Fluo 4-AM
細胞内カルシウムイオン測定試薬
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製品コードF311 Fluo 4-AM
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CAS番号273221-67-3
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化学名1-[2-Amino-5-(2,7-difluoro-6-acetoxymethoxy-3-oxo-9-xanthenyl)phenoxy]-2-(2-amino-5-methylphenoxy)ethane-N,N,N',N'-tetraacetic acid, tetra(acetoxymethyl) ester
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分子式・分子量C51H50F2N2O23=1096.94
容 量 | メーカー希望 小売価格 |
富士フイルム 和光純薬 |
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1 mg | ¥54,400 | 345-90951 |
【注意】
本品は、通常、チューブ底面にフィルム状に付着した状態となっております。
稀に、輸送中の振動等により本品がチューブ底面から外れ、チューブ壁面やキャップ裏に付着している場合がございます。
内容物を下に落としてから開封をしてご使用ください。
ご不明な点がございましたら、小社カスタマーリレーション部までお問合せください。(Free Dial:0120-489-548)
性質
Fluo 4はFluo 3のクロル基(Cl)をフルオロ基(F)へと置きかえた構造を持つカルシウム蛍光プローブである。より電子吸引性の高いフルオロ基に置き換わったことで、励起極大波長はFluo 3よりも約10 nm短波長側にシフトしている。これはアルゴンレーザーの波長により近い。そのため、アルゴンレーザー励起によるFluo 4 の蛍光強度はFluo 3の約2倍と高感度である。
Fluo 4 のCa2+ 親和力はFluo 3と近い値であるため(Fluo 3 : Kd=0.4 μmol/L, Fluo 4 : Kd=0.345 μmol/L)、汎用されているFluo 3 と同様に、共焦点レーザー顕微鏡やフローサイトメーターなどの装置を用いた細胞内のカルシウムイオンの動態観察に有用である。
Fluo 4-AMは Fluo 4のカルボキシル基を脂溶性のアセトキシメチルエステル体にして細胞膜透過性としたものである。細胞懸濁液に混ぜるだけで容易に細胞内に取り込まれ、細胞内のエステラーゼにより加水分解されて Fluo 4 を再生し、細胞内 Ca2+を蛍光モニターできる。
マニュアル
技術情報
溶解例
1 mg/0.5 mL(アセトニトリル)、1 mg/mL(ジメチルスルホキシド)
よくある質問
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Q
細胞内カルシウム測定試薬は何種類かありますが、どのように選べばよいのでしょうか?
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A
測定機器や測定波長などで選ばれることが多いようです。
製品名の後ろに[-AM]が付いているものは細胞膜透過型になります。
それぞれの試薬の特性は
【Fura 2】
・2励起1蛍光
励起(λex= Ca:340nm, Ca free:380nm)、蛍光:λem=500nm
・解離定数:224nmol/l
・蛍光強度比での測定が出来るので、誤差要因の補正を行なうことが出来る。
=>細胞内Ca濃度の計算が行ない易い。
・最も多く使用されている。
・励起フィルターを切替えなくてはいけないので、切替え間のタイムロスがある。
(機器の性能にもよる)
【Fluo 3】
・1励起1蛍光
励起:λex=508nm、蛍光:λem=527nm
・解離定数:400nmol/l
・励起波長が長波長側にあるので細胞に与える障害が少ない
(NADH,NADPHの影響が出ない)
・Arレーザーによる励起装置が使用出来る。
・スライス標本には適さない
(Fluo3がスライス表面の死んだ細胞に結合するのか、細胞外のカルシウム濃度を測定する)【Fluo 4】
・1励起1蛍光
励起:λex=495nm、蛍光:λem=518nm
・解離定数:345nmol/l
・Fluo 3と比較して、励起極大波長が約10 nm短波長側にシフトしており、アルゴンレーザー励起による蛍光強度が約2倍と高感度である。【Indo 1】
・1励起2蛍光
励起:λex= 330nm、蛍光(λem= Ca:410nm, Ca free:485nm)
・解離定数:250nmol/l
・励起波長の切替えの必要がないので、非常に早い速度のCa濃度変化や心筋細胞の
ような動きの試料も測定できる(但し、検出器は2台必要)
【Rhod 2】
・1励起1蛍光
励起:λex=553nm、蛍光:λem=576nm
・解離定数:1.0μmol/l
・励起波長が長波長側にあるので細胞に与える障害が少ない
(NADH,NADPHの影響が出ない)
・Arレーザーによる励起装置が使用出来る。
【Quin 2】
・1励起1蛍光
励起:λex=339nm、蛍光:λem=492nm
・解離定数:110nmol/l
・一番最初に開発されたプローブ
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Q
はじめて測定します。Ca2+プローブの原理や測定方法、トラブルシューティング法を分かり易く教えて下さい。
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A
はじめて細胞内Ca2+測定をされる方を対象としたプロトコルを作成しております。
原理、Ca2+プローブの特徴、測定方法、トラブルシューティングの方法等を記載しておりますので、ご参照下さい。下記リンクよりダウンロード可能です。
取扱条件
性状: | 本品は、赤橙色粉末又は固体である。 |
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純度(HPLC): | 98.0% 以上 |
アセトニトリル溶状: | 試験適合 |
蛍光スペクトル: | 試験適合 |
NMRスペクトル: | 試験適合 |
保存条件: 冷凍,遮光 |