15 比色試薬/金属指示薬

Diantipyrylmethane

Diantipyrylmethane

比色試薬/金属指示薬

  • 製品コード
    D008  Diantipyrylmethane
  • CAS番号
    1251-85-0
  • 化学名
    Di(4-antipyryl)methane, monohydrate
  • 分子式・分子量
    C23H24N4O2・H2O=406.48
容 量 本体価格 富士フイルム
和光純薬
25 g ¥8,400 342-00932

性 質

ジアンチピリルメタンは各種の金属イオンと難溶性の沈澱を生成することより、重量分析、沈澱分離に用いられる。また、沈殿物は有機溶媒に溶けることより、抽出比色試薬としても用いられる。特に微量のチタンの分析に有用である。
 水には溶け難いが(0.04%)、鉱酸、アルコール、クロロホルム(17.6%、20℃)にはよく溶ける。ベンゼン(1.7%)、四塩化炭素(0.28%)には微溶である。
 酸性溶液中でのチタン(IV)との反応は選択的かつ高感度で、生成したチタン錯体はヨウ化物イオン、チオシアン酸イオン、酒石酸、ピロカテコールなどの存在で有機溶媒に抽出されるので抽出吸光光度定量が可能である。タンタル中のチタンの定量法として JIS H1693に採用されている。
 鉄とも弱酸性中で水溶性の褐色錯体(λmax=450 nm)を形成する。二波長分光測光法による鉄とチタンの同時定量法の報告がある。四条らはイオン対逆相分配HPLCによる河川水中のチタンの定量法に応用し、1.8 μg/Lの検出限界を達成している。

技術情報

応用可能な金属イオン

抽出、 比色試薬として:Fe, Mo, Ti, Uなど
重量分析試薬として:Bi, Ca, Cd, Co, Cu, Hg, Ir, Os, Pb, Sr, Ti, Znなど
抽出分離試薬として:Ag, Cd, Cr, Cu, Fe, Sc, Sn, Te, Ti, V, Zn, Zr, 希土類金属など

比色条件

Fe(III)(450 nm,ε=5.4×103), Ti(IV)(0.5~4 mol/L HCl, λmax=385~390 nm, ε=1.5×104, 0.2~3 ppm TiO2

応用例

(1)重量分析試薬として
Cd, Co, Os, Ir が H2(DAM)2[MeX4](但し、DAM=ジアンチピリルメタンカチオン、Me=金属、X=ハロゲン)、Hgが H2(DAM) [HgI4]、ReがH2(DAM) [ReCl6], Bi, Ga, Tlが H(DAM)[MeX4]錯体、Si がケイモリブデン酸-DAM錯体、Ge がGe-有機アニオン-DAM 錯体として沈殿する。沈殿はろ別、乾燥後秤量する。
(2)比色試薬として
ジアンチピリルメタンは酸性溶液中で Ti と反応して、水溶性の黄色の錯体(λmax=390 nm)を形成する。
TiO2++3DAM+2H⇔[Ti(DAM)3]4++H2O
 このときモル吸光数は1.5×104と高感度で、定量条件を適当に選べばAl, Cd, Co, Fe, Hf, Nb, Ni, Sc, Ta, V, W, Zrなどの妨害なく選択的にTiを比色定量できる。JIS H 1693の場合、390 nmで比色し、Tiとして0.001%以上の試料に適する。そのほか,Au, Bi, Ce, Co, Cr, Fe, Ge, Ir, Mo, Os, Pd, Pt, Rh, Sb, Te, Tl, U, Vなどの比色試薬としても利用できる。
(3)分離試薬として
DAM とは種々の金属がハロゲンイオンの共存下混合錯体を作るが、その錯体の安定度および有機溶媒に対する溶解度の差を利用して適当な条件を選ぶことにより、各種金属の抽出あるいは沈殿分離が可能となる。特に極めて類似した性質をもった金属、Cd、と Zn,In と Gaの組合せの相互分離など興味ある報告が多い。そのほか、微量のCd,Fe,Co の Niからの分離、Ti,Alからの Fe の分離、Ir、Pd、Ptからの Rh の分離なども報告されている。
(4)抽出キレート滴定試薬として
金属を適当な条件下で有機溶媒に抽出して妨害元素から分離したのち、水相に逆抽出して、金属イオンはキレート滴定によって定量する例が、Bi, Cd, Cu, Fe, Ga, Ge, In, Mo, W, Znについて報告されている。
(5)電流滴定、電位差滴定、ポーラログラフィーへの応用
Bi, Cd, Ta, Si, Pについて電流滴定法が、Cdについて電位差滴定法が、Sb についてポーラロ法が報告されている。
(6)その他
そのほか、Hg,Geの比濁定量、およびZrを加えて反応させ、過剰のZrをXOを指示薬として滴定することによりジアンチピリルメタン自身の定量をこころみた報告などがある。また、ジアンチピリルメタンのメチレン基(-CH2-)の水素を、メチル、プロピル、フェニル、イソブチル、n-ヘキシル、ジメチルアミノフェニル、スチリル、ジメトキシフェニル、カルボキシフェニルなどで1個あるいは2個置換した誘導体や、アンチピリル基でおきかえたトリアンチピリルメタンなどを用い、Tiのほか、種々の金属と錯体を作らせ、その性質を研究あるいは分析に応用した報告がある。

溶解例

1 g/20 mL (1 mol/L-HCl)→100 mL(水)

参考文献

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参考文献

1) 梶山緑郎, 山口勝正, "ジアンチピリルメタンによるフェロニオブ中チタン定量法", Jpn. Anal., 1967, 16, 908. 
2) 石井一, "ジアンチピリルメタンを用いるセメントおよび原料中のチタンの吸光光度定量法", Jpn. Anal., 1967, 16, 110. 
3) 石井一, "分析試薬としてのジアンチピリルメタン" ドータイトニュースレター, 1969, 17, 2.
4) 石井一, "ジアンチピリルメタンとその誘導体", Jpn. Anal., 1972, 21, 665. 
5) C. H. Chung, "Simultaneous Determination of Iron and Titanium in Silicate Rocks by Using Diantipyrinylmethane with Dual-wavelength Spectrophotometry", Anal. Chim. Acta, 1983, 154, 259. 
6) N. Uehara, K. Morimoto and Y. Shijo, "Determination of Titanium(III) in River Water by Ion-pair Reversed-phase High-performance Liquid Chromatography with 4,4'-Diantipyrylmethane", Analyst, 1991, 116, 27.

取扱条件

規格
性状: 本品は、白色結晶性粉末で希塩酸に溶ける。
純度(HPLC): 99.0% 以上
希塩酸溶状: 試験適合
融点: 148~159℃
吸光度(チタン錯体): 0.280 以上(390 nm付近)
水分: 2.0~5.0%
IRスペクトル: 試験適合
取扱条件

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