Dithiobis(succinimidyl hexanoate)

架橋剤
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製品コードD539 Dithiobis(succinimidyl hexanoate)
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CAS番号1083285-37-3
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化学名Dithiobis(succinimidyl hexanoate)
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分子式・分子量C20H28N2O8S2=488.58
容 量 | 本体価格 |
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10 mg | ¥15,600 |
性質
<Carboxy disulfide NHS ester type>
Carboxy disulfide NHS ester類は、Carboxy disulfideのカルボキシル基をNHSで活性化した誘導体である。SAMs形成後、活性化の手間無く、タンパク質等を固定化することができる。
P. Wagnerらは、Dithiobis(succinimidyl undecanoate)が密にSAMを形成することをエリプソメトリー等により確認している。また、そのSAMは高い反応性を持ち、アミノ酸を容易に固定化できると報告している1)。
水分により劣化するため、取扱い及び保管の際は吸湿を避け、溶媒を使用する際には溶媒の脱水が必要である。また、アルコール類やアミン類などのプロトン性溶媒は、活性エステルと反応する恐れがあるため、使用に適さない。
技術情報
溶解例
10 mmol/L 以上(Chloroform, Dichloromethane, Tetrahydrofuran, Acetonitrile, Ethyl acetate, Dimethyl sulfoxide, Dimethyl formamide).
参考文献
1) P. Wager, F. Zaugg, P. Kernen, M. Hegner and G. Semenza, "ω-functionalized self-assembled monolayers chemisorbed on ultraflat Au(111) surfaces for biological scanning probe microscopy in aqueous buffers", J. Vac. Sci. Technol. B, 1996, 14(2), 1466.
よくある質問
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Q
SAMsとはどのようなものですか?
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A
固体表面に種々の分子が自発的に高密度・高配向な分子膜を形成することを自己組織化(Self-assemble:SA)といい、形成された単分子膜を自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayers:SAMs)といいます。
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Q
SAMsを形成するための基板の浸漬条件を教えてください。 (溶媒・溶液安定性・濃度・浸漬時間など)
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A
溶媒や濃度、および浸漬時間に制限はありませんが、条件により膜の配向や密度に影響を与えます。目的に応じて調整、検討を行ってください。
下記にこれまで報告されている浸漬条件の一例を示します。(1)溶媒
チオール類が溶解し、それらと化学反応しないものが使用可能です。エタノールを使用した報告例が比較的多くみられます。
必要に応じて蒸留したものや、溶液中の溶存酸素を除去するために不活性ガス(窒素ガスまたはアルゴンガス)でバブリングしたものを使用します。
また、末端NHSエステル型などは、アルコール類やアミン類およびチオール類と反応する恐れがあり、溶媒中の水で分解する恐れもありますので、脱水した溶媒を使用するなど、試薬によっては使用時に注意が必要な場合があります。(2)溶液安定性
溶媒中の溶存酸素によるチオールからジスルフィドへの酸化や水分による分解が考えられるため、溶液の用時調整をお勧めします。
チオール溶液保存中に生成する副生成物は主にジスルフィドです。(3)濃度
数μ~数10 μmol/Lで一般的に行われています。(4)浸漬時間
数10分~数時間。
濃度にもよりますが、チオール類の吸着は比較的短時間でもかなり飽和吸着に近い形で吸着しますが、その後ゆっくりと時間をかけて配向性が高くなると言われています。