07 膜タンパク質可溶化剤

Sodium deoxycholate (for protein crystallization)

Sodium deoxycholate (for protein crystallization)

膜タンパク質可溶化剤

  • 製品コード
    D520  Sodium deoxycholate (for protein crystallization)
  • CAS番号
    145224-92-6
  • 化学名
    Deoxycholic acid, sodium salt, monohydrate
  • 分子式・分子量
    C24H39NaO4・H20=432.57
容 量 メーカー希望
小売価格
富士フイルム
和光純薬
1 g ¥10,300 341-08121

性質

陰イオン性界面活性剤:cmc=5 mmol/L
デオキシコール酸ナトリウムはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)同様、陰イオン性界面活性剤で、cmc値は5 mmol/Lである。本試薬はステロイド環上にも2つの水酸基を持ち、かつ末端にカルボキシル基を持っているため親水性部分が分子の一部分に限定されないという特徴を持つ。3つの水酸基を持つコール酸に比べると親水性は弱く、より強い界面活性作用を示す。デオキシコール酸は7分子が会合して小さいミセルを形成するため、透析等によって除去しやすい。
 この応用としては、大腸菌のH+輸送性ATPase(F0F1)の可溶化に0.35 %濃度で用いられた例や、好熱菌PS3のアラニン輸送担体を2 %コール酸ナトリウムと1 %デオキシコール酸ナトリウムの混合溶液で可溶化した例などがある。
 市販のものは着色しているものが多いが、本品は精製をくり返すことにより、着色を除いたものである。そのまま水に溶かして、膜タンパク質の可溶化、精製に使うことができる。

技術情報

溶解例

300 mg/10mL(水)

参考文献

参考文献を表示する

1) D. L. Foster and R. H. Fillingame, "Energy-transducing H+-ATPase of Escherichia coli. Purification, Reconstitution, and Subunit Composition", J. Biol. Chem., 1979, 254, 8230 .
2) H. Hirata, N. Sone, M. Yoshida and Y. Kagawa, "Solubilization and Partial Purification of Alanine Carrier from Membranes of a Thermophilic Bacterium and its Reconstitution into Functional Vesicles", Biochem. Biophys. Res. Commun., 1976, 69, 665.
3) J. C. Norton, S. E. Holt, W. E. Wright and J. W. Shay, "Enhanced Detection of Human Telomerase Activity", DNA Cell Biol., 1998, 17, 217.
4) M. B. Jones and J. C. Garrison, "Instability of the G-Protein -β-5-subunit in Detergent", Anal. Biochem., 1999, 268, 126.

よくある質問

Q

cmc(臨界ミセル濃度)はタンパク質可溶化にどのように関係するのですか。

A

界面活性剤はcmc以上の濃度でないとミセルを形成しません。
その濃度以上でないとタンパク質の可溶化も出来ません。タンパク質を可溶化する場合、最終濃度がcmc以上となるように調製する必要があります。
一方、タンパク質を可溶化した溶液からこの界面活性剤を除去するときにもcmcは重要となります。透析を例として説明します。ミセルは界面活性剤の集合体ですが、ミセルを形成することで一つの大きな分子として振る舞います。
ミセルを形成している場合、ミセルは透析膜を通過出来ません。よって、cmcが比較的大きい分子ほど、モノマーの状態の比率が高くなる傾向がありますので、
透析により簡単に除去できます。
cmc以下に希釈すれば透析はさらに容易になるため、cmcが高いほど低い希釈率で透析ができます。下記に同仁販売製品一覧およびcmc値を示します。ご参照ください。
http://www.dojindo.co.jp/download/det/det1.pdf

取扱条件

規格
性状: 本品は、白色粉末で水に溶ける。
純度(HPLC): 98.0% 以上
水溶状: 試験適合
水分: 3.0~6.0%
吸光度: 0.065以下(280 nm)
IRスペクトル: 試験適合
取扱条件
取扱条件: 吸湿注意
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