CHAPSO
膜タンパク質可溶化剤
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製品コードC020 CHAPSO
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CAS番号82473-24-3
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化学名3-[(3-Cholamidopropyl)dimethylammonio]-2-hydroxypropanesulfonate
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分子式・分子量C32H58N2O8S=630.88
容 量 | メーカー希望 小売価格 |
富士フイルム 和光純薬 |
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1 g | ¥10,200 | 347-05161 |
5 g | ¥35,800 | 343-05163 |
性質
両性界面活性剤:cmc=8 mmol/L
膜タンパク質の溶解剤としての好ましい条件の一つに非イオン性であることがあげられ、例えばTriton X-100などが用いられているが、溶解効率、除去の難しさ等の点で必ずしも満足なものとは言えない。ここに紹介するCHAPSOはコール酸を母核とする両性化合物であり、スルホベタイン型の溶解剤や胆汁酸塩アニオン化合物の双方の特徴を兼ねそなえた膜タンパク質可溶化剤である。
なお、CHAPSO自体の紫外部の吸収は弱いため、UV吸収を利用するタンパク質の検出にも好都合である。
マニュアル
技術情報
溶解例
1 g/20 mⅬ(水)
参考文献
1) D. S. Liscia, T. Alhadi and B. K. Vonderhaar, "Solubilization of Active Prolactin Receptors by a Nondenaturing Zwitterionic Detergent", J. Biol. Chem., 1982, 257, 9401.
2) 浅田浩二, "アスコルビン酸ペルオキシダーゼ -クロロプラストでの過酸化水素消去系", 蛋白質、核酸、酵素, 1988, 33, 2957.
3)C. Miyake, W.-H. Cao and K. Asada, "Purification and Molecular Properties of the Thylakoid-Bound Ascorbate Peroxidase in Spinach Chloroplasts", Plant Cell Physiol, 1993, 34(6), 881.
4)N. Inoue, J. Kuranari, S. Harada, H. Nakajima, M. Ohbayashi, Y. Nakamura, N. Miyasaka, K. Ezawa, F. Ban and K. Yanagi, "Use of enzyme-linked immunosorbent assays with chimeric fusion proteins to titrate antibodies against Epstein-Barr virus nuclear antigen 1.", J. Clin. Microbiol., 1992, 30(6), 1442
よくある質問
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Q
cmc(臨界ミセル濃度)はタンパク質可溶化にどのように関係するのですか。
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A
界面活性剤はcmc以上の濃度でないとミセルを形成しません。
その濃度以上でないとタンパク質の可溶化も出来ません。
タンパク質を可溶化する場合、最終濃度がcmc以上となるように調製する必要があります。
一方、タンパク質を可溶化した溶液からこの界面活性剤を除去するときにもcmcは重要となります。
透析を例として説明します。ミセルは界面活性剤の集合体ですが、ミセルを形成することで
一つの大きな分子として振る舞います。
ミセルを形成している場合、ミセルは透析膜を通過出来ません。
よって、cmcが比較的大きい分子ほど、モノマーの状態の比率が高くなる傾向がありますので、
透析により簡単に除去できます。
cmc以下に希釈すれば透析はさらに容易になるため、cmcが高いほど低い希釈率で透析ができます。
下記に同仁販売製品一覧およびcmc値を示します。ご参照ください。
http://www.dojindo.co.jp/download/det/det1.pdf