5-Carboxy-1-pentanethiol

Self Assembled Monolayer(SAM)研究用試薬
-
製品コードC387 5-Carboxy-1-pentanethiol
-
CAS番号17689-17-7
-
化学名5-Carboxy-1-pentanethiol
-
分子式・分子量C6H12O2S=148.22
容 量 | メーカー希望 小売価格 |
富士フイルム 和光純薬 |
---|---|---|
10 mg | ¥17,200 | 344-08133 |
性質
<Carboxy type>
末端官能基としてカルボキシル基を有するタイプは、金電極、SPRおよびQCMなどの金基板表面に、アミノ基を有する物質、特にタンパク質を固定化する際に有用である。金基板上にカルボキシル基を有するSAMsを形成後、WSC(EDC)(Code: W001)とNHSで活性化し、タンパク質を結合させる。小社では、カルボキシル基末端SAM基板の活性化に便利なAmine Coupling Kit(Code: A515)を販売しているので、ご活用頂きたい。
Maloneらは抗myoglobin抗体を15-carboxy-1-pentadecanethiolのSAMを介してSPRセンサに固定化することで、市販のカルボキシデキストラン基板よりも3倍感度が高く、非特異吸着は3分の1のSPRセンサを作製できると報告している1)。
アルキル鎖長はSAMsの安定性や、基板の導電性に影響を与える。小社ではC5~C15のアルキル鎖長の誘導体を揃えているので、用途に合わせて選択いただきたい。
技術情報
注意事項
・本製品を粉末の状態で取り出し使用する場合、性状の性質上、静電気等の要因で容器内に付着し、取り出しにくい場合があります。
・容器内に付着し、取り出せなかった粉末に関しては、使用する溶媒を容器に入れ、溶かし出して使用してください。
溶解例
10 mmol/l 以上(Methyl alcohol, Chloroform, Ethyl alcohol, Dichloromethane, Tetrahydrofuran, Hexane, Dimethyl sulfoxide, Dimethyl formamide, Water).
参考文献
参考文献
1) M. R. Malone, J-F. Masson, S. Beaudoin, K. S. Booksh, Proceedings of SPIE-The International Society for Optical Engineering, 2005, 6007.
よくある質問
-
Q
SAMsとはどのようなものですか?
-
A
固体表面に種々の分子が自発的に高密度・高配向な分子膜を
形成することを自己組織化(Self-assemble:SA)といい、
形成された単分子膜を自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayers:SAMs)
といいます。
-
Q
SAMsを形成するための基板の浸漬条件を教えてください。 (溶媒・溶液安定性・濃度・浸漬時間など)
-
A
溶媒や濃度、および浸漬時間に制限はありませんが、
条件により膜の配向や密度に影響を与えます。
目的に応じて調整、検討を行ってください。
下記にこれまで報告されている浸漬条件の一例を示します。(1)溶媒
チオール類が溶解し、それらと化学反応しないものが使用可能です。
エタノールを使用した報告例が比較的多くみられます。
必要に応じて蒸留したものや、溶液中の溶存酸素を除去するために
不活性ガス(窒素ガスまたはアルゴンガス)でバブリングしたものを
使用します。
また、末端NHSエステル型などは、アルコール類やアミン類および
チオール類と反応する恐れがあり、溶媒中の水で分解する恐れも
ありますので、脱水した溶媒を使用するなど、試薬によっては
使用時に注意が必要な場合があります。(2)溶液安定性
溶媒中の溶存酸素によるチオールからジスルフィドへの酸化や
水分による分解が考えられるため、溶液の用時調整をお勧めします。
チオール溶液保存中に生成する副生成物は主にジスルフィドです。(3)濃度
数μ~数10 μmol/Lで一般的に行われています。(4)浸漬時間
数10分~数時間。
濃度にもよりますが、チオール類の吸着は比較的短時間でもかなり飽和吸着に
近い形で吸着しますが、その後ゆっくりと時間をかけて配向性が高くなると
言われています。