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九州大学-同仁化学組織対応型連携に関するお知らせ

 九州大学と小社は、九州大学での優れた研究成果を迅速に実用化することを目的に組織対応型(包括的)連携契約を締結致しております。下記の技術に関して現在実用化を検討しております。これらにご興味がございましたら小社までお問い合わせ下さい。


No.002 過酸化脂質計測用蛍光試薬

 九州大学の宗らは、新規の過酸化脂質蛍光検出試薬としてspy-HP(swallow-tailed perylene derivative for hydroperoxide)を開発した。spy-HPはトリフェニルホスフィンに蛍光基であるペリレン類を連結した構造であり、また脂質への親和性を向上するためアルキル鎖を有している。spy-HPに脂溶性過酸化物であるm-chloroperoxybenzoic acid(MCPBA)を添加すると、ホスフィンオキシド体の形成に伴い蛍光が大きく増強することが確認された。本化合物の蛍光波長は十分に長く(λex = 524 nm, λem = 535 nm in methanol)、DPPPのような短波長励起が必要な従来の過酸化脂質計測用蛍光試薬で問題となる生体試料由来の自家蛍光の影響や生細胞へのダメージを大きく軽減できる。また本化合物の反応体(ホスフィンオキシド体)の蛍光量子収率は極めて高くなっている(〜1 in methanol)。このように本試薬は、過酸化脂質計測用蛍光試薬として非常に優れた特徴を有している。

N. Soh, T. Ariyoshi, T. Fukaminato, K. Nakano, M. Irie, T. Imato, Bioorg. Med. Chem. Lett., 2006, 16(11), 2943-6

No.007 Protein kinase C eta (η)の特異的基質ペプチド

 セリン/スレオニンキナーゼであるProtein kinase C (PKC)には12種類のサブファミリーが存在しており、各サブファミリーによる細胞内作用は異なる。Protein kinase C etaは最近グリオーマ(脳腫瘍)のターゲットシグナルとして注目されているが、リン酸化研究に利用可能な基質ペプチドは開発されていない。

 九州大学では、10種類のProtein kinase C (alpha, beta 1,2, gamma, delta, theta, epsilon, iota, lambdaおよびzeta)にはリン酸化さず、Protein kinase C etaにのみリン酸化される基質ペプチドの開発に成功した(Protein kinase C eta 10 ng/μl濃度で90%以上リン酸化)。今後、診断および治療用基質ペプチドとして、また、各種研究用基質ペプチドとしての利用が期待される。

No.008 Rho-kinaseに特異的リン酸化される基質ペプチド

 セリン/スレオニンキナーゼであるPKA、PKCおよびRho-kinaseはRXS/TまたはRXXS/Tという同じリン酸化基質モチーフを有するので、細胞内リン酸化研究のためには特異性を持つ基質ペプチドの開発は必要不可欠なことである。

 九州大学では、血管疾病に深く関与しているRho-kinaseに特異的にリン酸化される2種類の基質ペプチドを開発した。Rho-kinaseに対する基質ペプチドのKm(mM)とkcat(min-1)はA基質の場合0.29と6.48、B基質の場合0.38と20.9であった。

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