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‘Forum in DOJIN 20th Anniversary International Symposium’ 開催報告
“Fluorescence Biology”− from molecules to systems −

 (株)同仁化学研究所が現在のテクノリサーチパークへ移転した のをきっかけに始まったフォーラム・イン・ドージンも20周 年を迎え、今回はそれを記念した国際フォーラムとして開催し た。20周年に相応しいテーマとして、小社のコア技術ともいえ る蛍光試薬と、それによって切り開かれる生物学という思いを込 めて「蛍光生物学」という斬新なタイトルにした。例年同様、熊 本市の鶴屋ホールで開催されたが、今回は一般の方も参加され、 200人近い参加者となった。

 

 分子生物学の研究で多用されるCy Dyeの開発者である Alan Waggoner教授が基調講演を行い、種々の細胞機能の解析に蛍光 技術を用いた例を紹介された。温厚で親しみやすい人柄の先生で、 写真家の奥様とアメリカ西部をレンタカーでよく旅行されている ようで、今回も奥様を同伴され、晩秋の日本の自然を楽しまれた ようであった。次の東大薬学部の浦野先生は、主にフルオレッセ イン骨格をもつ蛍光性低分子の設計コンセプトからそれらを用い た生命現象の解析まで、最近の研究成果を交えて話された。これ ら蛍光性プローブの開発は、それによって生命現象の理解が深ま り、「蛍光生物学」の発展に欠かせない。会場の研究者からも多 くの質問が寄せられた。 

    

 今回の国際フォーラムには北京大学医学部の先生方にも参加 していただいた。基礎医学院の尹先生はPTENとp53の作用機 序について、また朱先生はHDAC阻害剤の癌研究への応用につ いて講演された。学院長の尹先生は昨年アメリカから帰国された ばかりの典型的な海亀派で、さらに朱先生も九大留学の経験があ り、流暢な日本語を話される。北京大学医学部(Health Science Center, HSC)は基礎医学院の他にも、公衆衛生学院、薬学院、 看護学院などの5つの学院と8つの附属病院から成る巨大な組織 である。HSC副部長の方先生は講演に先立ちHSCの概要につい て説明されたが、最近の中国では基礎研究にもかなりの予算が下 りてきているようである。

 最後のセッションでは基礎医学院の韓先生と熊本大医学部の宋 先生の講演だった。韓先生はフォーラム代表世話人の山本先生(熊 本大医)と懇意にされており、今回の企画でも大変お世話になっ た。講演は漢方薬の微小循環への影響を蛍光可視化技術で解析す る研究の紹介であった。また、宋先生は大脳聴覚野における音の 伝わり方を蛍光性の膜電位色素を用いて可視化されており、大変 興味深いものであった。宋先生は山東省青島のご出身であり、相 手に合わせて中国語、日本語、英語を自由に話される。講演後の ミキサーでは在熊の中国人留学生も多く参加し、貴重な情報交換 の場にもなった。また、今回のフォーラムは北京大学医学部のホー ムページでも紹介されている。
(http://bynew.bjmu.edu.cn/art/2009/12/8/art_1146_39771.html

尚、講演要旨をご希望の方は小社カスタマーサービス部までご連絡ください(free dial: 0120-489548)。

 

(熊本・水前寺成趣園の紅葉 Mrs. Karen Waggoner 撮影)

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