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新製品
グルタチオン分別定量キット GSSG/GSH Quantification Kit


<特長>
  • グルタチオン(酸化型、還元型)の分別定量が可能
  • 短時間で多検体の測定が可能

 グルタチオン(γ-L-glutamyl-L-cysteinylglycine)は生体内に存在するトリペプチドで、Glutathione Peroxidase、GlutathioneS-TransferaseおよびThiol Transferase等の酵素基質として抗酸化や薬物代謝などに関与しています。グルタチオンは通常、生体内で還元型(GSH)として存在しています。しかし、酸化ストレスなどの刺激によって還元型(GSH)から酸化型(GSSG)に変換されるため、GSHとGSSGの比率が酸化ストレスの指標として注目されています。小社では総グルタチオン量を定量するためのキットTotal Glutathione Quantification Kit(品コード:T419)を販売しておりますが、GSSGおよびGSHをそれぞれ定量したいという要望が数多く寄せられました。そこで、このたびGSHとGSSGを分別定量できるキットを開発致しました。本キットには、GSHを隠蔽するためのマスキング剤が含まれています。このマスキング剤をサンプルに添加することによって、サンプル内のGSHのみを隠蔽することができます。その後、酵素リサイクリング法を用いたDTNB(5,5’-dithiobis (2-nitrobenzoic acid))の発色(λmax = 412 nm)を測定することによってGSSGのみを定量することができ、別途測定した総グルタチオン量からGSSG量を差し引くことでGSH量を求めることが可能です。なお総グルタチオンの測定範囲は0.5〜50μmol/l、GSSG の測定範囲は0.5〜25μmol/lとなっております。

 以下に赤血球中のGSSGおよびGSHを定量した例を示します。本キットを用いた測定の結果、赤血球中の総グルタチオン濃度433μmol/l(GSSG濃度23μmol/l,GSH濃度387μmol/l;GSSG/GSH=0.059)という値を得ることができました。一般的に赤血球中のGSSG量はGSHの数%程度であることが知られています。

〈測定原理〉

<赤血球中のGSSG / GSH 測定例>


サンプルの前処理

1) 抗血液凝固剤を加えた血液を,1000xgで10分間4℃にて遠心した。

2) 上清を捨て、4 倍量の5% 5- スルホサリチル酸(SSA)で溶血した。

3)8,000xg で10分間 4℃にて遠心した後、上清を測定試料とした。


総グルタチオンの定量

1)0.5%SSAで10倍に希釈した測定試料およびGSH standard solution 40μlを各ウェルに添加した後、Buffer solution 120μlを各ウェルに添加した。

2)Substrate working solution 20μlを各ウェルに添加した後、Coenzyme working solution およびEnzyme workingsolution を20μlずつ各ウェルに添加した。

3)37℃で10分間インキュベートした後、マイクロプレートリーダーを用いて405nm吸光度を測定した。

 測定試料の405nm吸光度(実測値 1.397)から試料中の総グルタチオン濃度を検量線 (Fig.1) より求めた。その結果、総グルタチオン濃度は43.3μmol/l(原液の測定試料中は433μmol/l)であった。

Fig. 1 総グルタチオン定量のための検量線
(405 nm のフィルターを使って吸光度を測定)

酸化型グルタチオン(GSSG)の定量

1)0.5% SSAで10倍に希釈した測定試料およびGSSGstandard solution 200μlにMasking reagent 4μlを添加した後、40μlを各ウェルに添加した。

2)Buffer solution 120μlを各ウェルに添加した後、37℃で1時間インキュベートした。

3)Substrate working solution 20μlを各ウェルに添加した後、Coenzyme working solution およびEnzyme working solution を20μlずつ各ウェルに添加した。

4)37℃で10分間インキュベートした後、マイクロプレートリーダーを用いて405nm吸光度を測定した。

 測定試料の405nm吸光度(実測値 0.312)から試料中のGSSG 濃度を検量線 (Fig.2) より求めた。その結果、GSSG濃度は2.3μmol/l(原液の測定試料中は23μmol/l)であった。

Fig. 2 GSSG 定量のための検量線
(405 nm のフィルターを使って吸光度を測定)

還元型グルタチオン(GSH)の算出

下記の数式に当てはめてGSH濃度を算出した結果、GSH濃度は38.7μmol/l(原液の測定試料中は387μmol/l)であった。

GSH濃度 = 総グルタチオン濃度 −(GSSG濃度x2)

※操作に必要な試薬類(5-スルホサリチル酸(SSA)、エタノールは除く)は、キットに含まれています


<キット内容> 
     
  • Enzyme solution 50μl × 1本
  •  
  • Coenzyme 2本
  •  
  • Buffer solution 60ml × 1本
  •  
  • Substrate (DTNB) 4本
  •  
  • Standard GSH 1本
  •  
  • Standard GSSG 1本
  •  
  • Masking reagent 20μl × 1本


<キット内容>


品名 容量 希望納入価格(¥) メーカーコード
GSSG/GSH Quantification Kit
200tests 50,000 G257

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