-Cellstain®- CFSE
生細胞染色用色素
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製品コードC375 -Cellstain®- CFSE
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CAS番号150347-59-4
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化学名5- or 6-(N-Succinimidyloxycarbonyl)fluorescein 3',6'-diacetate
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分子式・分子量C29H19NO11=557.46
容 量 | メーカー希望 小売価格 |
富士フイルム 和光純薬 |
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1 mg | ¥6,600 | 341-07401 |
性質
CFSEは蛍光色素として細胞内に長時間とどまり、長期的な動的挙動を観察するトレ-サ-としても利用できる、生細胞蛍光染色色素である。CFSEはFluoresceinに細胞内蛋白質と反応するよう活性エステル基を付けている。また、フェノ-ル性水酸基をアセチル化しているため、それ自体蛍光を示さないことから、バックグラウンドを低く抑えることができる。また、脂溶性が高いため、細胞膜の脂質二分子膜層を容易に透過することができる。細胞内に取り込まれたCFSEは細胞内のエステラ-ゼによりアセチル基が加水分解され本来のFluoresceinが持つ蛍光を示すようになり、かつ活性エステル部が細胞内蛋白質のアミノ基と結合し細胞内に固定化できることにより細胞外への漏出が少ない。細胞の成長、分裂融合などの動的挙動が蛍光顕微鏡を用いることによって観測することもできる。
蛍光特性:λex=496 nm, λem=516 nm
【注意】
本品は、通常、チューブ底面にフィルム状に付着した状態となっております。
稀に、輸送中の振動等により本品がチューブ底面から外れ、チューブ壁面やキャップ裏に付着している場合がございます。
内容物を下に落としてから開封をしてご使用ください。
ご不明な点がございましたら、小社カスタマーリレーション部までお問合せください。(Free Dial:0120-489-548)
参考文献
1) M. Bronner-Fraser, "Alterations in Neural Crest Migration by a Monoclonal Antibody That Affects Cell Adhesion", J. Cell Biol., 1985, 101, 610.
2) A. Nose and M. Takeichi, "A Novel Cadherin Cell Adhesion Molecule:Its Expression Patterns Associated WithImplantation and Organogenesis of Mouse Embryos", J. Cell Biol., 1986, 103, 2649.
3) S. A. Weston and C. R. Parish, "New Fluorescent Dyes for Lymphocyte Migration Studies Analysis by Flow Cytometry and Fluorescent Microscopy", J. Immunol. Methods, 1990, 133, 87.
4) C. K. Raymond, P. J. O'hara, G. Eichinger, J. H. Rothman and T. H. Stevens, "Molecular Analysis of the Yeast VPS3 Gene and the Role of Its Product in Vacuolar Protein Sorting and Vacuolar Segregation during the Cell Cycle", J. Cell Biol., 1990, 111, 877.
5) G. Radcliff, R. Waite, J. Lefevre, M. D. Poulik and D. M. Callewaert, "Quantification of Effector/Target Conjugation Involving Natural Killer(NK) or Lymphokine Activated Killer(LAK) Cells by Two-color Flow Cytometry", J. Immunol. Methods, 1991, 139, 281.
6) S. A. Weston and C. R. Parish, "Calcein: a Novel Marker for Lymphocytes Which Enter Lymph Nodes", Cytometry, 1992, 13, 739.
7) L. S. D. Clerck, C. H. Bridts, A. M. Mertens, M. M. Moens and W. J. Stevens, "Use of Fluorescent Dyes in the Determination of Adherence of Human Leucocytes to Endothelial Cells and the Effects of Fluorochromes on Cellular Function", J. Immunol. Methods, 1994, 172, 115.
よくある質問
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Q
細胞染色色素の励起と蛍光の波長を教えて下さい。
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A
*AOはフローサイトメトリーなどでは488nm励起で観察されることもあります
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Q
細胞染色試薬Cellstainの生細胞染色色素の中で細胞内に長く留まるのはどれですか?
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A
細胞内の保持という意味ではやはり「CFSE」が一番細胞の中に長くとどまることが出来ます。
蛍光強度は落ちますが、8週間細胞の中に蛍光色素があったのが確認されております。
「Calcein-AM」「BCECF-AM」で3日間蛍光が観察されております。
「Calcein-AM」は6時間で90%細胞内に保持されているとの報告もございます。
・S.A.Weston, et.al., J.Immunol.Methods, 133, 87-97(1990)
・H.P.Zhong, et.al., Hum.Immunol., 37, 264-270(1993)
ただ、細胞障害活性ということでは「Calcein-AM」「BCECF-AM」の方が影響を及ぼさない
といわれております。
・L.S.D.Clerck, et.al., J.Immunol.Methods, 172, 115-124(1994)
あと注意点としては、元々の基本骨格がFluoresceinなので、励起光による退光が
起りやすいので長時間の励起による蛍光観察は難しいかもしれません。
(退光防止剤などを使用すれば幾分よいかもしれませんが)
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Q
CFSEの使用方法を教えて下さい。
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A
参考例として紹介します。
文献[1]中の記述を、以下に示します。
生後7-10週のCBA/Hマウスを殺し、脾臓(または、目的とする他臓器)を切除し、F15培地(1%FCS)に浸す。
その後、金属製の網を通して細胞懸濁液を得、遠心分離によって赤血球や死細胞等を除去する。
その精製リンパ球をpH 7.0のPBSに懸濁し、50,000,000 cells/mLとする。
5.0μM濃度のCFSEを加え、37℃で15分間標識する。氷冷したF15培地(1% FCS)に懸濁させて遠心機にかけ
(350g、5分、20℃)ることで、2回洗浄する。F15培地に懸濁する。
CBA/Hマウスに、静脈注射する。一定時間後、マウスを殺し脾臓(または、目的とする他臓器)を
切除してリンパ球を単離し、flow cytometryで解析する。
文献[2]は、Calcein-AMに関するものですが、[1]と同様の手技によって、CFSEとの比較も行っています。
【参考文献】
1. Susan A. Weston, Christopher R. Parish, J. Immunol. Methods, 133, 87 (1990).
2. Susan A. Weston, Christopher R. Parish, Cytometry, 13, 739 (1992).
取扱条件
性状: | 本品は、無色~微黄色固体でジメチルスルホキシド及びアセトニトリルに溶ける。 |
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ジメチルスルホキシド溶状: | 試験適合 |
NMRスペクトル: | 試験適合 |
保存条件: 冷凍 |