15 比色試薬/金属指示薬

Chlorophosphonazo-III

Chlorophosphonazo-III

比色試薬/金属指示薬

  • 製品コード
    C010  Chlorophosphonazo-III
  • CAS番号
    1914-99-4
  • 化学名
    2,7-Bis(4-chloro-2-phosphonophenylazo)-1,8-dihydroxy-3,6-naphthalenedisulfonic acid
  • 分子式・分子量
    C22H16Cl2N4O14P2S2=757.37
容 量 メーカー希望
小売価格
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和光純薬
100 mg ¥5,500 345-00581
1 g ¥30,800 341-00583

性質

Chlorophosphonazo-IIIはArsenazo-IIIに類似した色素で、ウラン元素や希土類金属と発色するほか、アルカリ土類金属と酸性で鋭敏に変色する。また、硫酸イオンのバリウム標準液による沈澱滴定法の指示薬としても優れている。
水に溶けpH>4では紫色を呈する。H2SO4、HCl、希HNO3中では鮮やかな緑色となるが、濃HNO3中では分解する。NaOH中では青色を呈する。
酸解離定数はpKa:-1.1, -1.1, 0.6, 0.8, 1.5, 2.5, 5.47, 7.20, 12.15, 15.13(μ=0.1, 20℃)である。Th, U, 希土類、アクチノイドのほか Ca, Mg などと 1:1~1:3 の赤紫~青紫色キレートを生成する。特に、pH2~3で Ca, Mg 混合試料中の Ca の選択的吸光光度試薬となることは興味深い。またArsenazo-IIIと同様にSO42-のBa2+標準液による沈殿指示薬としても優れている。

技術情報

応用可能な金属

沈殿滴定用指示薬として:SO42-
比色試薬として:Ba, Be, Bi, Ca, Mg, Np, Pa, Pd, Pu, Sc, Sr, Th,Ti, U, Y, Zr, 希土類など

応用例

Ca, Mgの強酸性における比色に関しては、Fergusonの報告に詳しいが、pH7、669 nmで比色すればCa+Mgが定量され、0.004~0.4 μg/mLの極微量の Ca, Mgに対してベ一ルの法則が成立する。pHを下げてゆくとMgはpH6でほとんど発色しなくなるのに対し、CaはpH2~3においてもなおモル吸光係数1.4×104程度を保つので、pH2.2、668 nmでCaのみ定量できる。竹田津はGd キレートをブタノールで抽出した所、 そのモル吸光係数は水溶液の2.5倍に増加することを見出し、また、希土類のモル吸光係数はDyを頂点としての原子番号の大小の順に山状に並ぶことを知った。またArsenazo-III、スルホナゾ-IIIと同様に、Ba標準液を用いてのSO42-の沈殿滴定用指示薬としてもすぐれており、 赤紫色から青色の終点が得られ、シェーニガーフラスコ分解法と組合わせて含硫黄化合物の分析に応用できる。そのほか酸解離定数の研究総説があり、Chlorophosphonazo-III DALによる研究報告もある。

表 Chlorophosphonazo-IIIによる金属の比較定量条件1)

溶解例

16 mg/100 mL(水)

参考文献

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1) K. Ueno, T. Imamura and K. L. Cheng, "Handbook of Organic Analitical Reagents 2nd Edition", CRC Press1992.
2) L. R. Snyder and B. E. Buell, "Characterization and Routine Determination of Nonbasic Nitrogen Types in Cracked Gas Oils by Linear Elution Adsorption Chromatography", Anal. Chem., 196436(4), 767.
3) J. W. Ferguson, J. J. Richard, J. W. O'laughlin and C. V. Banks, "Simultaneous Spectrophotometric Determination of Calcium and Magnesium with Chlorophosphonazo-III", Anal. Chem., 196436, 796.
4) D. S. Howell, J. C. Pita, J. F. Marquez, "Ultramicro Spectrophotometric Determination of Calcium in Biologic Fluids", Anal. Chem., 196638, 434.
5) T. Yamamoto, "Extraction-photometric Determination of Uranium(IV) with Chlorophosphonazo-III", Anal. Chim. Acta1973, 65, 329.
6) M. Zenki, T. Masutani and T. Yokoyama, "Repetitive Determination of Calcium Ion and Regeneration of a Chromogenic Reagent Using Chlorophosphonazo III and an Ion Exchanger in a Circulatory Flow Injection System", Anal. Sci., 200218, 1137.

取扱条件

規格
性状: 本品は、赤褐色~黒紫色結晶性粉末で水に溶ける。
水溶状: 試験適合
吸光度: 0.530 以上(550~570 nm付近)
強熱残分(硫酸塩): 20.0% 以下
IRスペクトル: 試験適合
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