。
 Glutamine Assay Kit-WSTは、エネルギー代謝基質であるグルタミンを定量するキットです。細胞培養液中あるいは細胞内のグルタミンは、WSTの還元反応により定量することができ、グルタミンの定量下限は5 μmol/lです。また、96穴マイクロプレートに対応しているため、多検体測定が可能です。

技術情報

グルタミンの測定原理

本キットは、グルタミン量に応じ発色したWSTホルマザンを吸光度測定することで、細胞培養液や細胞内のグルタミンを検出することができます。またキットにはグルタミン標準液が含まれており、標準曲線を作成しサンプル中のグルタミン濃度を定量することができます。

技術や使用製品に関する補足

学会発表ポスター

WSTを用いた細胞の代謝解析

測定操作


*Glutaminase solution は、Glutamine standard solution および Sample(Glutaminase solution添加有)の各ウェルに入れSample(Glutaminase solution添加無)にReaction Bufferを入れます。

 サンプル中グルタミンは、以下の計算式より求めます。
 サンプル中グルタミン濃度(mmol/l)=(Glutaminase solution添加有)
-(Glutaminase solution添加無)

 

検量線の作成例

本キットのGlutamine Standardを用い作成した検量線からサンプル中のグルタミン濃度を求めることができます。グルタミン濃度が0.5 mmol/l以上の場合は、サンプルを希釈することで評価いただけます。

グルタミン及びグルタミン酸の測定例

A549 細胞を6 穴プレートに播種し、培養時間に伴う細胞培養上清中のグルタミン濃度をGlutamine Assay Kit-WST を用いて測定し、グルタミン酸濃度の変化をGlutamate Assay Kit-WST を用いて測定しました。
その結果、培地中のグルタミン濃度は時間と共に減少し、グルタミン酸濃度は時間と共に増加する結果が得られました。

 

参考文献

参考文献を表示する

文献No. 対象サンプル 引用(リンク)
1 細胞
(マクロファージ)
N. Saeki and Y. Imai, "Reprogramming of synovial macrophage metabolism by synovial fibroblasts under inflammatory conditions ”Cell Commun Signal, 202018, 188.
2 細胞
(去勢抵抗性前立腺がん細胞)
R. Imamura, S. Kitagawa, T. Kubo, A. Irie, T. Kariu, M. Yoneda, T. Kamba, T. Imamura, "Prostate cancer C5a receptor expression and augmentation of cancer cell proliferation, invasion, and PD‐L1 expression by C5a", Prostate2020, doi:10.1002/pros.24090.
3 細胞
(HSC-2; HSC-3; HeLa; HaCaT)
S. Liu, J. Washio, S. Sato, Y. Abiko, Y. Shinohara, Y. Kobayashi, H. Otani, S. Sasaki, X. Wang and N. Takahashi, "Rewired Cellular Metabolic Profiles in Response to Metformin under Different Oxygen and Nutrient Conditions", 2022, doi:10.1016/j.snb.2021.130554.

よくある質問

Q

1キットあたり測定可能なサンプル数を教えて下さい。

A

検量線の作成およびサンプルの測定をそれぞれn=3で行った場合、96 wellプレート1枚当たり12サンプル数測定できます(検量線の測定濃度を下表の通り8点で作成した場合)。

Glutamine standard solutionとサンプルのレイアウト例(n=3)

注) Glutamine Assay Kit-WSTを用いてサンプル中グルタミン濃度を定量する場合、1サンプルにつき、[Glutaminase solution処理済有のサンプル(n=3)]および[Glutaminase solution処理無のサンプル(n=3)]の計6well分が必要です。

サンプル中のグルタミン濃度(mmol/l)=(Glutaminase solution処理済有)-(Glutaminase solution処理無)

 

Q

Working solutionは保存できますか?

A

 Working solutionは保存できません。用時調製して下さい。また、光に不安定であるため、調製後は遮光して下さい。

Q

D-Glutamineの定量はできますか。

A

本製品はL-Glutamine定量用となりますので、D-Glutamineの定量はできません。

Q

還元物質を含むサンプルは測定できますか。

A

サンプル中に還元性を持つ物質が含まれていると、色素WSTが誤発色して正確なグルタミン濃度の定量ができません。
培地に、還元性を持つ薬剤等を添加して実験を行う場合、バックグラウンドコントロールとして細胞を含まない培地+薬剤のみの試薬ブランクを一緒に測定して下さい。
 

Q

測定試料は保存できますか。

A

細胞培養上清サンプルの場合、冷凍(-20℃)で1ヶ月保存可能であることを確認しています。

細胞ライセートサンプルの場合、冷凍(-20℃)で1ヶ月保存可能であることを確認しております。ただし、保存を行う前に、キット付属のFiltration Tubeにて除タンパク処理を行って下さい。

Q

サンプルが発色しません。

A

本キットで定量可能なグルタミン濃度は5 µmol/l以上です。グルタミン濃度が5 µmol/l以下の測定試料は本キットでは定量できません。
また、測定試料を希釈している場合、希釈後の測定試料に含まれているグルタミン量が5 µmol/Lよりも少ない可能性があります。
希釈倍率を下げ、測定試料の濃度を定量可能範囲以上にして下さい。
 

Q

450 nm以外の吸収フィルターで測定できますか。

A

450 nm以外では、490 nmのフィルターで使用可能です。
ただし、吸光度値は450 nmで測定した場合と比較し低くなります。(下図参照)

 

取扱条件

取扱条件
保存条件: 冷蔵 , 取扱条件: 吸湿注意
危険・有害
シンボルマーク
炎感嘆符健康有害性
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